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2020年2月6日

『メナム河の日本人』の魅力④ 舞台美術ができるまで

いよいよ8日より劇場稽古がスタートします!
静岡芸術劇場では、『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』から『メナム河の日本人』へ仕込み替え作業の真っ最中。
今作の舞台美術はとても大がかりなため、SPACのもう一つの拠点・舞台芸術公園の「BOXシアター」で製作されていました。
期間中にインターンシップで来てくれた静岡農業高校2年生3名が書いてくださった見学レポートとともに、製作の様子をご紹介していきます。
 
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▲製作過程の美術を見学する演出・今井さん
 
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▲写真右:本作の美術デザインを手掛ける深沢襟

<M.Eさんレポート>

美術デザインの深沢さんは
「もともと、母の付き添いで劇を見に行って、自分は俳優ではなく裏方の仕事に興味があるということに気づき、この仕事についた。
舞台美術を作るうえで大変なことは、自分が考えているコンセプトと、演出家のプランとのすり合わせ。だけど完成した美術が舞台上に並び、自分の想像以上のものができたとき、喜びややりがいを感じる。」
と仰っていました。
お話を聞いて、普段は俳優さんに目がいってしまいがちだけど、美術さんの思いや意味が込められてはじめてこの作品が完成するのだなと思いました。
 
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▲創作・技術部スタッフと模型を見ながら打ち合わせ
 
<A.Yさんレポート>

今回の舞台美術の製作では、スタッフさんでも数えきれないほど大量の布を使用したそうです。
布は一枚一枚手作業で切られていて、さらに貼ったり、縛ったり、編んだり色々な工夫を組み合わせて表現されていました。
また、布を色染めして暗く見せるなど、色の違いにもこだわっていました。
染めるときには、絵の具のほかにコーヒーなども使っていました。
私たちが劇を観に来たときにはすべて完成しているため、あることが当たり前に思ってしまいますが、今回このような仕事を見て、重要性を改めて知ることができました。
 
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▲ひとつの大きな布から色々な幅に切り出す
 
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▲たくさんの布たち!
 
<R.Tさんレポート>

私は舞台を観るのも好きですが、裏側ではどのようにして支えているかを知りたかったので、とても良い機会でした。
今回の製作は、いかに短い期間でできるかということが肝だったそうです。
そのために編む作業では、難しい編み方や新たに調べたり練習する必要があるものを選ぶのではなく、自分たちが知っていて、なおかつ短い期間でできる編み方を選んでいるそうです。
この作品は、タイ・アユタヤの後継者争いをめぐる物語です。今回見学させてもらった舞台美術を使った背景の変化の工夫は、シンプルだけど場面ごとの迫力をさらに伝えるものになると思います。
ぜひ劇場で、物語だけでなく色々なところに注目しながら見てみたいです。
 
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▲作業風景(撮影:インターン生)
 
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▲編まれた布
 
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▲インターンの3人には稽古も見学してもらいました
 
★SPAC創作・技術部が舞台裏を特別にご案内する人気企画「バックステージツアー」は、一般公演日の後半2月24日(月・休)・29日(土)・3月1日(日)・7日(土)の終演後に開催いたします!
舞台美術をより間近で見てみたい方は、ぜひこの4日間をご予約いただき、この企画にご参加ください♪(所要時間:約30分/参加無料/要予約、定員40名)
また、今回の舞台美術はこのように大がかりなので、お席は全景を見渡せるように中央ブロック・真ん中より少し後ろ側あたりがオススメです。
初日まで10日を切りました。ご希望のお席はぜひお早めに!
 
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #5
『メナム河の日本人』
2020年2月15日(土)、16日(日)、23日(日・祝)、24日(月・休)、29日(土)、
3月1日(日)、7日(土)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
演出:今井朋彦
作:遠藤周作
出演:林大樹、阿部一徳、大内智美、大高浩一、奥野晃士、加藤幸夫、小長谷勝彦、佐藤ゆず、たきいみき、布施安寿香、三島景太、山本実幸、吉植荘一郎、渡辺敬彦
★公演詳細はこちら
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