2017年12月29日

<シリーズ ミヤギ能の軌跡 #3> おためし劇場/【豆知識】地謡・囃子

0W1A0325_s
今回は「おためし劇場」。お客さんと一緒に稽古場を覗いてきました。

先日、稽古場をのぞけてしまうSPAC人気企画「おためし劇場」が行われました!
今回の会場はいつもの静岡芸術劇場ではなく、舞台芸術公園内の稽古場棟BOXシアターです。

まずは稽古を見学。
劇場よりも舞台が近いです!

0W1A0438_s
間狂言での一コマ/左から吉植、三島、木内、鈴木、大内、阿部

0W1A0363_s
前場での一コマ/左から寺内、美加理、桜内、片岡、本多、木内

今回は最初から全体の2/5くらいまでを通しました。
「おためし」なので、続きは本番でのお楽しみに!
ということで。

0W1A0351_s
さて、ちょっとこちらの写真をご覧ください。

これは稽古用の簡易版ですが、今回の「オセロー」舞台部分になります。
右側に並んでいるのが「地謡」、左側奥の楽器が並んでいるところが「囃子(方)」の場所です。
では、ここで今回のミヤギ能豆知識です。

【ミヤギ能豆知識 vol.3 地謡・囃子】
 能の音楽は、謡(うたい)と囃子(はやし)でできています。
 能はシテやワキなど立ち方による謡で進行しますが、地謡(じうたい)は舞台には登場しない第三者の立場で出来事や風景描写を行ったり心情を朗唱したりするものです。
 囃子を演奏する囃子方は笛(能管)、小鼓、大鼓(大皮)、太鼓の四種類の楽器からなっていて、伴奏にとどまらず、舞台を創り上げる能の調べを奏でます。

 
稽古が終了すると、演出家・出演者とのQ&Aへ。
参加された方々から時間いっぱいまで質問をいただきました。

0W1A0457_s
質問に答える宮城芸術総監督
 
たくさんのご参加、ありがとうございました!
参加された方もされなかった方も、2月からの本番で、いっそうパワーアップした作品を楽しんでいただきたいと思います。

================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯4
ミヤギ能 『オセロー ~夢幻の愛~
2018年2月11日(日)、18日(日)、24日(土)、25日(日)
3月3日(土)、4日(日)、11日(日)
各日14:00開演 ★2月24日(土)のみ18:00開演
演出:宮城聰 
原作:ウィリアム・シェイクスピア (小田島雄志訳による)
謡曲台本:平川祐弘
出演:阿部一徳、美加理、大内米治、片岡佐知子、加藤幸夫、木内琴子、桜内結う、鈴木陽代、関根淳子、大道無門優也、寺内亜矢子、布施安寿香、本多麻紀、三島景太、森山冬子、吉植荘一郎
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年12月19日

<シリーズ ミヤギ能の軌跡 #2> なりたち/【豆知識】謡曲


▲オセローPV出来ました!演出・宮城聰のロングコメント付きです!

シリーズ第2回は、ミヤギ能『オセロー ~夢幻の愛~』の謡曲台本を執筆した平川祐弘東京大学名誉教授のインタビューです!

それでは早速インタビューへ……行く前に。
先ずは「謡曲」についての豆知識をどうぞ。

【ミヤギ能豆知識 Vol.2 「謡曲」】
 ズバリ!謡曲とは、能のセリフ(詞、詞章)のことです。これらは節を付けて謡(うた)われます。謡曲は「セリフ」と「地の文」とで構成され、引用や掛詞、枕詞などのたくさんの修辞技法が使われます。また、次第、名のり、道行きなど細かな「小段」(場面)を組み合わせて一本の作品が構成されています。
この「オセロー」では、「シテ」と「ワキ」のやり取りが謡曲になっています。

 
西欧、日本文学の研究や翻訳など比較文化で多数の受賞歴を持ち、半世紀以上、日本の知をリードしてきた平川祐弘氏。今回はシェイクスピアの『オセロー』を夢幻能の形式で書き上げるに至った経緯などを伺いました。

(本インタビューのショートver.は、「すぱっく新聞4号」、「グランシップマガジン12月号」にも掲載されています。)

=====

あああああ

▲平川氏近影(後ろの書は、なんと漱石の親友・菅虎雄の肉筆!)

——『オセロー』を夢幻能の形式に仕立てた経緯を教えてください。

イギリスの東洋学者でアーサー・ウェイリーという人がいましてね、1919年に『マルフィ侯爵夫人』という戯曲を日本の「夢幻能」の形式に置き換えるとこうなる、と説明したんです。日本ではあまり有名じゃないんですが、『マルフィ侯爵夫人』はジョン・ウェブスター(イギリス・エリザベス朝期の劇作家、シェイクスピアと同時代に活躍)の代表作で、私は大学4年生の時にたまたま習い、非常に印象深かったんです。当時のイギリスではウェブスターが再評価されていて、この戯曲はよく知られていたので、ウェイリーの説明は分かり易かった。でも、日本でウェブスターは知られていない…。能を大成した世阿弥も言っていますが、能は話の筋が知られている有名な作品、例えば『源氏物語』などを題材に扱っていて、観客は筋を知った上で観ているわけでしょう。ですから、日本でも知られているシェイクスピアの戯曲を「夢幻能」に置き換えてみることにしたんです。

 でも、シェイクスピアの戯曲なら何でも良いわけではなくて、能の台本には、何か気の利いたセリフ(言葉)がないといけない。夏目漱石はシェイクスピアの戯曲をいくつも俳句にしていて、中でも『オセロー』は秀逸で。「白菊に しばし躊躇う 鋏かな」と詠んだ。白い肌のデズデモーナを白菊に、黒い肌のオセローを鋏に例えて。この句を目にした時、「これは使えるな」と思ってね。試しにこの句をセリフに取り入れて学生たちに講義したら、非常な喝采で。
そこで「文学界」という雑誌にこれを書いたところ、僕は全く面識なかったんですけど、宮城さんから夢幻能オセローの脚本を書いてくれという依頼がきて。面白いから改めて原作を読みなおして書いたんです。

——シェイクスピアの『オセロー』という戯曲について、どのように捉えていらっしゃいますか?

 改めて原作を読み直してみると、黒人と白人の人種間問題が実に露骨に出ている作品で驚きました。現代では異なる人種間での結婚は普通にありますから、演出家は、この問題に重きを置かないで、人間の嫉妬とかそういう一般論を中心に据えて解釈し、演出していますが、原作には「白いヤギと黒いヤギが混じって」とかあからさまな表現もたくさんあります。この戯曲のベースに人種間問題があると考えたからこそ、あえてそういったセリフも残しました。

——『オセロー』は、主人公のオセローを中心にした「嫉妬の物語」として描かれることが多い中、オセローではなくデズデモーナを中心としたのはなぜですか?

「夢幻能」は、この世に想いを残した死者(シテ)が、旅僧や旅人(ワキ)の夢の中に亡霊として姿を現し、在りし日の栄光や苦しみを話すことで、最後は成仏するという形式を取ります。デズデモーナは罪もなく殺され、「自分は本当は潔白だったんだ」という想いがある。それは、オセローの真実を知った故の後悔よりも強くこの世に残るでしょ。だから誤解からオセローに殺されたデズデモーナの方がシテにふさわしいんですよ。

 それに、能の登場人物というのは、近代的な解釈では測れないところが面白いんです。例えばある人間のジェラシーを特化して、「ジェラシーの権化」として登場させたりする。今の演出家は、しばしば登場人物の細かい心理描写に注意し過ぎていると感じます。一種の近代病みたいなものですね。だから逆に登場人物の力が弱くなってしまうこともあるわけです。

——2005年の東京国立博物館 日本庭園 特設能舞台での初演から13年、今回の再演への期待をお願いします。

 シテの美加理さんがデズデモーナとオセローを一人二役で演じる、それがまあ上手くて盛り上がりました。「夢幻能」は、リアリズムではなく霊の世界。日本は八百万の神、亡霊がたくさんいる国で、死者と我々の間に会話が成り立つんです。デズデモーナを演じた美加理さんは、まさにスピリチュアルな存在で、憑依という言葉がふさわしい、あの世の人の思いを伝える迫力がありました。私が言うのもおこがましいが、彼女の迫力に脚本が合っていた。詩的な言葉になっていたと思いました。今回も演技と言葉がかみ合って、素晴しい舞台になることを期待しています。

2017年10月17日(平川氏のご自宅にて)/聞き手:SPAC制作部(内田、中尾)

 

================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯4
ミヤギ能 『オセロー ~夢幻の愛~
2018年2月11日(日)、18日(日)、24日(土)、25日(日)
3月3日(土)、4日(日)、11日(日)
各日14:00開演 ★2月24日(土)のみ18:00開演
演出:宮城聰 
原作:ウィリアム・シェイクスピア (小田島雄志訳による)
謡曲台本:平川祐弘
出演:阿部一徳、美加理、大内米治、片岡佐知子、加藤幸夫、木内琴子、桜内結う、鈴木陽代、関根淳子、大道無門優也、寺内亜矢子、布施安寿香、本多麻紀、三島景太、森山冬子、吉植荘一郎
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年12月14日

『しんしゃく源氏物語』ブログ#1~PR活動の巻~

『変身』(演出:小野寺修二)が大千穐楽を迎えた・・・ということは!?2017年のSPACでの公演が全て終了となりました!気が付けば、あら、2018年がもう目の前でございます。

そして・・・2018年静岡芸術劇場で新春を飾るのは、
初演から20年、SPACとともに歩んできた名作『しんしゃく源氏物語』です♪

10月に『病は気から』(演出:ノゾエ征爾)からはじまった<SPAC秋→春のシーズン>も3作品目がはじまります。

いや・・・実はもうはじまってま~す!!
8年前の上演時に左近役で出演していた石井萠水とともに、こつこつと広報・営業を行っておりました。

まずは10月。
舞台芸術公園からすぐ近くの静岡英和学院大学さんにて1年生の学生さんを前にPR活動♪
出来たてホヤホヤのトレイラーをご覧いただきながら、見どころを紹介させていただきました。
写真①

続いて11月。
働く女子大学うるおいプラスさんの設立5周年を記念したリーディング・カフェに石井が特別ゲストとして参加。
まさに「働く女子」が集まるその様子は・・・『しんしゃく源氏物語』そのものでした!
写真②

そして12月。
FM Hiにて放送されている<ゆうラジ!Radio魂>内「かこまる◎にじゅうまる」の
コーナーに出演してまいりました!パーソナリティのかこまるさんと楽しくお話ししながらも、バッチリPR★
写真③写真④

ひとりでも多くのお客様にご来場いただけますように。
引き続き、PR活動がんばってまいります!

================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯3
『しんしゃく源氏物語』
2018年1月13日(土)、14日(日)、21日(日)、27日(土)★、28日(日)
2月3日(土)、4日(日)
各日14:00開演 ★1月27日(土)のみ19:00開演
演出:原田一樹 作:榊原政常
衣裳デザイン:朝倉摂 舞台美術:松野潤
出演:池田真紀子、石井萠水、大内智美、河村若菜、舘野百代、ながいさやこ、山本実幸
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年12月11日

<シリーズ ミヤギ能の軌跡 #1> はじまり/【豆知識】複式夢幻能

▲すぱっく新聞最終号!「オセロー」編ついに配布開始です!

▲すぱっく新聞最終号!「オセロー」編ついに配布開始です!

遂に出来ました、すぱっく新聞最終号となる第4号!
ミヤギ能『オセロー ~夢幻の愛~』についてのおもしろ情報満載です。
ぜひ手にとってご一読を!

そして実際のミヤギ能『オセロー ~夢幻の愛~』(以下、「オセロー」)ですが、稽古が始まりました。

稽古初日は輪になって読みあわせから

▲稽古初日は輪になって読みあわせから

稽古初日は台本の読み合わせで始まります。
2005年の初演時に出演していた俳優は当時使用した台本も持ってきていて、そこには発音のメモなど細かい情報も書き込まれており、そういった確認も交えて進みます。
そうして読み合わせを終えたあと、演出の宮城さんの第一声は

「やることがたくさんあるね。」
 

▲宮城さん、その心中やいかに

▲宮城さん、その心中やいかに

今回の「オセロー」は、実に13年ぶりなことに加えて、初演は野外、今回は屋内(静岡芸術劇場)と、上演環境も大きく変わります。
さらに、この作品には他にも普通のお芝居ではない、たくさんの要素が詰まっているから、宮城さんがそういうのも当然といえば当然ですね。
また、俳優たちからも
「色々な要素があって聞きなれない言葉もあると、難しいかもしれない」
という声が上がりました。
そのために、この作品の持つ面白さは残しつつも、観に来てくださった方々に、いつも以上に歩み寄ることも必要だろうと、様々な案が出されました。
さあ、ここから試行錯誤の長い旅が始まります!

来年1月にNYで、2~3月に静岡で上演する”ミヤギ能『オセロー ~夢幻の愛~』”。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2017で『アンティゴネ ~時を超える送り火~』を上演した後、アヴィニョン演劇祭、歌舞伎、オペラなど世界もジャンルも股にかけて活動してきた宮城聰、久方ぶりのSPAC作品静岡上演です。
このブログ「シリーズ ミヤギ能の軌跡」では、本作の上演までの軌跡に加え、作品をより深く楽しむための「豆知識」も掲載していきます。
今、ミヤギ能について全く知らなくても大丈夫!観劇までにひとつずつ、みなさんと一緒に学んでいきたいと思います!

ですが、
上演まで待ちきれないという方は、
12月21日(木)「おためし劇場」に、ぜひお越しください。
誰よりも早く、「ミヤギ能」の秘密を知ることができる……かもしれません!
 

【ミヤギ能豆知識 Vol.1 「複式夢幻能」】
 複式夢幻能は世阿弥が大成させた能の形式です。複式夢幻能は夢幻能であり複式能であるものを指しています。
 まず、夢幻能とは霊的存在の主人公「シテ」が、名所旧跡を訪れる旅人「ワキ」の前に出現し、その土地にまつわる伝説や身の上を語るものです。この「シテ」は物語でとても重要な役割を担っています。
 次に、複式能とは二場物のことです。最初が「前場(まえば)」、次が「後場(のちば)」と呼ばれており、前場でシテや物語のことがほのめかされ、後場でその詳細が明かされます。前場と後場の間にはシテが退場する「中入り(なかいり)」が挟まれます。
 本作ではキプロスの女性がシテ、ヴェネチアからキプロスに来た旅の僧がワキになります。

 

================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯4
ミヤギ能『オセロー ~夢幻の愛~』
2018年2月11日(日)、18日(日)、24日(土)、25日(日)
3月3日(土)、4日(日)、11日(日)
各日14:00開演 ★2月24日(土)のみ18:00開演
演出:宮城聰 
原作:ウィリアム・シェイクスピア (小田島雄志訳による)
謡曲台本:平川祐弘
出演:阿部一徳、美加理、大内米治、片岡佐知子、加藤幸夫、木内琴子、桜内結う、鈴木陽代、関根淳子、大道無門優也、寺内亜矢子、布施安寿香、本多麻紀、三島景太、森山冬子、吉植荘一郎
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年12月2日

『変身』日記2017 #9 ~12/3は関連企画がもりだくさん!~

Filed under: 『変身』2017

明日12月3日(日)は一般公演。
関連企画が目白押しの1日です!

以下に情報をまとめましたので、
ご来場予定の方はぜひチェックしてみてください!!
 
 
◆プレトーク
いつ?:開演前・13時35分~
どこで?:カフェシンデレラ
*無料・予約不要

観劇前にちょこっと予習しておきたい方にオススメです!
舞台をよりおもしろく観劇できるポイントをご紹介します。
明日はSPAC俳優の布施安寿香によるトークです。
カフェシンデレラの特別メニュー「りんごのタルト」を食べながら
ゆっくりと開演前の時間をお楽しみください♪
 
 
◆トーク「変身と変態~人間と昆虫」
いつ?:『変身』終演後(バックステージツアー開始前)
どこで?:静岡芸術劇場1階ロビー
*無料・予約不要

ただいま静岡芸術劇場1階ロビーにて開催中の
ふじのくに地球環境史ミュージアムとのコラボ企画
「昆虫系人間展」の出張展示にあわせて
同館の昆虫博士 岸本年郎准教授によるトークを行います。

12/3『変身』公演に昆虫博士がやってきます!

P1290960

昆虫たちの生態を、
擬人化したイラストで紹介する「昆虫系人間展」。
カフカの『変身』とはアプローチは違うものの、
〈人間が虫になる〉という点では同じ…!?

いったいどんなトークがくり広げられるのでしょうか。
どうぞお楽しみに!

展示は『変身』公演期間の最終日、
12月13日(水)までお楽しみいただけます!
 
 
◆バックステージツアー
いつ?:トーク「変身と変態~人間と昆虫」終了後に開催
どこで?:1階受付前にて集合
*無料、定員に少し空きがありますので当日飛び入り参加OKです!

SPAC創作・技術部が舞台裏をご紹介!
「この装置はどんな仕掛けになってるの?」
「あのシーンの小道具はどうやって作ったの?」
など皆様の素朴な疑問にお答えします。

前回、大好評だったバックステージツアー。
まだまだご予約受付中です!
 
 
◆社会学者・大澤真幸と読み解く現代社会の『変身』
いつ?:16:30~18:30(バックステージツアー終了後に開催)
どこで?:カフェシンデレラ
*参加費500円(ワンドリンク込み)・要予約

0047

社会学者・大澤真幸を囲んで、
『変身』の現代性について考えるトーク企画。

「社会学者・大澤真幸と読み解く現代社会の『変身』」開催のお知らせ

〈ある朝、男が突然虫になっている〉というカフカの『変身』は
荒唐無稽なお話に思われるようで、
実は私たちが暮らしている社会とも関係があるのかも…。

『変身』の舞台を手掛かりに、
皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

なにか気になる企画はありましたでしょうか?
ぜひ『変身』の舞台とあわせてお楽しみください。

皆様のご来場、ご参加お待ちしております!
 
 
================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯2
『変身』
2017年11月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)、
12月3日(日)、9日(土)、10日(日) 各日14時開演
演出:小野寺修二
原作:フランツ・カフカ
音楽:阿部海太郎
出演:大高浩一、貴島豪、榊原有美、鈴木真理子、たきいみき
   武石守正、舘野百代、野口俊丞、宮城嶋遥加、吉見亮
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年11月25日

『変身』日記2017 #8 ~バックステージツアーをレポート!~

Filed under: 『変身』2017

本日の『変身』一般公演では、
終演後にバックステージツアーを開催しました!

舞台監督・山田貴大による進行のもと、
リラックスした雰囲気で始まります。
まずは舞台装置の紹介から。

1125_1

参加者の皆様には、舞台上にあがってもらい、
舞台装置の中身や、裏側を見て頂きました。
皆さん、興味津々!!
装置を動かすたびに「おぉ~」と感嘆の声が漏れました。

1125_2

続いて、照明・音響・衣裳について
それぞれの担当から順番にご紹介していきます。

照明の紹介タイムでは、
実際にピンスポットにあたっていただき、
俳優の動きにあわせて、照明が追いかけていく様子を
ご覧いただきました。

1125_3

音響の紹介では、
舞台上のいたるところに設置されたマイクやスピーカーに
皆さん驚かれたようです!
『変身』では意外なところにもマイクが仕込まれているんです。

また、衣裳の紹介では、
実際に出演俳優にも登場してもらい、
衣裳に使われている色のことや着替えのことについてご紹介しました。
衣裳をバッと脱ぐシーン、どうなっているのか気になりませんか??

1125_4

最後の10分は質問タイムに。
参加していた演出家や出演俳優たちが直接お答えし、
皆さん、真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

1125_5

俳優・スタッフと交流できるとても濃密な時間となりました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

今後の『変身』バックステージツアーの予定ですが、
12月3日(日)と9日(土)に開催いたします。
9日は残席僅少のため、ご予約はお早めにどうぞ!

さて、
明日26日(日)の『変身』終演後には、アーティストトークがございます。
演出の小野寺修二氏に加え、出演者から大高浩一・たきいみきが登壇。

全編通して、「語り部」という少し特殊な立ち位置にいる大高、
そしてグレゴールがお気に入りの絵に描かれた「婦人」という、
これまたちょっと不思議な役どころを演じるたきい。
どんなトークが繰り広げられるのか…どうぞお楽しみに!!
 
 
================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯2
『変身』
2017年11月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)、
12月3日(日)、9日(土)、10日(日) 各日14時開演
演出:小野寺修二
原作:フランツ・カフカ
音楽:阿部海太郎
出演:大高浩一、貴島豪、榊原有美、鈴木真理子、たきいみき
   武石守正、舘野百代、野口俊丞、宮城嶋遥加、吉見亮
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年11月20日

『変身』日記2017 #7 ~第1週を終えて~

Filed under: 『変身』2017

変身』公演第1週が無事に終了しました!
一般公演も土曜日、日曜日ともに大好評をいただきました。

1119

1119-2

お客様からは

・美しく 心の底からの本物の“悲しみ”が湧き上がってくる、そんな舞台でした。
・「毒虫」の表現が新鮮で、とてもおもしろかったです。
・目を離せない時間で、音響や話し方、動きにゾワゾワした。
・本当に声がすてきで、特に大高さんの声にほれました。めっちゃカッコよかったです。

などなど、俳優の語りや身体のほか、
音楽・照明・舞台美術などへのお褒めの言葉をいただきました。

また、
・演劇を観るのが初めてでしたが、忘れることのない舞台になると思います。
という嬉しいご感想や、
・身につまされる。最後ちょっと泣きました。
という、共感の声も!!

お客様にとって素敵な観劇体験となったことを
スタッフ一同、とても嬉しく思いながらアンケートを拝読しています。

すでに複数回ご覧になっているお客様からは、
「観るたびにいろんな発見がある!」との声もございます。
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました!
そして、これからご来場いただける皆様、楽しみにしていてくださいね!

週明け21日(火)からは、再び中高生鑑賞事業公演です。
一般の方にもご予約いただけますので、週末がお忙しい方は、
ぜひ平日の公演にお越しください。

================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯2
『変身』
2017年11月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)、
12月3日(日)、9日(土)、10日(日) 各日14時開演
演出:小野寺修二
原作:フランツ・カフカ
音楽:阿部海太郎
出演:大高浩一、貴島豪、榊原有美、鈴木真理子、たきいみき
   武石守正、舘野百代、野口俊丞、宮城嶋遥加、吉見亮
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年11月13日

『変身』日記2017 #6 ~本日開幕!~

Filed under: 『変身』2017

SPAC秋→春のシーズン2017-2018 #2『変身』
いよいよ本日開幕!
初日は中高生鑑賞事業公演でした。

今日の生徒さんたちは、
はじめてSPACの舞台を観たという子がほとんどでしたが、
開演すると食い入るように舞台を見つめていました。

グッと引き込まれる語りとスピード感のある動き。
まるで意思があるかのように動き出す舞台装置。
役者の身体と作用しあって高まり合う音楽。

中高生という多感な時期に、
どんなことを感じてくれたのでしょうか。
感想が届くのが楽しみでなりません!

▲このシンプルな台が生き物のようにも見えてきます。

▲このシンプルな台が生き物のようにも見えてきます。

本番のあともみっちり稽古でした。
作品をもっともっと良くするため、
調整・修正を重ねていきます。

きっと千穐楽のころには
さらに違った表情をみせてくれるであろう、
小野寺修二演出の『変身』です。

▲稽古では、緻密な調整を積み重ねていきます。

▲稽古では、緻密な調整を積み重ねていきます。

誰のせいでもない、
どうしたらいいかもわからない、
逃げ出したいけど、逃げ出せない…。

生身の人間が舞台に立つことで、
不条理に巻き込まれる人々の戸惑いや苦悩が
他人事には思えない気がしてきます。

100年前のチェコで書かれた小説を
現代を生きる日本人が舞台にする…。
時代も国も飛び越えて、
私たちにたくさんのことを問いかけてきます。

▲グレゴールがいることを知って、出て行こうとする下宿人。

▲グレゴールがいることを知って、出て行こうとする下宿人。
 そして絶望するザムザ一家。

********
【『変身』について考えたいあなたに!オススメ関連企画】
社会学者・大澤真幸と読み解く現代社会の『変身』
12月3日(日)16:30~18:30
詳細はコチラ
********

ぜひたくさんの人に観て頂きたい作品です!
ご来場お待ちしております!

================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯2
『変身』
2017年11月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)、
12月3日(日)、9日(土)、10日(日) 各日14時開演
演出:小野寺修二
原作:フランツ・カフカ
音楽:阿部海太郎
出演:大高浩一、貴島豪、榊原有美、鈴木真理子、たきいみき
   武石守正、舘野百代、野口俊丞、宮城嶋遥加、吉見亮
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年11月10日

『変身』日記2017 #5 ~音楽・阿部海太郎さんインタビュー~

Filed under: 『変身』2017

『変身』で音楽を担当していただいている阿部海太郎さんに、作曲家としてこれまでの舞台芸術との関わりについて伺いました。開口一番、「『変身』の再演はすごく嬉しい。」と話す阿部さん。「舞台の中の音楽のあり方」について興味深いお話も伺うことができました。

Umitaro Abe
阿部海太郎(あべ うみたろう)
umitaro_portrait_RyoMitamura作曲家。幼い頃よりピアノ、ヴァイオリン、太鼓などの楽器に親しみ、独学で作曲を行うようになる。東京藝術大学と同大学院、パリ第八大学第三課程にて音楽学を専攻。自由な楽器編成と親しみやすい旋律、フィールドレコーディングを取り入れた独特で知的な音楽世界に、多方面より評価が集まる。2008年より蜷川幸雄演出作品の劇音楽を度々担当したほか、舞台、テレビ番組、映画、他ジャンルのクリエイターとの作品制作など幅広い分野で作曲活動を行う。現在放送中のNHK『日曜美術館』のテーマ曲を担当。2016年に5枚目のオリジナルアルバム『Cahier de musique 音楽手帖』をリリース。 www.umitaroabe.com

 
 
作曲家として活躍するまでの道のり
――どのように作曲を始めたのですか?
小さい頃からヴァイオリンを習っていました。レッスンはすごく厳しくて、使っていたヴァイオリンには涙のあとが…。泣きながら練習していました(笑)。それに比べてピアノは自由だったので、作曲みたいなことをピアノでするのが好きでした。
中学生のときに作曲のレッスンを受けたのですが、「こういうメロディの動きはよくありません」というような理論の勉強ばかりで、自分には合いませんでした。自分の考える作曲とは全く真逆の世界で、すごくショックを受けたのを覚えています。作曲の勉強をするよりも、たとえば音楽史や民族音楽とか、音楽についての知識を深める方が、自分にとっては糧になるような気がして、大学では楽理科という音楽研究をするところへ進学したんです。いわゆる作曲はほとんど独学ですね。いまも勉強し続けている気持ちです。

――舞台音楽の作曲をするようになったのはどうしてですか?
「こんな作曲家になりたい」と強烈に思ったきっかけは、映画音楽でした。高校時代に色々な映画を観ていたんですけど、特にヨーロッパの古い映画は音楽の使い方も、音楽自体もすごく面白い。何かのためにデザインされた音楽というのか、ただ音楽をつくるだけじゃなくて、音楽がどういう風に立ち現れてくるかということですかね。劇伴(演劇や映画に使われる音楽)でしか出来ない表現にすごく興味を持ったんです。大学時代には友達の映画とか小さいお芝居とか、自分が専攻していた音楽研究とはまったく別のところで作曲もしていました。
大学での研究は「音楽とは何か」を考える哲学的なことだったので、これはもう一生かかっても答えが出ない。そういうことを自分自身の問題として抱えていけたらいいなと思ったときに、作曲をもうちょっとやりたいと思ったんです。

留学から帰った頃、縁があり蜷川幸雄さんが演出する『エレンディラ』という舞台に、音楽アシスタントとして飛び込みました。音楽はイギリスの作曲家・マイケル・ナイマンさん。僕自身、舞台も好きだったし、ナイマンさんのことも尊敬していたので、良い勉強になると思ったんです。でも、そのときは本当に大変な思いを…2人の間で板挟みになって…(笑)。
稽古の合間に、蜷川さんが僕のアルバムを聴いてくれて、2008年の『リア王』という作品からたびたび音楽を手掛けさせてもらうようになりました。

蜷川さんに学んだ「舞台のなかでの音楽のあり方」
――蜷川さんの現場はどうでしたか?
怒鳴られながらやっていました…(笑)。その後、約8年間にわたり14作品をご一緒したのですが、最初の2,3年くらいの間は毎回「もう二度とやりたくない、今回だけにしよう」と思っていました(笑)。でも、ちょっとしたタイミングで蜷川さんが「すごいよかったよ」とか、ぽろっと言ってくれるんですよね。
そんなにたくさん蜷川さんとお仕事すると思っていなかったので、分からないものですよね。蜷川さんの現場で積んだ経験から、舞台のなかでの音楽のあり方について理解が深まっていったんです。

――「舞台のなかでの音楽のあり方」というのは?
ダンスとかミュージカルではない、いわゆるストレートプレイ(会話劇)って、究極的には音楽が無くてもいいと思っています。すごく素敵な役者さんが集まっていれば、お芝居だけで成立する。じゃあ、なんで音楽が必要なのか。そこを常に考えています。音楽があることでものすごい効果を生む。そういうときにこそ音楽があるべきだと思っています。

――『変身』初演時の現場はどうでしたか?
音楽は根本的に「言葉ではない世界」なので、今回の『変身』を演出する小野寺修二さんのフィジカル(身体的)な表現にはものすごく共感します。言葉の向こう側だったり、もしかしたら手前であったり、それを立体的に追求していく現場は楽しかったです。「言葉でないもの」でしか得られないイメージとか、「言葉でないもの」の文法でしか辿り着けないものを何か見つけたいと思いながら作曲をしました。
SPAC俳優のみなさんに関しては、独特の作り方をする演出家を前にして、正しくリアクションをできるというのが、すごいなと思いました。「正しく」というのは、正しい答えを出すという意味ではなくて、ちゃんと稽古に臨めるということ。いわゆるストレートプレイの考え方をすると、『変身』は俳優の身体的にものすごく矛盾する部分があるはずなのですが、稽古場で疑問に思ったり矛盾に感じたりすることが出てくると、まずはそれをやってみる。やってみて発見する。そういう姿勢がすごいなと思いました。

写真1104_2

写真1104_3

小野寺さんの想像以上のところに打ち返す
――小野寺さんとの現場で覚えているエピソードはありますか?
小野寺さんにはマイムを舞台芸術として飛躍させようという思いがあって、それは相当大変だったと思うんですよね。みんながまだ持っていないイメージでも、「なんとかそれをやるんだ」って、あの小さい身体から弾丸のようなエネルギーで役者やパフォーマーと対峙して飛び込んでくる。その感じがすごく魅力的ですよね。
同じように僕にも「どういう音楽が必要なんだ」という思いをもって飛び込んでくれて、それがとても嬉しかったです。あとは飛んで来た球を、小野寺さんの想像以上のところに打ち返してやりたい、という思いがある。だから実は『変身』では、何回か僕の方で音楽を変更させてもらっています。
たとえばエンディングのシーンでは、自分が作った曲でしばらく稽古を続けていましたが、「なんか違うんじゃないか」とずっと思っていたんです。エンディングでは、冒頭から一度も出てこなかった音を使って、もうひとつ違う次元に行かないといけない気がして。それで舞台稽古が始まった頃に、小野寺さんに改めて別の音楽を提案しました。
普通、舞台稽古くらいになるとなかなか変更が難しくなるのですが、最後の最後まで色々なチャレンジができたので、自分もあの場面とそのときの小野寺さんとのやりとりをすごく覚えています。

写真1104_4
▲エンディングのシーン。オルゴールが儚く鳴っている。

――『変身』をご覧になるお客さんへメッセージをお願いします。
カフカの『変身』は男が虫になるお話として有名なのに、小野寺さんの演出では「虫」そのものは一度も出てこない。そこがこの作品のすごいところだと思うし、小野寺さんじゃないとできないこと。先鋭的なアプローチでつくられたこの舞台は、静岡でしか観られないので、ぜひ楽しんでください。

<オマケ>最後に少しだけ、海太郎さんの素顔に迫ってみました!
――最近、やってみたいこととか、はまっていることとかありますか?
4月に引っ越しまして、やや広めの庭があるんですけど…庭いじりにはまっています。これがね、かなり新しいんですよ、僕にとって。いままで全くやったことがなくて。
音楽って自分ひとりの仕事だけど、誰かに聴いてもらったりして、外に向けてやることじゃないですか。でも庭って、ときどき来客があったとしても基本的には誰も見ない。いままでの人生で、自分の内側に向けて何かをするようなことはしてこなかった。内側の世界を深めていくとか、広げていくとか、追求していくみたいな感覚が本当に新鮮で楽しいです。
 

================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯2
『変身』
2017年11月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)、
12月3日(日)、9日(土)、10日(日) 各日14時開演
演出:小野寺修二
原作:フランツ・カフカ
音楽:阿部海太郎
出演:大高浩一、貴島豪、榊原有美、鈴木真理子、たきいみき
   武石守正、舘野百代、野口俊丞、宮城嶋遥加、吉見亮
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


2017年11月3日

『変身』日記2017 #4 ~緊張の通し稽古!~

Filed under: 『変身』2017

病は気から』が昨日の「げきとも」公演で千穐楽を迎え、
(ご来場くださった皆様、ありがとうございました!)
劇場ではさっそく『変身』の仕込みが始まっています。

『病は気から』に出演していた大高浩一と榊原有美も
今日から『変身』に本格合流です。

『変身』は大高ファン必見
大高さんの語りを堪能していただけます!

HI8_5120edt

『病は~』では主人公アルガンのアンジを演じていた有美さんは
『変身』ではグレゴールの母親を。

HI8_4976edt

そんな本日は稽古の前半で通し稽古を行ないました。

今回、初演時よりさらに明確に物語をお伝えするために、
「大工事」ともいえる変更がなされています。
ただでさえ出演者たちの動きが複雑に絡んだこの作品。
通し稽古をするのにはかなりの緊張感が漂いますが、無事に終了!

そして通し稽古のあとは、冒頭から怒涛のブラッシュアップ!

テーブルを動かす速度も、
鞄からものを取り出す手の雰囲気も、
グループで動くパートの、出演者同士の距離も、
小野寺さんからの指示のもと、細かく細かく検討、修正していきます。

HI8_4811_edt

ご観劇くださる皆様には、
こうして練り上げたひとつひとつの動きにご注目いただきつつ
その動きから生まれる大きな流れに飲み込まれるように
『変身』の世界をお楽しみいただければと思います。

HI7_0069edt

================
SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯2
『変身』
2017年11月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)、
12月3日(日)、9日(土)、10日(日) 各日14時開演
演出:小野寺修二
原作:フランツ・カフカ
音楽:阿部海太郎
出演:大高浩一、貴島豪、榊原有美、鈴木真理子、たきいみき
   武石守正、舘野百代、野口俊丞、宮城嶋遥加、吉見亮
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
================


1 / 14412345...102030...最後 »