こんにちは。SPAC制作部の内田稔子(うちだ・としこ)です。
間もなく開幕を迎える『ハムレット』では、物販企画として、静岡市内のバラ生産者、北川バラ園様、森田バラ園様にご協力いただき、生花のバラを販売することになりました!
前回の記事では北川バラ園さまをご紹介しましたが、第3回となる今回は、森田バラ園さまをご紹介します。
森田バラ園さまは、静岡市葵区の県立こども病院にほど近い場所にあるバラ園。大きな看板と店頭に並ぶ様々な花苗やガーデングッズが目を引きます。森田バラ園さまでは、バラの品種や特性に合わせて土耕栽培と水耕栽培を組み合わせ、徹底した温湿度管理のもと、20品種のバラを育てています。
また、何と無人販売もしており、24時間365日いつでもお花を買うことができるんです!とても珍しいし画期的ですよね。

そんな森田バラ園さまには、今回、実際に河合祥一郎先生の『新訳 ハムレット 増補改訂版』(角川文庫)を読んでいただき、そこから主人公のハムレットをイメージした「ブリランテ」という大輪の赤バラを選んでもらいました。

森田さまより、素敵なコメントをいただいておりますので、以下ご紹介させていただきます。
Q1 どうしてこのバラを選んだのでしょうか?
主人公ハムレットが生きるべきか死ぬべきか、狂気を装いながら復讐心と葛藤する姿を見て、赤い薔薇がイメージに似合うと想像しました。赤い薔薇は情熱や愛だけでなく、血の色をも連想させる花です。父を失った衝撃と、真実を知ったことで燃え上がる復讐心、しかしその一方で迷いや憂鬱に沈む繊細さを抱えるハムレットの感情は、赤い薔薇が持つ二面性とよく重なると感じました。また、赤い薔薇は美しさと棘を併せ持つ花でもあります。周囲には狂人と思わせながらも鋭い言葉を放ち、内面には強い意志と痛みを秘める彼の姿は、まさに華やかさの裏に危うさを抱いた薔薇のようです。さらに、赤という色は、オフィーリアへの想いや国と家族を巡る混乱など、彼の複雑で激しい心情を象徴しているように感じました。このように、赤い薔薇はハムレットの情熱的で悲劇的な内面を象徴する花としてふさわしいと思いました。
Q2 森田さまのバラ生産へのこだわりを教えてください。
森田バラ園は1980年代に静岡市で誕生しました。温暖な気候に恵まれた土地で、「最高品質のバラを適正な価格で届ける」という理念を守りながら、現在も一本一本に心を込めて栽培を続けています。
品種や特性に合わせて土耕栽培と水耕栽培を組み合わせた独自の方法を採用。茎の強さや花の発色、日持ちの良さを最大限に引き出すため、それぞれの状態に合わせた丁寧な管理を行っています。さらに、栽培から収穫、出荷までのすべての工程で温度・湿度を徹底管理し、常に鮮度の高い状態でお客様のもとへお届けできる体制を整えています。
年間を通して多様な切り花を栽培しており、バラだけでも約20品種を展開。贈答用からウェディング、日常使いまで、さまざまなシーンに対応できる生花をご用意しています。市場を介さない産地直送により、中間コストを抑えつつ、新鮮なバラを低価格で提供できることも大きな強みです。
Q3 バラ栽培の面白さ、難しさはどんなところですか?
バラ栽培の魅力は、品種や色の多さにあります。同じバラでも形や花色、香り、咲き方などが大きく異なり、それぞれに個性があります。育てるほどに特徴の違いや成長の仕方が見えてきて、自分の手でその魅力を引き出せることが楽しさです。
一方で、バラ栽培には難しさも多くあります。病害虫の被害は大きな課題で、うどんこ病や黒星病、アブラムシ、アザミウマ、ハダニなどへの対策が欠かせません。また、温度や湿度の管理も繊細で、わずかな環境変化が花の品質や生育に影響を与えます。特に季節の変わり目や天候不順の時期は注意が必要です。品種によって強さや好む環境も異なるため、それぞれに合わせた対応力も求められます。
こうした手間や試行錯誤があるからこそ、美しく咲いた瞬間の喜びは大きく、バラ栽培は奥深くてやりがいのある世界です。
Q4 お客様にひとことお願いします!
このバラを通してハムレットの感情が少しでも伝わり、日常に彩りを添えられたら嬉しいです。
「ブリランテ」はイタリア語で「輝かしい」という意味で、凛とした花姿や艶のある花びらから、情熱と気品が感じられる品種です。また、赤バラの花言葉は「情熱」「愛情」「美」「あなたを愛しています」などがあり、大切な人への贈り物にピッタリですよね。ぜひハムレットの迷いや葛藤、森田バラ園さまが1輪のバラに込めた想い、そしてあなたの想いも載せて、誰かに、自分に、贈ってみませんか?
終演後までお取り置きできますので、ぜひご来場の際にはお買い求めください。

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SPAC秋→春のシーズン2025-2026 #2
ハムレット
潤色・演出:上田久美子
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:河合祥一郎(角川文庫『新訳 ハムレット 増補改訂版』)
出演:阿部一徳、貴島豪、榊原有美、杉山賢、武石守正、舘野百代、ながいさやこ、本多麻紀、宮城嶋遥加、山崎皓司、吉見亮、若宮羊市(50音順)
2025年11月9日(日)、15日(土)、22日(土)、23日(日祝)、29日(土)、12月6日(土)、7日(日)
各日13:30開演
会場:静岡芸術劇場
★物販コーナーで、静岡市内の生産者が丹精込めて育てたバラのミニブーケを販売します!
◆北川バラ園のバラ…販売日:11月9日(日)、15日(土)、22日(土)、23日(日祝)
https://d–member.com/sales/kitagawa-rose
◆森田バラ園のバラ…販売日:11月29日(土)、12月6日(土)、7日(日)
https://morita-baraen.com/
価格:500円(税込)
★公演詳細はこちら
https://spac.or.jp/25_autumn/hamlet_2025
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