フランス国立ケ・ブランリー美術館
開館10周年記念委嘱作品
アジアで生まれた「いなばの白うさぎ」の物語は
遥か北米先住民まで伝わっていた――。
神話伝承を演劇で読み解く壮大な祝祭音楽劇が、
駿府城公園でのプレ公演を経ていよいよ世界初演!
構成・演出: 宮城聰
台本: 久保田梓美 & 出演者一同による共同創作
音楽: 棚川寛子
空間構成: 木津潤平
照明デザイン: 大迫浩二
衣裳・仮面デザイン: 高橋佳代
音響デザイン: 加藤久直
出演:
赤松直美、阿部一徳、石井萠水、大内米治、大高浩一、
加藤幸夫、榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木真理子、
大道無門優也、武石守正、舘野百代、保可南、寺内亜矢子、
野口俊丞、本多麻紀、牧山祐大、美加理、三島景太、森山冬子、
山本実幸、横山央、吉植荘一郎、吉見亮、渡辺敬彦
作品について
ワニたちをだまして海を渡ろうとし、深手を負った白うさぎを旅の途中に助けた大国主命の物語、「いなばの白うさぎ」。「古事記」に描かれたこのエピソードが、北米先住民の伝承神話にも存在していた。「アジアで生まれた神話の一体系がまず日本に伝わり、そのあと北米に伝わったのではないか?」。人類学者クロード・レヴィ=ストロースによる大胆な仮説を、宮城聰率いるSPACがいま、演劇的想像力で読み解いていく。フランス国立ケ・ブランリー美術館の開館10周年を記念した本作は、2016年5月、静岡・駿府城公園にて野外劇として上演され、連日多くの観客を魅了した。興奮の舞台から1ヶ月――、さらなる進化を遂げ、同美術館内にあるクロード・レヴィ=ストロースの名を冠した劇場で、ついに幕をあける。
公演情報
6月 9日(木) 20:00
6月10日(金) 20:00
6月11日(土) 20:00
6月12日(日) 17:00
6月14日(火) 20:00
6月15日(水) 20:00
6月16日(木) 20:00
6月17日(金) 20:00
6月18日(土) 20:00
6月19日(日) 17:00
フランス国立ケ・ブランリー美術館 クロード・レヴィ=ストロース劇場
*ケ・ブランリー美術館ウェブサイトでの公演案内はこちら(仏語)
☆現地時間6月11日(土)20:00(日本時間6月12日(日)03:00)の公演が
ヨーロッパのテレビ局arteによってネット生中継されました。
映像は2016年12月31日までこちらから視聴いただけます。
関連企画
◆宮城聰に関する研究集会
Journée d’études autour de Satoshi MIYAGI
日時:6月11日(土)10:00~17:00
場所:Salle de cinéma
料金:無料
・ジュヌヴィエーヴ・ラカンブル (オルセー美術館名誉学芸員)
「ジャポニスム、あるいは東洋の誘惑」
・ブリジット・プロ (レンヌ第2大学演劇科、司会)
「日本の西洋趣味、明治時代から1980年代まで」
・ダニエル・ジャンヌトー (演出家・舞台美術家)
「SPACとわたし」
・オマール・ポラス (俳優・演出家)
「SPACとわたし」
・宮城聰 (SPAC芸術総監督)
「SPACにおける多文化主義」
司会/ブリジット・プロ、横山義志 (SPAC文芸部)
・フランソワーズ・キエ (フランシュ=コンテ大学)
「極東のただなかにおける『ハムレット』と『真夏の夜の夢』」
・ミシェル・レストレアン (カタカリ俳優、振付家)
ドミニク・ヴィタリヨス (翻訳家)
「『マハーバーラタ』、大きな愛の物語の旅」
*詳細はこちら
◆ガイドツアー「世界とその起源」~『イナバとナバホの白兎』特別限定版~
Visite guidée « Le Monde et ses origines », Spéciale Lièvre blanc d’Inaba et des Navajos (série limitée)
日時:6月11日(土)18:30~19:30
6月12日(日)15:30~16:30
6月18日(土)18:30~19:30
6月19日(日)15:30~16:30
場所:Plateau des Collections
料金:無料
*詳細はこちら
◆物語の朗読
Lecture de contes
ブリジット・プロによる「イナバの白兎」他、作品関連の物語朗読
日時:6月12日(日)15:30~16:30
6月19日(日)15:30~16:30
場所:Jardin
料金:無料
*詳細はこちら
◆ご鑑賞の前に
Apéro du spectateur
場所:Foyer du théâtre Claude Lévi-Strauss
「スズキメソッド、宮城聰とSPACのメソッドについて」
ブリジット・プロ、横山義志
日時:6月10日(金)18:30~19:30
「クロード・レヴィ=ストロースによる神話の変形、宮城聰の作品における文化の混淆」
フレデリック・ケック (文化人類学、ケ・ブランリー美術館研究教育部部長)
ブリジット・プロ
司会/ジュリアン・クレマン (文化人類学、同美術館研究教育部副部長)
日時:6月17日(金)18:30~19:30
*詳細はこちら
◆ポストトーク
Bords de scène
出演/宮城聰、他
司会/ブリジット・プロ
日時:6月12日(日)18:45~19:30
6月16日(木)21:45~22:30
場所:Théâtre Claude Lévi-Strauss
*詳細はこちら
スタッフ
美術: 深沢襟
美術助手: 佐藤洋輔、三輪香織、渡部宏規
照明: 神谷怜奈
音響: 合田加代、原田忍
衣裳: 駒井友美子
衣裳助手: 大岡舞、清千草、高橋佳也子、川合玲子
ヘアメイク: 梶田キョウコ
舞台監督: 村松厚志
舞台監督助手: 山田貴大、佐藤洋輔、横田宇雄
ナバホ族資料翻訳: 佐藤聖
ドラマトゥルク: 横山義志
演出補: 中野真希
通訳: 平野暁人
字幕翻訳: コリーヌ・アトラン
字幕操作: 大石多佳子
制作: 大石多佳子、丹治陽、仲村悠希
製作: SPAC-静岡県舞台芸術センター
共同制作: ケ・ブランリー美術館
支援: 平成28年度文化庁国際芸術交流支援事業
協賛: ANA
ケ・ブランリ―美術館での公演のポスター
プロモーションビデオ
【演出】
宮城聰
1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡辺守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出は国内外から高い評価を得ている。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、また、静岡の青少年に向けた新たな事業を展開し、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。14年7月アヴィニョン演劇祭から招聘されブルボン石切場にて『マハーバーラタ』を上演し絶賛された。その他の代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。
◆ケ・ブランリー美術館 Musée du quai Branly
ルーブル、オルセー、ポンピドーとともにパリの4大美術館に数えられるケ・ブランリー美術館は、2006年、非西洋芸術に深い関心を寄せるシラク元大統領の肝いりによりフランスにおける非ヨーロッパ圏芸術の殿堂としてオープンした。以来、西欧中心の芸術観に対するアンチテーゼとして、パリの国立美術館の中でも最先端の思想で運営されている。 www.quaibranly.fr
◆宮城聰と同美術館のあゆみ
2006年、フランス国立ケ・ブランリー美術館 クロード・レヴィ=ストロース劇場のこけら落とし公演として、『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』を上演。
2013年、SPACフランス公演ツアーの一環として同劇場で『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』を上演。(他、 ル・アーヴル、ルヴァロワ=ペレ、カーンの3都市を巡演し、全9公演を実施した。)