顕れ(フランス公演)

現代作家の作品のみを上演するフランス・コリーヌ国立劇場がシーズン開幕作を日本の劇団へ委嘱する、という前代未聞のリクエストに応じ、宮城聰=SPACが新作を発表する。扱う戯曲はアフリカ・カメルーン出身、フランス在住の女性作家レオノーラ・ミアノの衝撃作。アフリカ社会の分断を生んだ奴隷貿易の実態に深く切り込む戯曲を、宮城がその独特の死生観で祝祭音楽劇に紡ぎなおし、俳優たちの声と身体そして音楽が、人間の尊厳を謳いあげる。

作:レオノーラ・ミアノ
翻訳:平野暁人
上演台本・演出:宮城聰
音楽:棚川寛子

▼コリーヌ国立劇場公式サイトの『顕れ』ページはこちら(仏語)

委嘱の経緯

2016年にコリーヌ国立劇場芸術監督に就任した、自身も劇作家・演出家であるワジディ・ムアワッドが、2018年秋のシーズン開幕を飾る作品として選んだのはアフリカ出身フランス在住の女性作家レオノーラ・ミアノの『Révélation』だった。奴隷貿易の歴史を神話的世界として描いた本作の舞台化にあたり、ミアノは日本の演出家・宮城聰を指名した。ミアノは2016年6月にパリのケ・ブランリー美術館で上演されていた宮城聰演出『イナバとナバホの白兎』を観劇し、アフリカ大陸をめぐるこの壮大な物語の舞台化を日本人演出家に託したいと考えたのだ。2016年5月にちょうど宮城が芸術総監督を務めるSPACの「ふじのくに⇄せかい演劇祭2016」で公演をしたばかりだったワジディ・ムアワッドは、宮城の名前がミアノの口から挙がったことにとても驚いたが、その組み合わせにすぐに納得した。奴隷貿易という西洋人にとって扱うことが難しい題材を、宮城による日本人独特の死生観を通じての演出なら神話的世界まで昇華できると考えたのだ。フランス国立劇場のシーズンを日本人演出家と日本の劇団の作品で幕をあけるのは劇場史上初めてのことである。

あらすじ

生命の創造神イニイエは「ストライキ」という新たな困難に直面している。輪廻転生を繰り返す魂が、宇宙の理に反して、人間界で再び肉体に宿ることを拒否しているのだ。イニイエはさまよえる霊魂を召喚し、その原因を問う。そこには「奴隷」として代々、過酷な生を授けられた魂たちの嘆きがあった。イニイエは原因となった魂の「審き」を開始する。

公演情報

2018年9月20日(木)~10月20日(土)
全27公演(9/24(月)、10/1(月)、8(月)、15(月)休演)
会場:コリーヌ国立劇場(フランス)

本作は、来年1月~2月に静岡芸術劇場で上演します。
SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #3
『顕れ ~女神イニイエの涙~』

公演日
一般公演:
2019年1/14(月祝)、19(土)、20(日)、26(土)、27(日)、2/2(土)、3(日)
中高生鑑賞事業公演:
2019年1/16(水)、17(木)、18(金)、22(火)、23(水)、25(金)、28(月)、29(火)、2/1(金)、2/4(月)、5(火)、6(水)
会場:静岡芸術劇場

*詳細はこちら

キャスト

鈴木陽代、美加理、阿部一徳、本多麻紀、
寺内亜矢子、石井萠水、山本実幸、大高浩一、
永井健二、吉見亮、横山央、たきいみき、
吉植荘一郎、加藤幸夫、牧山祐大、大道無門優也(登場順)

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  鈴木陽代
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   美加理
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  阿部一徳
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  本多麻紀
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  寺内亜矢子
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  石井萠水
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  山本実幸
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  大高浩一
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  永井健二
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   吉見亮
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   横山央
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  たきいみき
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  吉植荘一郎
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  加藤幸夫
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  牧山祐大
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 大道無門優也


スタッフ

美術デザイン:サラディン・カティール
照明デザイン:吉本有輝子
衣裳デザイン:駒井友美子
小道具デザイン:深沢襟
ヘアメイク:梶田キョウコ

技術監督:村松厚志
音響:山﨑智美
演出補:中野真希
監修:芳野まい
文芸部:横山義志
字幕操作:大石多佳子
制作:成島洋子、大石多佳子、米山淳一、西村藍

製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター、コリーヌ国立劇場
支援:平成30年度文化庁国際芸術交流支援事業
助成:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協賛:ANA
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The performance rights of the play Red in blue trilogie by Léonora Miano are represented worldwide by L’Arche, éditeur & agence théâtrale in Paris. www.arche-editeur.com

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▼▼▼関連イベント▼▼▼
レオノーラ・ミアノ氏講演会
「SPAC秋→春のシーズン2018-2019」製作発表会と同時開催いたします。

7月23日(月)
<第一部>11:00~11:45(予定)
「SPAC秋→春のシーズン2018-2019」
製作発表
<第二部>11:45~12:30(予定)
レオノーラ・ミアノ氏講演会
会場:アンスティチュ・フランセ東京内
「エスパス・イマージュ」
*参加無料・要予約
*詳細はこちら

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【演出家プロフィール】
宮城聰(みやぎ・さとし)
1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡辺守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。14年7月アヴィニョン演劇祭から招聘された『マハーバーラタ』の成功を受け、17年『アンティゴネ』を同演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。平成29年度(第68回)芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)受賞。

【作家プロフィール】
レオノーラ・ミアノ Léonora Miano
MIANO leonora, Paris, 20171973年カメルーン生まれ。1991年の留学以来フランスに在住し、フランス語で作品を発表する女性作家。2005年にアフリカ内戦の悲劇を描いた『夜の内側』を発表、その後、アフリカ3部作と呼ばれる『来たるべき日の輪郭』(2006年)『深紅の夜明け』(2009年)を発表する。2013年には、奴隷貿易の淵源を描いた『影の季節』でフェミナ賞を受賞。こうしたアフリカシリーズを通じ作家は、奴隷貿易から植民地支配を経て今日に至る大陸の歴史との関連において、現代アフリカの問題をとらえようとしている。本作『Révélation』は2015年に発表された『青の中の赤3部作』からの一遍。

コリーヌ国立劇場とは
フランス国立コリーヌ劇場は、コメディ・フランセーズ、オデオン座、オペラ・コミック座、シャイヨ劇場らパリにあるフランス国立5劇場のうち最も新しく設立された劇場で、現存する劇作家の戯曲とその上演に重点を置いた現代演劇創作のための専用劇場である。
http://www.colline.fr/

 
●出演俳優・石井萠水の生放送番組に、吉植荘一郎が登場!