「ストリートシアター」で世界へ躍り出る、
長期的なアーティスト育成プロジェクト始動!
プロジェクト趣旨・目的
現在、日本において「ストリートシアター」は屋内の劇場で上演される作品に比べ、専門家による批評が少ないという課題があります。「ストリートシアター」と「大道芸」を混同することや、公共空間で偶然出会った人を観客とするような上演形式が要因となり、「ストリートシアター」の批評家が育ちにくいのが現状です。一方、特に若者世代は、イマーシブシアターのような没入型作品や体験型作品への感度が高く、「ストリートシアター」を入口に世界のマーケットに参入することは、若い世代のアーティストにとってシアター・ピースをもって世界市場に参入するよりも近道であると言えます。
本事業は、「SHIZUOKAせかい演劇祭(旧:ふじのくに⇄せかい演劇祭)」と連動して行われるストリートシアターフェス「ストレンジシード静岡」の運営により、日本の若手アーティストが静岡でストリートシアターのオリジナル作品を創作・発表する機会をつくり、それを突破口に、その作品が世界のシアターフェスティバル関係者の目に留まり、国際的な舞台芸術分野の市場に躍り出ることを目的に実施します。
育成対象アーティスト
鈴木ユキオ
「YUKIO SUZUKI projects」代表/振付家・ダンサー。世界50都市を超える地域で活動を展開し、しなやかで繊細に、且つ空間からはみだすような強靭な身体・ダンスは、多くの観客を魅了している。2008年に「トヨタコレオグラフィーアワード」にて「次代を担う振付家賞(グランプリ)」を受賞。2012年フランス・パリ市立劇場「Danse Elargie」では10組のファイナリストに選ばれた。また、国内外の学校や養護施設でのワークショップや、障害のある人も含めたダンスカンパニーでの創作活動なども行い、丁寧に身体を意識し、自分のダンスを楽しむきっかけを提案している。
大熊隆太郎
1986年、大阪府生まれ。演出家、俳優、パフォーマー。2008年に高校演劇全国大会出場メンバーで劇団壱劇屋を結成し、さまざまなアワードに輝く。2022年度大阪文化祭賞奨励賞を受賞した。個人では京都でロングラン公演中の「ギア-Gear-」マイムパートに出演している。また、ストレンジシード静岡には、過去7回参加している。
安本亜佐美
京都市出身、在住。京都市立芸術大学院を卒業後、絵のモチーフの一つとして選んだサーカスに魅了され、英国サーカス学校へ。帰国後、京都を拠点に現代サーカス・アーティストとして活動。現代サーカス団体『Co.SCOoPP』、及びエアリアルスタジオ『関西エアリアル』代表。産業ロープアクセス国際資格IRATA level.1を所持。ロープや布、プラスチックシートなどの「モノ」と「身体」の関係性を追求し、幻想的な作品を発表している。
ゼロコ
角谷将視と濱口啓介によるフィジカルコメディデュオ。2016年に設立。日常を多角的に捉え、パントマイムや、道化師の手法であるクラウニングをベースに、緻密さと即興性を持ち合わせた遊び心あるパフォーマンスを発表している。劇場でも野外でも行う演目『Teatime』が、オーストリア、タイ・バンコクなど海外のストリートフェスティバルへ招聘される。2019年にはエディンバラ・フェステイバル・フリンジにて舞台『Zeroko’s Teatime』がAsian Arts AwardのBest Comedy賞を受賞。
プロジェクト内容
①ストリートシアターの伴走支援
海外での活躍を目指す日本の若手アーティストによるストリートシアター作品をクリエイションする。
②国際共同製作
ストリートシアター作品を日本のアーティストと海外のアーティストとで共同制作する。
③海外フェスティバル視察
ストリートシアターで先行している、海外事例の収集および、ネットワークの形成を目的とする。
④ストリートシアターってなんだ?ゼミ
育成アーティストおよびスタッフのストリートシアターの知見を高め、ストリートシアターならびにストレンジシードの認知度を向上を目的としたゼミを実施する。
ストリートシアターってなんだ?ゼミ 実施概要
◎静岡芸術劇場2F ホワイエ、または静岡市内施設
※講座によってはオンライン開催の場合有
◎日程:開催月の水曜 18:00~21:00
◎参加対象者(約20名)
・育成対象アーティスト(上記4名)
・ストレンジシード静岡事務局スタッフ
・公募によるゼミ受講生(募集についてはこちら)
◎ファシリテーター
ウォーリー木下(ストレンジシード静岡フェスティバルディレクター)
1971年生まれ。神戸大学在学中に演劇活動を始め、93年に劇団☆世界一団(現sunday)を結成。役者の身体性に音楽と映像とを融合させた演出を特徴としている。ノンバーバルパフォーマンス集団「THE ORIGINAL TEMPO」のプロデュースにおいてはエジンバラ演劇祭にて五つ星を獲得するなど、海外で高い評価を得る。10ヶ国以上の国際フェスティバルに招聘され、演出家として韓国およびスロヴェニアでの国際共同製作も行う。 最近の作品に、東京2020パラリンピック開会式、『チャーリーとチョコレート工場』、『町田くんの世界』、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』などがある。
◎講座内容
形式:連続講座(全6回)+2026年3月に成果発表会あり
内容:講師による講義(30分から1時間程度)
ワークショップ、ラウンドテーブル、質疑応答(1時間半程度)
第1回 ストリートシアターってなんだ?
講師:ウォーリー木下・甲賀雅章(ゲスト)・中間アヤカ
日時:2025年3月5日(水)18:00~21:00
会場:静岡芸術劇場2Fホワイエ
内容:ストリートシアターの歴史・海外フェスティバルの作品紹介など
第2回 ストリートシアターをつくるってなんだ?
講師:中間アヤカ(予定)
日時:2025年6月 会場未定
内容:ストレンジシード静岡2025のコアプログラム上演の上での報告会
第3回 現代サーカスってなんだ?
講師:田中未知子(瀬戸内サーカスファクトリー)・金井ケイスケ(JDS)(予定)
日時:2025年7月 会場未定
内容:現代サーカスについての講義とワーク
第4回 英国のアウトドアアーツってなんだ?(仮)
講師:調整中
日時:2025年9月または10月 会場未定(オンラインの可能性あり)
会場:オンライン予定
内容:英国のアウトドアアーツについての講義とワーク
第5回 海外のストリートシアターってなんだ?(仮)
講師:未定
日時:2025年12月 会場未定(オンラインの可能性あり)
内容:海外のストリートシアターフェスティバルについて
作品紹介や講義など
第6回 場所からつくるってなんだ?
講師:石神夏希(劇作家)
日時:2026年1月前半 ※曜日・時間変更の可能性あり 会場未定
内容:野外作品創作についてのワーク
フィールドワークなど
*第2回以降の開催日程は2月中旬ごろ決定予定
お問い合わせ
ストレンジシード静岡 事務局
E-MAIL info@strangeseed.info
「なんだ?ゼミ」担当
E-MAIL sss.nandazemi@gmail.com
主催:SPAC-静岡県舞台芸術センター
運営:ストレンジシード静岡 事務局
助成: 文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会