マハーバーラタ~ナラ王の冒険~
-東アジア文化都市2019豊島バージョン-


▲『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』舞台写真(2012~2018年/13枚)

 

 文化とか芸術というものは、閉じられたフラスコのような環境で成長するものではなくて、「異なるもの同士がハチ合わせして、その驚きと化学反応のなかで洗練されてゆくものだ」と僕は考えています。
 なので僕の演出する作品はつねに「異なる文化と文化の出会い」を隠し味にしているのですが、特に『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』はもう思いっきりそれをオモテに出して、「平安時代の日本にインドの叙事詩『マハーバーラタ』が入ってきたらどういう化学反応が起こったか?」を観客の皆さんとともに体験してみよう、という芝居です。
 しかも今回の上演は、その芝居がさらに「”今の今”の池袋と出会ったらどんなふうに見えてくるのか?!」を皆さんに目撃してもらうスペシャル版です。
 古代インド×平安日本×いまの池袋!
 きっとこの芝居が鏡になって、池袋という町の今日の姿がくっきりと浮かび上がってくるにちがいないと、僕はその日を心から楽しみにしています。

宮城聰  

あらすじ

その美しさで神々をも虜にするダマヤンティ姫が夫に選んだのは、人間の子・ナラ王だった。その結婚を妬んだ悪魔カリの呪いによって、ナラ王は弟との賭博に負け国を手放すことになる。落ちのびていく夫に連れ添おうとしたダマヤンティ。だが疲れて眠っている間に、彼女の衣の切れ端を持ってナラは去る。夫を捜して森をさまようダマヤンティを様々な困難が襲う。行く先々で危機を乗り越えた彼女はやがて父親の治める国へ。一方ナラも数奇な運命を経てその国にたどり着く。果たして夫婦は再会し、国を取り戻すことが出来るのか…。

公演情報

11月23日(土・祝) 11:30 / 15:00

上演時間:90分(予定)
会場:池袋西口公園 野外劇場 《こけら落とし公演》
   (東京都豊島区西池袋1丁目8-26)

日本語上演/中国語・韓国語・英語字幕
 
*チケットなどの詳しい情報は「東アジア文化都市2019豊島」公式サイトをご確認ください。
https://culturecity-toshima.com/event/1066/

スタッフ / キャスト

演出:宮城聰
台本:久保田梓美
音楽:棚川寛子
空間構成:木津潤平
衣裳デザイン:高橋佳代
美術デザイン:深沢襟
ヘアメイク:梶田キョウコ
 
[出演]
赤松直美、阿部一徳、石井萠水、大内米治、大高浩一、春日井一平、片岡佐知子、加藤幸夫、黒須芯、榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木陽代、関根淳子、大道無門優也、舘野百代、寺内亜矢子、ながいさやこ、中野真希、牧野隆二、牧山祐大、美加理、宮城嶋遥加、森山冬子、吉見亮、若宮羊市 [五十音順]
 
[スタッフ]
舞台監督:山田貴大
音響:牧嶋康司(SCアライアンス)、和田匡史
照明:樋口正幸
衣裳:川合玲子
演出部:秡川幸雄

演出補:中野真希
初演照明デザイン:大迫浩二
技術監督:村松厚志
制作:大石多佳子(兼字幕操作)、丹治陽

製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター
主催:東アジア文化都市2019豊島実行委員会
令和元年度 日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業


上の画像↑をクリックするとチラシをご覧いただけます。(表裏/PDF)
 
 
【演出家プロフィール】
宮城聰(みやぎ・さとし)
1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡邊守章・日高八郎各師から演劇論を学び、1990年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、またアウトリーチにも力を注ぎ「世界を見る窓」としての劇場運営をおこなっている。2017年『アンティゴネ』をフランス・アヴィニョン演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『マハーバーラタ』『ペール・ギュント』など。2004年第3回朝日舞台芸術賞受賞。2005年第2回アサヒビール芸術賞受賞。2018年平成29年度第68回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2019年4月フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。

 
東アジア文化都市2019豊島
「東アジア文化都市」とは日中韓文化大臣会合での合意に基づき、日本・中国・韓国の3か国において、文化芸術による発展を目指す都市を毎年1都市選定し、文化交流、文化芸術イベント等を実施する国家的プロジェクト。横浜市(2014年)、新潟市(2015年)、奈良市(2016年)、京都市(2017年)、金沢市(2018年)に続き、2019年は豊島区が日本代表都市として、中国西安市、韓国仁川広域市とともに東アジア文化都市を開催している。
これまで豊島区で育まれてきた多様な文化事業と、「舞台芸術」「マンガ・アニメ」「祭事・芸能」の3部門における新規事業が一体となり、東アジア文化都市2019豊島を盛り上げる。
https://culturecity-toshima.com/
 
 
◎『マハーバーラタ』2014年アヴィニョン公演
報告書(ebooks)

avignon_report