SPAC秋→春のシーズン2024-2025 #2

劇作家・別役実の伝説的傑作を今、語り継ぐ。
かつてヒロシマで負ったケロイドを、群衆に晒し喝采を浴びた「病人」。戦争の記憶が遠のき傷が輝きを失っても、もう一度あの街に出たいと願っている。一方「甥」は自分たちはただ静かに死を迎えるべきだと諭し、「看護婦」は子供を産みたいと話す・・・。
童話、エッセイ、評論など多彩な執筆活動で知られ、140作に及ぶ戯曲を発表し日本の不条理劇を確立したと称される劇作家・別役実。日本語の曖昧なコミュニケーションを意識して書き込み、人間社会の不安や空虚、疎外感を奇妙かつ詩的に仕立て上げる独特な作風で日本の現代演劇史にエポックを画した。早稲田大学在学中に演劇と出会い、鈴木忠志(初代SPAC芸術総監督)らと新劇団「自由舞台」を結成、『象』はその旗揚げ公演として1962年に書き下ろされた。本作が描く「ヒバクシャ」たちの心情、社会との距離は、閉塞感漂う現代に映り込んでいく。気鋭の演出家・EMMAが新たな息吹を吹きかけ、今なお戦争に揺らぐ“せかい”へと贈る。
 
演出:EMMA(旧・豊永純子)
作:別役実

▼静岡公演の様子


 

▼第一期稽古の様子

 

  

 

キャスト/配役


牧山祐大 
MAKIYAMA Yudai

阿部一徳 病人
ABE Kazunori

吉植荘一郎 病人の妻
YOSHIUE Soichiro

小長谷勝彦 医者、通行人2
KONAGAYA Katsuhiko

榊原有美 看護婦
SAKAKIBARA Yuumi


渡辺敬彦 通行人1
WATANABE Takahiko

 

 

公演情報

2024年

12月7日(土) 18:30開演  
       
 
12月8日(日) 14:00開演  *はじめての別役実講座(演劇部限定)
     *スペシャルトーク  
 
12月14日(土) 14:00開演  *街歩きツアー(日本語)
     *はじめての別役実講座(一般向け)   
     *バックステージツアー 
   
12月15日(日) 14:00開演  *街歩きツアー(英語)
     *バックステージツアー    
     [託児サービス]    
   

 
会場:静岡芸術劇場(グランシップ内) 座席表(PDF) 
 
上演時間:90分
日本語上演/英語字幕
※未就学児の方はご入場いただけません。
 

関連企画

プレトーク
2Fカフェ・シンデレラでは、舞台をよりおもしろく観劇できるポイントをご紹介しています。(一般公演日の開演25分前より。)
 
スペシャルトーク
「桃太郎の会」*参加のアーティストが、利賀での「SCOTサマー・シーズン2024」および拠点各地での上演を経て静岡に集まり、トークを展開します。

*「桃太郎の会」は、鈴木忠志(富山県南砺市)、宮城聰(静岡県静岡市)、平田オリザ(兵庫県豊岡市)、中島諒人(鳥取県鳥取市)が、次世代の日本の演劇人と共同で作品を創造することを目的に2022年に発足した。

12月8日(日) 終演後
出演:EMMA、瀬戸山美咲(『野火』演出)、堀川炎(『野火』演出)、福永武史(『象』演出)
司会:宮城聰(SPAC芸術総監督)
 
【平和学習プログラム】静岡の戦争の記憶を巡る街歩きツアー 
観劇前に静岡市内の戦跡を巡るツアーを行います。 静岡平和資料センターで集合・見学後、ガイドのもと静岡市街地(駿府城公園周辺)を歩きます。
12月14日(土)日本語ツアー、15日(日)英語モニターツアー
各日 10:10~12:30
要予約、定員15名(先着順)
参加費 日本語ツアー1人1,000円(高校生以下無料)/英語モニターツアー 無料
*15日(日)の英語モニターツアーは、外国人など英語でのガイドを必要とする方が対象となります。
*本企画と別日に『象』を予約された方もご参加いただけます。街歩きのみの参加はできません。
協力:静岡平和資料センター、NPO法人 静岡市観光ボランティアガイド 駿府ウェイブ
詳細はこちら

 
はじめての別役実講座
SPAC文芸部の大岡淳が観劇前に別役実の魅力をご紹介します。観劇が初めてでない方もご参加いただけます。
12月8日(日)12:30~13:30[演劇部向け]
12月14日(土)12:30~13:30[一般向け]

参加費:一般1人500円、高校生以下 無料/要予約 定員30名(先着順)
*12月8日(日)は演劇部限定の回となります。
(※ご予約はSPACチケットセンターまで)

 
バックステージツアーバックステージツアー
終演後にSPAC創作・技術部スタッフが舞台裏を解説します。
12月14日(土)、15日(日)
所要時間:約30分
参加無料/要予約 定員40名
(※ご予約はSPACチケットセンターまで)
 
カフェ・シンデレラで逢いましょう!
終演後は、出演者が舞台衣裳でお見送りに登場します!写真撮影など俳優との交流をお楽しみください。
  

【ロビー展示】「原爆と人間」展
『象』公演に合わせ、静岡芸術劇場ロビーにて「原爆と人間」展を開催します。静岡県の被爆者が、自らの体験を元に描いた絵のパネルと共に、被爆者から体験を聞いた広島市立基町高校の生徒が描いた絵のパネルを展示します。79年前のあの日、広島と長崎で起こったこと、そして、そこに生きた一人一人に思いを馳せていただければ幸いです。

展示期間:12月1日(日)~12月15日(日)(10:00~18:00/7日(土)のみ21:00まで)
会場:静岡芸術劇場1Fロビー(入場無料)
協力:静岡県原水爆被害者の会

 
【平和学習プログラム】~家族伝承者による被爆体験講話を聞く~ 
本作の上演に合わせ静岡大学の協力のもと広島から被爆体験を語り継ぐ家族伝承者をお招きし、同大学で講話を行います。
11月28日(木)13:00-14:30(12:45 開場)
会場:静岡大学 静岡キャンパス 共通教育L棟 201
対象:大学生及び一般の方
参加無料/定員:50名
お申し込みはこちらから(当日参加も歓迎!)
https://forms.gle/51vvrRN8VVPiq6h56
詳しくはこちらをご覧ください。
 

ビル泊×SPAC『象』【静岡おまち旅~SPAC観劇特別プラン~】
静岡市中心市街地に点在する全7棟のビルに客室を設けた“分散型”宿泊施設「ビル泊」とSPAC『象』公演期間限定の特別コラボレーション。
宿泊と観劇、そして静岡ならではのお店とお食事がセットになった期間限定プランとなっています。
「ビル泊」のウェブサイトにて詳細をご覧ください。https://birupaku.jp/2024/10/04/2239/

アクセス


静岡芸術劇場(グランシップ内)
〒422-8019 静岡市駿河区東静岡2丁目3-1
詳しくはアクセスページをご確認ください。
 

チケット

◆SPACの会 会員先行予約開始:10月6日(日)10:00
◆一般 前売り開始:10月13日(日)10:00
 
◎チケット購入方法
SPACチケットセンター
●電話予約 054-202-3399 (受付時間 10:00〜18:00)
●窓口販売 静岡芸術劇場チケットカウンター (受付時間 10:00~18:00)
※休業日(10/14、11/19~21)は、電話予約受付と窓口販売をお休みさせていただきます。
●ウェブ予約 https://spac.or.jp/ticket

[当日券]
残席がある場合のみ、開演1時間前より劇場受付にて販売。
※当日券販売の有無を、公演当日に必ずお電話もしくはSPAC公式サイトでお確かめください。
 
◎チケット料金
※全てのチケット代金は税込価格です。

●一般: 4,200円
●U25・学生割引:
 [25歳以下および大学生・専門学校生]2,000円
 [高校生以下]1,000円
 ※公演当日、受付にて年齢の分かる身分証または学生証をご提示ください。
●障がい者割引: 2,900円 [障害者手帳をお持ちの方]
 ※公演当日、受付にて障害者手帳または ミライロIDをご提示ください。
 ※付添の方(1名様)は無料 ※電話・窓口のみのお取り扱い

静岡県内の小学生ご招待(1公演5名様まで)
 ※電話・窓口にてお取り扱い
 ※座席位置はお選びいただけません。

 

SPACの会
一般: 3,500円

【SPACの会】2024年度会員募集のご案内
詳細はSPACチケットセンター、またはウェブにて。
〈年会費〉個人会員:10,500円
*先行予約、年間3回ご招待など特典あり。

 
◎割引をご利用の際は、必ずご予約時にお知らせください。各種割引の併用はできません。

 
〔親子室〕
乳幼児と一緒にご観劇いただける親子室がございます。
チケット料金:大人1名様につき 2,900円
座席の必要なお子様は高校生以下料金 1,000円/座席不要のお子様は無料
※電話・窓口のみでのお取り扱いとなります。
 
[託児サービス] 要予約/定員3名/先着順
以下の公演では、「保育支援グループすわん」による託児サービスをご利用いただけます。
12月15日(日)14:00開演 静岡芸術劇場
託児場所:グランシップ1階託児室
利用料:お子様1人1,000円 
対象:6カ月~7歳
託児時間:13:30~16:40
お申込み:2024年12月8日(日)18:00までにSPACチケットセンター(電話:054−202-3399)へお申込みください。
  
[私のあしながおじさんプロジェクト 2024]
企業・団体・個人の皆さまのご支援のもと、静岡県内の子どもたちを劇場にご招待し、「本格的な演劇作品を鑑賞する」体験をお届けします。

スタッフ

舞台美術デザイン:吉田裕梨
照明デザイン:花輪有紀
音響デザイン:澤田百希乃
衣裳デザイン:清千草

舞台監督:小川哲郎
演出部:山﨑馨
照明:竹澤朗 (静岡公演:水野ヒカル)
音響:(静岡公演:竹島知里)
美術担当:森正吏
ワードローブ 牧野紗歩

英語字幕翻訳:ロジャー・パルバース
英語字幕制作:大石多佳子
英語字幕操作:鈴木真理子

技術監督:村松厚志
制作:雪岡純、佐藤美咲
制作インターン:宮城羽那
芸術局長:成島洋子

芸術監督:宮城聰

宣伝美術:阿部太一(TAICHI ABE DESIGN INC.)
 

令和6年度日本博2.0事業(委託型)
主催:公益財団法人利賀文化会議、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
共催:公益財団法人静岡県舞台芸術センター

【演出家プロフィール】

EMMA (エマ)

1988年神戸市生まれ。演出家。瀬戸内国際芸術祭にて、小豆島の農村歌舞伎保存会や地域の方々と共に創作するなど、特有の文化や歴史をリサーチし、その地域に寄りそいながら制作することを大切にしている。演劇をつくること自体が、人と人との結びつきを高め、心を癒すものであると考え、社会における表現の有用性を探っている。近作は、劇団劇作家『玄海灘』『短篇集「覧古考新」』(2024年、演出)、壁なき演劇センター『Light on Tennessee Williams』(2023年、作・演出)、ワールド・シアター・ラボ『ロッテルダム』(2023年、演出)など。京都芸術大学2024年度劇場実験として、EMMAが代表を務める共同研究「遠隔通信技術を用いた《瀬戸内の離島》と《都市》同時上演による地方課題の解決、および地方と都市の共創モデルの開発」が採択を受け、島にフィールドワークへ行くなど創作中。現在、東京藝術大学非常勤講師。日本演出者協会 常務理事。2022年より活動名をEMMA(エマ)へ変更。

<利賀公演>
SCOTサマー・シーズン2024
日本の現代舞台芸術を世界へ

9月7日(土)12:00開演
9月8日(日)14:00開演

会場:創造交流館

SCOTサマー・シーズン2024ウェブサイト

SPAC公式InstagramにてSNS企画実施中!
“象”の足跡 ~創作・公演の軌跡を描く~🐾



【単発参加募集中!】
劇団SPACの稽古場に足を踏み入れ、創作過程を目撃する「サロン企画」。「SPAC秋→春のシーズン」3作品の稽古見学と合わせて、SPAC文芸部がお届けする講座や出演俳優によるワークショップ、交流会をお楽しみいただけます。下記メニューへの単発参加者を募集しています。
詳細はこちら

参加料:一般 1,000円、U25 500円
◎『象』関連企画
◇俳優 阿部一徳による演劇ワークショップ ~強い声、踊る言葉~
日時:10月26日(土)13:30~15:00
会場:静岡県舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」

◇『象』関連講座 ~社会学者・大澤真幸が読み解く、「不条理」ってなに?~
日時:11月24日(日)13:30~15:00
会場:せかいの劇場ミニミュージアム「てあとろん」

 


◎メディア掲載
・2024年8月14日 静岡新聞
人間の深層に迫る戯曲
被爆者テーマの「象」
SPAC、12月上演

・2024年8月14日 読売新聞
被爆者の孤独 演劇で
SPAC 12月、静岡で『象』公演
市内の戦跡巡るツアーも
・2024年11月30日 静岡新聞
家族の被爆体験語り継ぐ
SPAC来月『象』上演向け講演会 静岡 
細川さん(広島)風化防止へ活動

・2024年12月6日 朝日新聞
被爆者の記憶 伝える舞台
別役実の戯曲『象』SPACであすから
若き演出家「平和賞に鼓舞され」

・2024年12月6日 静大TV
家族伝承者による被爆体験講話をきく(ダイジェスト映像)
・2024年12月7日 静岡新聞WEBコラム
【SPACの「象」】
「被爆者」というベールが徐々に取り払われていく

・2024年12月8日 ステージナタリー
SPAC「象」幕開け、
EMMA「別役実さんの言葉をそれぞれの視点で楽しんで」

・2025年1月号 悲劇喜劇
SPAC『象』利賀公演の時評掲載