冬の特別公演|夢と錯乱

演出:宮城聰
作:ゲオルク・トラークル
訳:中村朝子

夭折の天才詩人トラークルが、死の数カ月前に著した自伝的散文詩「夢と錯乱」。豊かな色彩感覚と音楽性、そしてあまりにも深い憂鬱に満ちたこの詩を、フランス演劇界の巨匠クロード・レジは、最後の演出作として選び、2018年に舞台芸術公園の「楕円堂」で上演した。闇と沈黙が織りなす比類ない世界は、私たちを感性の臨界へと連れ去った。伝説の舞台から3年半、そしてレジの死から2年。30年以上にわたって創作活動を共にする宮城聰と美加理が、トラークルの、いや、すべての人間の救いへの希求を漆黒の空間に響かせる、亡きレジへの静かなオマージュ。
*関連リンク 【追悼】クロード・レジ(2019/12/17)

あらすじ
突出した文才に恵まれながらも、挫折と罪悪感に苛まれるトラークルの数奇な人生を映したかのような散文詩。夕暮れ、夜、暗い部屋。没落する一族の、痛みと悲しみを抱えた少年。彼の周りには明るい花々や愛してくれる人々はなく、枯れた木々や冷たく砕ける石、そして獣ばかりがいた。欠落した世界の中で汚れ、錯乱し、朽ち、消えゆこうとする少年の前に妹が現れる。
 

悲劇喜劇2020年3月号掲載 [追悼 クロード・レジ]

クロード・レジ、岸辺への案内者 宮城 聰

 二〇〇七年にSPACの芸術総監督に着任したとき、僕は「まだ日本で公演を行なっていない真の巨匠はクロード・ レジだ」と考えていました。
 ですのでなんとかレジ氏の作品を招聘できないかと機会を伺っていたのですが、幸いにして二〇一〇年に『彼方へ 海の讃歌オード』をSPACの演劇祭で上演することができました。 ・・・

▼全文はこちらからご覧いただけます。

出演

美加理(みかり)

東京生まれ。1979年、寺山修司作・演出『青ひげ公の城』でデビュー。80年代小劇場界で活躍後、90年より宮城聰率いるク・ナウカの中心メンバーとして活動。98年、SPACに初参加し、2010年から毎年出演している。“想像力を喚起する身体”“パフォーマーとしての圧倒的な集中力”と評される存在感とパフォーマンスは、国内外で高い評価を得ている。主な出演作は、『天守物語』(富姫)『王女メデイア』(メデイア)『マハーバーラタ』(ダマヤンティ)『アンティゴネ』(アンティゴネ)など。
 

公演情報

2021年
12月12日(日)18:00開演
   18日(土)16:00開演
   19日(日)16:30開演

会場:静岡県舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」
※未就学児の方はご入場いただけません。

*全日程販売予定枚数を終了いたしました。今後はキャンセル待ちの受付(お電話のみ)となります。[11月13日更新]

ハシゴ観劇でもっと舞台を楽しもう!

12/12(日)(18:00開演)の『夢と錯乱』公演は、『桜の園』(14:00開演/静岡芸術劇場)、12/18(土)(16:00開演)・19(日)(16:30開演)の公演は『Le Tambour de soie 綾の鼓』とのハシゴ観劇ができます。

 

《新型コロナウイルス感染症対策》
ご来場のお客様へご協力のお願い

下記とあわせて、【重要】新型コロナウイルス感染拡大予防への取り組みとご来場の皆様へのお願いも必ずお読みください。

●ご来場前に体調チェックをお願いいたします。
(発熱等ある場合はご来場をご遠慮いただきますようお願いいたします。)
●ご来場の際はかならずマスクの着用をお願いいたします。
●会場入口にて、サーモグラフィ/非接触型体温計にて検温を行ないます。37.5 度以上の場合はご入場をお断りいたします。
●来場者カードへのご記入、提出をお願いいたします。
(万が一感染が発生した場合、保健所等の公的機関に提供する場合がございます。)

アクセス

静岡県舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」
〒422-8003 静岡市駿河区平沢100-1 *マップはこちら

舞台芸術公園の駐車場(バスロータリー)から「楕円堂」へは徒歩約10分です。
自家用車でお越しの方は、日本平パークウェイ沿い、舞台芸術公園内の駐車場をご利用ください。

◎無料チャーターバス
『桜の園』『Le Tambour de soie 綾の鼓』とのハシゴ観劇にも便利な無料チャーターバスを運行します。ぜひご利用ください。

12/12(日) 12/18(土) 12/19(日)
往路 復路 往路 復路 往路 復路
JR「静岡駅」南口
JR「東静岡駅」南口 16:45 14:50 15:15
静岡芸術劇場 16:50 15:20
舞台芸術公園 17:05 15:05 15:35

◎終演後、JR「東静岡駅」南口経由、JR「静岡駅」南口行きのバスを随時運行します(12/18は静岡芸術劇場も経由)。

 

チケット

 
◆SPACの会会員先行予約受付開始:11月6日(土)10:00
◆一般前売り開始:11月13日(土)10:00

◎チケット購入方法
SPACチケットセンター
●電話予約 054-202-3399 (受付時間 10:00〜18:00)
●窓口販売 静岡芸術劇場チケットカウンター (受付時間 10:00〜18:00)
※休業日の12月7日(火)は 電話予約受付と窓口販売をお休みさせていただきます。
●ウェブ予約 https://spac.or.jp/ticket

[当日券]
残席がある場合のみ、開演1時間前より劇場受付にて販売
※当日券販売の有無を、公演当日に必ずお電話もしくはTwitter(@_SPAC_)でお確かめください。
 
◎チケット料金
※全てのチケット代金は税込価格です。

●一般: 4,200円
●ペア割引: 3,700円 (2名様で1枚につき)
●グループ割引: 3,300円 (3名様以上で1枚につき)
※10名様以上の場合は電話・窓口にてお取り扱い
●ゆうゆう割引: 3,500円 (満60歳以上の方)
※公演当日、受付にて身分証をご提示ください。
●学生割引: [大学生・専門学校生]2,000円 [高校生以下]1,000円
※公演当日、受付にて学生証をご提示ください。
●障がい者割引: 2,900円 [障害者手帳をお持ちの方]
※公演当日、受付にて障害者手帳をご提示ください。
※付添の方(1名様)は無料 ※電話・窓口のみのお取り扱い
 

●SPACの会
一般: 3,500円  ペア割引: 3,300円 (2名様で1枚につき)


◎割引をご利用の際は、必ずご予約時にお知らせください。各種割引の併用はできません。
◎乳幼児の客席へのご入場はご遠慮ください。

 

スタッフ

照明デザイン:大迫浩二
演出補:中野真希
演出助手:高橋等(鳥の劇場)
舞台監督:秡川幸雄
演出部:杉山悠里、表峰七登(鳥の劇場)
照明:小早川洋也
音響:澤田百希乃、林哲也 
美術担当:吉田裕梨
衣裳:清千草、安田茉耶(鳥の劇場)
技術監修:中島諒人
技術監督:村松厚志
制作:大石多佳子、内田稔子
 
製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター
共同制作:鳥の劇場
文化庁「ARTS for the future!」 補助対象事業

演出家プロフィール

宮城聰(みやぎ・さとし)

1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡邊守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。14年7月アヴィニョン演劇祭から招聘された『マハーバーラタ』の成功を受け、17年『アンティゴネ』を同演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。18年平成29年度(第68回)芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)受賞。19年4月フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。

作家プロフィール

ゲオルク・トラークル Georg Trakl (1887-1914)

1887年オーストリア・ザルツブルク生まれ。詩人。幼少より文学に傾倒し、兵役を終えた1912年から詩作が定期的に雑誌に掲載され、1913年には作品集『詩集』を出版。第一次大戦が始まると衛生兵として戦地へ赴くが、ピストルで自殺未遂を図り、クラクフの精神病院に強制送還される。鬱に悩まされ、薬物の過剰摂取により27歳の若さで死去。活動期間は短いものの、ヴィトゲンシュタインから支援を受けるなど同時代の芸術家からも支持され、表現主義の代表的な詩人として知られている。