トーク企画|Talk Series
くものうえでも出会っちゃえ

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2020」で上演が予定されていた海外5作品の演出家とSPAC芸術総監督宮城聰が、“くものうえ”(クラウド上)で出会う連続トーク・プログラム。上演予定だった作品を手掛かりに、演劇の今を語り合います。

さらに、「ふじのくに⇄せかい演劇祭2020」にて開催予定だった「広場トーク」の代替企画として、国内アーティストたちと宮城聰が語り合う《くものなかから、これからの演劇を》編、さらに演劇祭とともにGWの静岡を盛り上げてきたプロデューサーの皆さんによるトーク《くものうえから、SHIZUOKAを》編も配信します。

7月10日更新
トーク企画「くものうえでも出会っちゃえ」シリーズ(全7回)の映像を、アーカイブとして日本語字幕付きで公開いたしました。

#1 ワジディ・ムアワッド × 宮城聰
  Wajdi MOUAWAD × MIYAGI Satoshi

#2 オマール・ポラス × 宮城聰
  Omar PORRAS × MIYAGI Satoshi

#3 クリスティアヌ・ジャタヒー × 宮城聰
  Christiane JATAHY × MIYAGI Satoshi

#4 オリヴィエ・ピィ × 宮城聰
  Olivier PY × MIYAGI Satoshi

#5 キリル・セレブレンニコフ × 宮城聰
  Kirill SEREBRENNIKOV × MIYAGI Satoshi

#6《くものなかから、これからの演劇を》編

#7《くものうえから、SHIZUOKAを》編

ワジディ・ムアワッド × 宮城聰
Wajdi MOUAWAD × MIYAGI Satoshi

日本語・フランス語/日本語・フランス語・英語字幕あり
In Japanese and French with Japanese, French and English subtitiles

*本トークは 2020年4月18日(土)に収録し、4月25日(土)13:30~5月6日(水・休)22:00の期間に配信いたしました。本映像をアーカイブとして公開いたします。

ワジディ・ムアワッド  アーティストプロフィール 
劇作家、演出家、俳優、パリ・コリーヌ国立劇場芸術監督

ワジディ・ムアワッド近年最大のヒット作『空を飛べたなら』では、アラブ人とユダヤ人のあいだの民族・宗教・国家を越えた愛が描かれます。二人の愛は、幾世代にもわたる「痛み」を明るみに出し、まわりの人々も傷つけていきます。ムアワッドは、いくつもの民族と宗教が入り混じる中東レバノンに生まれ、カナダに亡命し、今はフランスでアラブ系アーティストとして初めて国立劇場の芸術監督に就任し、パリで活動しています。多民族・多文化共生の難しさを体感し、その可能性を切り拓いてきたムアワッドは、フランスに外出禁止令が出てからいち早く「隔離日記」を発信し、オンライン企画を立ち上げています。演出家、芸術監督、そして一人の移住者として、何ができるのか。ムアワッドの提案により、2018年秋にコリーヌ国立劇場で『顕れ』を演出した宮城聰とともに語り合います。


通訳(フランス語→日本語):平野暁人
通訳(日本語→フランス語):ヴァシリ・ドガニス
日本語字幕翻訳:平野暁人
フランス語字幕翻訳:竹上沙希子
英語字幕翻訳:アンドリュー・エグリントン、エグリントンみか

 

オマール・ポラス × 宮城聰
Omar PORRAS × MIYAGI Satoshi

日本語・フランス語/日仏通訳付
In Japanese and French with Interpretation

*本トークは 2020年4月28日(火)に収録し、4月29日(水・祝)13:30~5月6日(水・休)22:00の期間に配信いたしました。本映像をアーカイブとして公開いたします。

オマール・ポラス  アーティストプロフィール 
演出家、俳優

SPACでの上演は11回を数え、共同創作も度々行ってきたSPACの朋友、オマール・ポラス。『私のコロンビーヌ』はコロンビア出身の彼の自伝的作品で、読み書きができない先住民系農民の家に生まれ、学校で文字を学び、文学・哲学・芸術に魅了され、身一つでパリに渡り演出家になるまでを自ら演じています。読み書きを知り、演劇を知って、彼の人生は大きく変わりました。ポラスは、3.11直後の演劇祭にも「俳優一人、椅子一つ、ロウソク一本だけでも芝居は続けうることを示したい」と来日を敢行しました。演劇への強い意志に貫かれたその人生は、演劇そのものだとも言えます。「オマールは最大のライバル」と話す宮城聰とともに、演劇とともにある人生を紐解き、今を豊かに生きるヒントを探ります。


通訳(フランス語→日本語):山田ひろ美
通訳(日本語→フランス語):竹上沙希子
字幕翻訳(フランス語→日本語):山田ひろ美

クリスティアヌ・ジャタヒー × 宮城聰
Christiane JATAHY × MIYAGI Satoshi

日本語・ポルトガル語/日葡通訳付
In Japanese and Portuguese with Interpretation

*本トークは 2020年4月29日(水)に収録し、4月30日(木)18:00~5月6日(水・休)22:00の期間に配信いたしました。本映像をアーカイブとして公開いたします。

クリスティアヌ・ジャタヒー  アーティストプロフィール 
作家、演出家、映画監督

『終わらない旅 〜われわれのオデッセイ〜』で、クリスティアヌ・ジャタヒーは故郷から遠く離れて暮らすことを余儀なくされた世界中の難民や移民たちの体験を、古代ギリシアの叙事詩『オデュッセイア』と重ねて語らせています。様々な困難が押し寄せる今、ギリシア悲劇に関心が高まっているのは、受け入れ難い困難が今だけのものではないと物語が伝えているからかもしれません。映画と演劇、フィクションとリアル、それらを行き来し、隔離が進む世界に一石を投じようとする彼女の表現について、ブラジルと日本をつないで語り合います。


通訳(ポルトガル語→日本語):チアゴ・フェルナンド
通訳(日本語→ポルトガル語):堀内アリッセ
字幕翻訳(ポルトガル語→日本語):江口佳子

 

オリヴィエ・ピィ × 宮城聰
Olivier PY × MIYAGI Satoshi

日本語・フランス語/日仏通訳付
In Japanese and French with interpretation

*本トークは 2020年5月2日(土)に収録し、5月3日(日・祝)13:30~5月6日(水・休)22:00の期間に配信いたしました。本映像をアーカイブとして公開いたします。

オリヴィエ・ピィ  アーティストプロフィール 
劇作家、演出家、俳優、アヴィニョン演劇祭ディレクター

初恋を貫き通そうとして七年間塔に閉じ込められた少女。塔から出ると世界は戦争により破壊されていました。全てを失った少女は、初恋の人と再会します。『愛が勝つおはなし』に出てくる少女は、隔離の時代にふさわしいヒロインと言えるかもしれません。作・演出のオリヴィエ・ピィは、世界最大級の国際舞台芸術祭「アヴィニョン演劇祭」のディレクターとしても活躍し、宮城聰も度々招聘を受けてきましたが、7月に開催予定だった同演劇祭もまた中止となりました。演出家、そして演劇祭のディレクターという立場からも、互いの作品そして演劇の役割について語ります。


通訳(フランス語→日本語):平野暁人
通訳(日本語→フランス語):竹上沙希子

 

キリル・セレブレンニコフ× 宮城聰
Kirill SEREBRENNIKOV × MIYAGI Satoshi

日本語・ロシア語/日露通訳付
In Japanese and Russian with interpretation

*本トークは 2020年5月5日(火)に収録し、5月6日(水・休)15:30~5月10日(日)22:00の期間に配信いたしました。本映像をアーカイブとして公開いたします。

キリル・セレブレンニコフ  アーティストプロフィール 
演出家、映画監督、ゴーゴリ・センター芸術監督

演出家で映画監督でもあるキリル・セレブレンニコフは、ロシア政府による2019年4月までの一年半に及ぶ自宅軟禁処分を経験しています。『OUTSIDE -レン・ハンの詩に基づく』は、中国政府から弾圧を受けながらも創作を続け、2017年に29歳で自死した詩人・写真家レン・ハンへのオマージュとして、セレブレンニコフが軟禁生活のなかオンラインで創作し、演出家不在のまま昨年のアヴィニョン演劇祭で初演されました。アヴィニョンで本作が放つ圧倒的な「美」に衝撃を受けた宮城とともに、ロシアでの創作、そして作品が生み出されるまでの体験などを語ります。


通訳(ロシア語→日本語):上田洋子
通訳(日本語→ロシア語):中川エレーナ
字幕翻訳(ロシア語→日本語):工藤順

 
 

《くものなかから、これからの演劇を》編

国内外でユニークな活動を展開する3人の日本人アーティストと宮城聰が、「くものうえ」でこれからの演劇について自由に語り合います。

登壇者:
やなぎみわ 氏(美術作家・演出家)
岩井秀人 氏(作家・演出家・俳優・劇団ハイバイ主宰)
タニノクロウ 氏(演出家・劇作家・庭劇団ペニノ主宰)
宮城聰(SPAC芸術総監督)

司会:中井美穂 氏(アナウンサー)

*本トークは2020年5月3日(日・祝)16:30~ YouTubeでライブ配信いたしました。本映像をアーカイブとして公開いたします。

やなぎみわ
美術作家・演出家

神戸市生まれ。1990年代後半より写真作品を発表し、国内外で多数の展覧会を開催。2009年ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館代表。2011年から本格的に演劇活動をはじめ美術館や劇場等で上演。大正期の芸術新興運動を描いた『1924 』三部作、戦時のメディアをテーマにした『パノラマ』、『ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ』などを演出。2019年は全国5館の美術館に個展「神話機械」が巡回。ハイナー・ミュラーの戯曲でマシンと俳優のパフォーマンスを行う。2014年に台湾製の移動舞台トレーラーを輸入し、巡業野外劇『日輪の翼』(原作・中上健次)を続けている。

岩井秀人
作家・演出家・俳優・劇団ハイバイ主宰

2003年ハイバイ結成。2012年NHK BSドラマ『生むと生まれるそれからのこと』で第30回向田邦子賞、2013年舞台『ある女』で第57回岸田國士戯曲賞受賞。近年は、パルコ・プロデュース『世界は一人』の作・演出、フランスジュヌビリエ国立劇場『ワレワレのモロモロ ジュヌビリエ編』構成・演出、NHK Eテレ「オドモTV」内『オドモのがたり』構成・出演など、世代や国境を超えた創作に挑んでいる。トークイベント・ワークショップの開催や、引きこもりやDVなど社会問題に関する講演やメディア出演・執筆なども精力的に行っている。
俳優としては舞台『キレイ〜神様と待ち合わせした女〜』、映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリンピック噺~』など。

タニノクロウ
演出家・劇作家・庭劇団ペニノ主宰

1976年富山県出身。庭劇団ペニノの主宰、座付き劇作・演出家。セゾン文化財団シニアフェロー(2015年まで)。2000年医学部在学中に庭劇団ペニノを旗揚げ。以降全作品の脚本・演出を手掛ける。ヨーロッパを中心に、国内外の主要な演劇祭に多数招聘。劇団公演以外では、2011年1月には東京芸術劇場主催公演で『チェーホフ?!』の作・演出を担当。狂気と紙一重な美しい精神世界を表現し、好評を得る。2015年3月ドイツにて新作『水の檻』を発表。2016年『地獄谷温泉 無明ノ宿』にて第60回岸田國士戯曲賞受賞。2016年北日本新聞芸術選奨受賞、第71回文化庁芸術祭優秀賞受賞。2017年ドイツ人美術家カスパー・ピヒナーとMプロジェクトを立ち上げ、国内外で作品を発表している。2019年第36回とやま賞文化・芸術部門受賞。


 

《くものうえから、SHIZUOKAを》編

「ふじのくに⇄せかい演劇祭」とともにGWの静岡を盛り上げてきたプロデューサーたちが「くものうえ」に集合!

それぞれの活動をもとに、フェスティバルの舞台である静岡を、そして「地域」を考えます。

登壇者:
ウォーリー木下 氏(劇作家・演出家/「ストレンジシード静岡」フェスティバルディレクター)
しりあがり寿 氏(漫画家/「ずらナイト」ディレクター)
柚木康裕 氏(スノドカフェ代表/フェスティバルbar、フェスティバルgardenプロデューサー)
井上泉 氏(シズオカオーケストラ代表/「みんなのnedocoプロジェクト」企画運営)

司会:成島洋子(SPAC芸術局長)

*本トークは2020年5月4日(月・祝)16:30~ YouTubeでライブ配信いたしました。本映像をアーカイブとして公開いたします。

ウォーリー木下
劇作家・演出家/「ストレンジシード静岡」フェスティバルディレクター

神戸大学在学中に演劇活動を始め、劇団☆世界一団(現在はsundayに改称)を結成。役者の身体性に音楽と映像とを融合させた演出を特徴としている。また、ノンバーバルパフォーマンス集団「THE ORIGINAL TEMPO」のプロデュースにおいてはエジンバラ演劇祭にて五つ星を獲得するなど、海外で高い評価を得る。「神戸アートビレッジセンター(KAVC)」舞台芸術プログラム・ディレクターに就任(18年〜)。最近の作品に演劇『ハイキュー!!』、『SHOW BOY』、ミュージカル『リューン〜風の魔法と滅びの剣〜』などがある。

しりあがり寿
漫画家/「ずらナイト」ディレクター

1958年静岡市生まれ。1981年多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業後キリンビール株式会社に入社し、パッケージデザイン、広告宣伝等を担当。1985年単行本『エレキな春』で漫画家としてデビュー。パロディーを中心にした新しいタイプのギャグマンガ家として注目を浴びる。1994年独立後は、幻想的あるいは文学的な作品など次々に発表、新聞の風刺4コママンガから長編ストーリーマンガ、アンダーグラウンドマンガなど様々なジャンルで独自な活動を続ける一方、近年では映像、アートなどマンガ以外の多方面に創作の幅を広げている。

柚木 康裕
スノドカフェ代表
/フェスティバルbar、フェスティバルgardenプロデューサー

カフェの公共性に注目し、芸術文化発信のプラットフォームとして地域内外の人々をつなぐ場として活用する。またアーツマネジメントの仕事として美術館などの協働による展覧会「めぐるりアート静岡」のキュレーションチーム参画やSPAC主催芸術祭の交流スペース「フェスティバルgarden」などをプロデュースする。同時にパフォーミングアーツ・コーディネーターとしてローカルフェスティバルや地域寄席などを企画運営し、演劇やダンス、伝統芸能などの身体表現と街をつなげる取り組みも展開している。

井上 泉
シズオカオーケストラ代表/「みんなのnedocoプロジェクト」企画運営

静岡市生まれ。静岡市をフィールドに活動するまちづくり集団「シズオカオーケストラ」代表。2010年より静岡をテーマに語らう飲み会「グリーンドリンクス静岡」を主宰。ふじのくに⇄せかい演劇祭関連企画「みんなのnedocoプロジェクト」や、まちの歴史を体感する「妄想まちあるき」など、人と人・人とまちのあいだに有機的なつながりを生み、寛容なまちに向かうきっかけとなるようなプロジェクトを企てている。