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「考えるワークショップ」レポート

金曜日, 2月 17th, 2017

合宿ワークショップに参加してきました!

シアタークルーの仁科です。
2月4日〜6日に開催された合宿ワークショップに参加してきました!
合宿がはじまってから、かれこれ5年になるそうです。30名の参加者のなかにはちらほらリピーターの方がいらっしゃいました。静岡県内の人もいれば、県外の人もいます。演劇関係者のみならず、様々な人が参加していました。

「見て見ぬフリと見ているツモリ」というドキッとするようなテーマのもと、3日間参加者と意見を交換します。一日中考えて、議論したり内省するのでなかなか大変です。リピーターの方の言葉を借りると、参加すると「脳がプルプル」します。

集合写真

1日目は、一般の観客にまじって『冬物語』を観劇しました。そのあと「ワールド・カフェ」という企画で観劇の感想を交換し合いました。「ワールド・カフェ」というのは合宿参加者以外の方も参加できます。

1テーブルに4人ほど座り、与えられた問いに対して20分間話し合います。20分経つと1人を残して席を移動します。これを3回繰り返して、様々な意見を聞きました。人によって重視しているポイントが違ったり、同じところを見ていても解釈が異なったりすることがあり、「こんな見方があるのか!」と驚きでした。

2日目はいよいよ「見て見ぬフリと見ているツモリ」のテーマに踏み込んでいきます。
ペアでインタビューをするというワークがありました。これは質問する側と答える側に別れ、あらかじめ用意された質問にそってテーマに迫るものでした。テーマに対する個人的な体験を語るものなので、なるべく寛いでやる方がよいとのことでした。ペアは15本の赤い糸を使って決めました。主催者の方が像になり(『冬物語』のラストからです笑)、その手にもつ赤い糸の端々を掴んで、解いたときに同じ糸を掴んでいた人がペアです。1人50分ずつ、内省の時間も含めて2人で2時間じっくり語ります。これがなかなか濃密な時間でした。

その日の夜には、聞き慣れない言葉ですが「オープン・スペース・テクノロジー(以下OST)」というワークをしました。参加者が5、6つほどテーマを挙げ、その人を呼びかけ人として模造紙を囲みます。他の人は好きなところに行って挙げられたテーマについて話し合います。移動も自由です。僕もテーマを挙げてみました。自分にはない視点や考え、知識が飛び交い、とても勉強になりました。

2日目の夜に交流会が24時まであり、そのあと有志で深夜過ぎまでじっくり話しました。ゆるやかなOSTのようになり、それぞれ熱い会話が繰り広げられました。飲み過ぎと睡眠不足で3日目の朝はけっこうグロッキーでした。

ワークショップ風景1

3日目はOSTと似たような「プロアクション・カフェ」というワークでした。違うのは、コーラー(提唱者)が挙げたテーマをじっくり考えるところです。OSTでは1時間目2時間目のようにテーマが変わりましたが、今回では同じテーマを何度も考えます。3ラウンドあり、毎回人が入れ替わります。ラウンドの間にコーラーが1人で熟考する時間が与えられます。各コーラーによってテーマも異なりますが、それにより雰囲気も違っていました。このワークで抱えこんでいた問題に果敢に取り組んでいるようでした。

主催者から各ラウンドごとに意識するポイントが提示されます。最後に提示されたのは「エレガント・ファースト・ミニマム・ステップ」というものです。最初の一歩は小さい方がいい、けれどどうせなら優雅な一歩がいい、という意味だった気がします。これでもかとカタカナ英語を詰め込んだ言葉ですが、なかなか良い言葉です(よく噛みます)。勇気を振り絞ってテーマを挙げた参加者の方々はエレガントにファースト・ミニマム・ステップを踏み出していました。その真剣にテーマを考える姿に胸を打たれました。

ワークショップ風景2

3日間の合宿は、普段の生活のリズムや価値観とは違っていました。とても居心地のよい時間でした。最後に「チェックアウト」という作業をします。これは物理的なチェックアウトではなく心のチェックアウトです。3日間の合宿ワークショップを振り返ります。何かが変わった人、改めて自分に気づけた人、問題が解決した人、問題がより複雑になった人、それは参加者さまざまだと思います(僕は自分の人格がよく分からなくなりました笑)。なかなか稀有な体験でした。

来年もやるか分かりませんが、オススメです!脳をプルプルさせましょう!
(編集注:次回開催時期はまだ未定ですが、来年度の秋→春シーズン内で開催される予定です。)


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