夢と錯乱

〈東京芸術祭2022〉
製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター

演出:宮城聰
作:ゲオルク・トラークル
訳:中村朝子

 

生の岸辺へ


 
▼初演(2021年)舞台写真


 

夭折の天才詩人トラークルが死の数ヶ月前に著した自伝的散文詩『夢と錯乱』。突出した文才に恵まれながらも、挫折と罪悪感に苛まれるトラークル自身の人生を映したかのようなこの詩の深い憂鬱を、死の影を、その色彩と音を、俳優とともにたどる―
 
フランス演劇界の巨匠クロード・レジは『夢と錯乱』を最後の演出作として選び、2018年に静岡県舞台芸術公園「楕円堂」で上演、闇と沈黙が織りなすその比類ない世界は、観客を感性の臨界へと連れ去った。伝説の舞台から4年、レジの死から3年。30年以上にわたって創作活動を共にする宮城聰と美加理が、トラークルの、そしてすべての人間の救いへの希求を漆黒の空間に響かせる、亡きレジへの静かなオマージュ。
*関連リンク 【追悼】クロード・レジ(2019/12/17)

あらすじ
夕暮れ、夜、暗い部屋。没落する一族の、痛みと悲しみを抱えた少年。彼の周りには明るい花々や愛してくれる人々はなく、枯れた木々や冷たく砕ける石、そして獣ばかりがいた。欠落した世界の中で汚れ、錯乱し、朽ち、消えゆこうとする少年の前に妹が現れる。
 

悲劇喜劇2020年3月号掲載 [追悼 クロード・レジ]

クロード・レジ、岸辺への案内者 宮城 聰

 ―この世に言葉はあふれているけれど、その中でごくわずか、「生き死にに関わる」言葉というものがある。「絶対的な詩」と呼んでもいいその言葉、書き手にとってのっぴきならないそのような言葉が生まれた瞬間、それを記しながら書き手の身体はしたたかに傷を受けている。もちろんその「傷」は、死に向かうものばかりでなく、俗世の上空にある「喜び」に向かわせてくれるものもある。そのような「深い生き死に」に関わる言葉を、その言葉が書かれた瞬間の詩人の身体の「傷つき」とともに出現させること。つまり俳優があらゆる防具を捨ててその言葉の生まれた瞬間瞬間のからだを生きること。レジさんが求めていたのはそういうことではないか。「絶対的な詩」は、その言葉とほんとうに直面した人間を「生の岸辺」に連れてゆきます。その岸辺の向こうにあるのは、死、あるいは彼岸でしょう。いずれにしても、それは怖ろしいものではない。なぜなら、それを見ることで人はやっと「生」を知ることができるのだから。―

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▼チケット ▼スタッフ

出演

美加理(みかり)

東京生まれ。1979年、寺山修司作・演出『青ひげ公の城』でデビュー。80年代小劇場界で活躍後、90年より宮城聰率いるク・ナウカの中心メンバーとして活動。98年、SPACに初参加し、2010年から毎年出演している。“想像力を喚起する身体”“パフォーマーとしての圧倒的な集中力”と評される存在感とパフォーマンスは、国内外で高い評価を得ている。主な出演作は、『天守物語』(富姫)『王女メデイア』(メデイア)『マハーバーラタ』(ダマヤンティ)『アンティゴネ』(アンティゴネ)など。
 

公演情報

2022年
10月14日(金)19:00開演
   15日(土)16:30開演
   16日(日)16:30開演

会場:東京芸術劇場 シアターイースト
※未就学児の方はご入場いただけません。

▼「東京芸術祭2022」公演情報ページはこちら
https://tokyo-festival.jp/2022/program/yume
 

 

チケット

 
◆一般発売:9月10日(土)10:00

◎チケット取扱
●東京芸術祭チケットサイト
 https://tokyo-festival.jp/2022/ticket/
●東京芸術劇場ボックスオフィス
 https://www.geigeki.jp/t/
 TEL 0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)
●チケットぴあ
 https://w.pia.jp/t/tokyo-festival-spac/
●イープラス
 https://eplus.jp/yumetosakuran/
●Conffetti(カンフェティ)
 https://www.confetti-web.com/detail.php?dir=yumetosakur
 TEL 0120-240-540 ※通話料無料(平日10:00~18:00オペレーター対応)
●SPACチケットセンター(SPACの会会員のみ)

 
◎チケット料金
※全席指定
※全てのチケット代金は税込価格です。

●一般: 5,000円
●25歳以下: 3,000円
●高校生以下: 1,000円
●豊島区民割り: 4,500円

●SPACの会会員: 4,000円

★一般発売日に先駆けて、9月3日(土)より、SPACの会会員割引チケット発売!
5,000円→4,000円
※SPACチケットセンターにて一般チケットのみ、各公演日の3日前まで取扱
※他の割引と併用は出来ません。

SPACチケットセンター
●電話予約 054-202-3399(受付時間 10:00〜18:00)
●窓口販売 静岡芸術劇場チケットカウンター (受付時間 10:00〜18:00)
※休業日の9月12日(月)は 電話予約受付と窓口販売をお休みさせていただきます。
●ウェブ予約 https://spac.or.jp/ticket
 

 

 

スタッフ

照明デザイン:大迫浩二
音響デザイン:澤田百希乃
衣裳デザイン:清千草

舞台監督:渡部景介
演出部:杉山悠里 土屋克紀
選曲:宮城聰
照明:小早川洋也
美術担当:吉田裕梨
制作:大石多佳子 久我晴子 宍戸円(東京芸術祭)
広報協力:西原栄
宣伝美術:小見大輔

製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター

主催:東京芸術祭実行委員会〔豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、公益財団法人東京都歴史文化財団(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)、東京都〕、SPAC-静岡県舞台芸術センター
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
協賛:アサヒグループジャパン株式会社
協力:一般社団法人日本障害者舞台芸術協働機構

演出家プロフィール

宮城聰(みやぎ・さとし)

1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡邊守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。14年7月アヴィニョン演劇祭から招聘された『マハーバーラタ』の成功を受け、17年『アンティゴネ』を同演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。18年平成29年度(第68回)芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)受賞。19年4月フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。

作家プロフィール

ゲオルク・トラークル Georg Trakl (1887-1914)

1887年オーストリア・ザルツブルク生まれ。詩人。幼少より文学に傾倒し、兵役を終えた1912年から詩作が定期的に雑誌に掲載され、1913年には作品集『詩集』を出版。第一次大戦が始まると衛生兵として戦地へ赴くが、ピストルで自殺未遂を図り、クラクフの精神病院に強制送還される。鬱に悩まされ、薬物の過剰摂取により27歳の若さで死去。活動期間は短いものの、ヴィトゲンシュタインから支援を受けるなど同時代の芸術家からも支持され、表現主義の代表的な詩人として知られている。