連続シンポジウム

 
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片山杜秀 (かたやま・もりひで)
katayama1963年生まれ。近代日本思想史研究者。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。著書に『近代日本の右翼思想』(講談社)、『音盤考現学』(アルテス・パブリッシング)、『未完のファシズム』『国の死に方』(共に新潮社)など。
 
高田里惠子 (たかだ・りえこ)
takada1958年神奈川県生まれ。桃山学院大学経営学部教授。ドイツ文学研究者。著書に『文学部をめぐる病い』(松籟社・ちくま文庫)、『グロテスクな教養』(ちくま新書)、『学歴・階級・軍隊』(中公新書)、『失われたものを数えて』(河出書房)など。最近の関心は、大学の堕落の歴史に向けられている。
 
大澤真幸 (おおさわ・まさち)
oosawa1958年生。SPAC文芸部員。社会学者。千葉大学助教授、京都大学大学院教授などを歴任。主な著書に、『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞)、『〈世界史〉の哲学』(講談社)、『自由という牢獄』(岩波書店)、『〈問い〉の読書術』(朝日新書)、『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎と共著、講談社現代新書、中央公論新書大賞)等。個人思想誌『Thinking「O」』(左右社)主宰。
 
大岡淳 (おおおか・じゅん)
ooka演出家・劇作家・批評家。SPAC文芸部員、静岡文化芸術大学非常勤講師。演劇、ミュージカル、オペラ、コンサート、人形劇など幅広く手がけ、地域から発信する新しいエンタテインメントの創造に励む。共著に『21世紀のマダム・エドワルダ』(光文社より近刊)がある。http://ookajun.com/
 
横山義志 (よこやま・よしじ)
yokoyamaSPAC文芸部員。1977年千葉市生まれ。2007年からSPAC-静岡県舞台芸術センターで主に海外招聘プログラム(国際演劇祭のための調査・演目提案や海外のアーティストとのやりとりなど)を担当。演劇学博士(パリ第10大学)、学習院大学非常勤講師。専門は西洋演技理論史。論文に「アリストテレスの演技論」など。
 
ダニエル・ジャンヌトー
daniel演出家・舞台美術家。ストラスブール国立劇場付属学校で演劇を学ぶ。89年に演出家クロード・レジと出会い、彼の作品の舞台美術を15年に渡って引き受ける。SPACでは『ブラスティッド』(2009年)、『ガラスの動物園』(2011年)を演出。2008年よりステュディオ・テアトル・ド・ヴィトリー芸術監督。
 
今野喜和人 (こんの・きわひと)
DSC_0011東京大学大学院博士課程修了。現在、静岡大学人文社会科学部教授(比較文学文化)。著書に『啓蒙の世の神秘思想――サン=マルタンとその時代』(東京大学出版会)、訳書にサン=マルタン『クロコディル』(国書刊行会)他。
 
布施安寿香 (ふせ・あすか)
fuse「今までの自分らしくない事をはじめよう」と思い立ち、演劇活動を開始。2002年劇団「ク・ナウカ」入団。2006年よりSPAC在籍。その日本的顔立ちと清楚なたたずまいで、物語のヒロインにつくことが多い。座右の銘は「上善若水」(じょうぜんはみずのごとし)。主な出演作品『夜叉ヶ池』『ガラスの動物園』『ハムレット』など。
 
菅孝行 (かん・たかゆき)
kan1939年7月東京生まれ。東京大学文学部卒。評論家。60‐70年代までは劇作・演出も手がけたが、80年代からは演劇と思想に関する評論活動に専心。著作に『死せる「芸術」=「新劇」に奇す』(書肆深夜叢書)、『解体する演劇 正・続』(れんが書房新社)、『戦後演劇』(朝日新聞社、増補版社会評論社)、『戦う演劇人』(而立書房)など。
 
中島諒人 (なかしま・まこと)
nakashima演出家・鳥の劇場芸術監督。1966年鳥取市生まれ。東京大学法学部卒業。大学在学中より演劇活動を開始、卒業後東京を拠点に劇団を主宰。2003年利賀演出家コンクールで最優秀演出家賞受賞。2004年から1年半、静岡県舞台芸術センターに所属。2006年より鳥取に劇団の拠点を移し、“鳥の劇場”をスタート。http://www.birdtheatre.org/
 
石井達朗 (いしい・たつろう)
ishiiニューヨーク大学大学院演劇科・同パフォーマンス研究科研究員などを経て、慶大名誉教授、愛知県立芸大講師。関心領域として、サーカス、アジアの巫俗文化、ポスト・モダンダンス以降のダンス、パフォーマンスアート。著書に『異装のセクシュアリティ』『身体の臨界点』『男装論』『アクロバットとダンス』『サーカスのフィルモロジー』ほか
 
矢内原美邦 (やないはら・みくに)
yanaiharaダンスカンパニーニブロール主宰。国内外のフェスティバルなどに招聘される。劇作・演出も手がけ第56回岸田國士戯曲賞受賞。off-Nibroll名義で美術作品制作も行い上海ビエンナーレ、大原美術館、森美術館などの展覧会参加。日本ダンスフォーラム大賞、ラオコン(略)賞、横浜市文化芸術奨励賞受賞。近畿大学舞台芸術学科准教授。http://www.nibroll.com

オルタナティブ演劇大学
     ―再び巡り来る「政治の季節」のための5つの語り―

1960年代に出現したオルタナティブなアートシーン。
あの時なにが起きていたのか、そしてそれは今にどうつながっているのか、様々な角度から探る連続シンポジウムを開催いたします。
 

精神ノ運動ノススメ

大岡淳(SPAC文芸部)

1960年代は、学生叛乱や社会叛乱が世界中で巻き起こった〈政治の季節〉だった。叛乱は往々にして、冷戦体制における二極――アメリカを中心とする資本主義陣営とソ連を中心とする共産主義陣営――のいずれにも与しない、第三の可能性を志向した。だがそれは実現を阻まれ、未だ形にならざる何かのまま、想像力によって追い求められた。その想像力の産物が、ロックンロール、フリージャズ、ポップアート、ハプニング、ヌーヴェルバーグ、アメリカン・ニューシネマ等々、前衛的60年代カルチャーであったと言えよう。そして日本の演劇シーンにおいても、アンダーグラウンド演劇運動が産声をあげた。このときから既に半世紀が経過したが、未だ形にならざる何かを形にしようとする、アングラ的な精神の運動は、今なお、私たちが向かうべきオルタナティブな社会の姿――互いに異なる者たちが共存する共同体――を予告している。半世紀前とは打って変わって、叛乱も反逆も抵抗も許されず「空気」への同調を強要される〈政治の季節〉が到来しつつある今、精神の運動を復興させるための、学びの場に参集していただきたい!

 

4/10(金) 19:30〜21:30
           会場:スノドカフェ七間町 (静岡市葵区) 【定員30名】
〈開催直前シンポジウム〉
抵抗と服従の狭間で ―「政治の季節」の演劇―
『メフィストと呼ばれた男』を中心に、今回上演される作品群を「政治の季節」という切り口から議論してゆきます。ゲストに加え、SPAC文芸部員3人が登壇。
 登壇者:片山杜秀(音楽評論家、思想史研究者)、高田里惠子(ドイツ文学研究者)、大澤真幸大岡淳横山義志 (以上、SPAC文芸部) ほか

⇒⇒⇒ レポート(要約版)はこちらからどうぞ![構成:西川泰功]

映像はこちら→ その1 その2 その3 その4

『メフィストと呼ばれた男』
  SPAC 『メフィストと呼ばれた男』 (演出:宮城聰)
 

4/26(日) 10:30〜15:45
           会場:サールナートホール (静岡市葵区) 【定員200名】
アングラ!カルト!アヴァンギャルド!!!
                     ―映画におけるオルタナティブ―
​アングラ演劇の旗手・寺山修司、そして『エル・トポ』『リアリティのダンス』等の代表作が話題を呼んだチリ出身の鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーの二大巨匠による映像作品の上映とトークを行います。
 10:30 上映『ホーリー・マウンテン』(1973年/メキシコ・アメリカ)
 12:45 ギャラリートーク:大岡淳横山義志
 14:00 上映『田園に死す』(1974年/日本)
 *詳細はこちら

⇒⇒⇒ レポート(要約版)はこちらからどうぞ![構成:西川泰功]


  『ホーリー・マウンテン』 (監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー)
 

4/28(火) 19:30〜21:30
           会場:スノドカフェ七間町 (静岡市葵区) 【定員30名】
目に見えぬ美をめぐって ―反自然主義の系譜―
アングラ小劇場運動といえば反リアリズム。神秘思想に傾倒し、同時代の自然主義演劇に敢然と叛旗を翻したメーテルリンクを出発点として、クロード・レジ、ダニエル・ジャンヌトーに至るまで、『盲点たち』を中心に近代劇のオルタナティブとしての反リアリズムの系譜を探っていきます。
 登壇者:ダニエル・ジャンヌトー(演出家)今野喜和人(静岡大学人文社会科学部教授[比較文学文化])布施安寿香(SPAC所属俳優)
 司会:横山義志

⇒⇒⇒ レポート(要約版)はこちらからどうぞ![構成:西川泰功]


  SPAC 『盲点たち』 (演出:ダニエル・ジャンヌトー)
 

4/29(水・祝) 15:00〜17:00
           会場:舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」 【定員80名】
アングラ演劇は死なず! ―小劇場運動の50年―
『ふたりの女』『天使バビロンに来たる』『小町風伝』を中心に、「アングラ・小劇場運動の遺産と拡がり」について語ります。
アングラ演劇の登場からおよそ半世紀を経過した現在から顧みて、アングラ演劇をどう総括するか。今日では、現代演劇における様々な流派・ジャンルの一つとみなされてしまっているが、アングラをそのように相対化するのは妥当なのか、あるいは、今なお歴史的画期を開いたオルタナティブな存在と位置づけるのが妥当なのか。そもそも、運動としてのアングラは何と戦い、何に挫折し、何を達成したのか。そして今、私たちはその運動をどう引き受ければいいのか。
 登壇者:菅孝行 (演劇評論家)中島諒人 (演出家・鳥の劇場主宰)
 司会:大岡淳
   ※無料チャーターバス
    【行き】14:15東静岡駅発→14:30舞台芸術公園着
    【帰り】17:30舞台芸術公園発→17:45東静岡駅着

⇒⇒⇒ レポート(要約版)はこちらからどうぞ![構成:西川泰功]


  SPAC 『ふたりの女』 (演出:宮城聰)
 

5/1(金) 21:00〜23:00
           会場:スノドカフェ七間町 (静岡市葵区) 【定員30名】
革新としての伝統 ―フォークロアとコンテンポラリーダンス―
土着性の復権・フォークロアへのリスペクトをその特徴のひとつとするアングラ小劇場運動には、土方巽に始まる「暗黒舞踏」と深い影響関係がありました。こんにち至高の完成度を見せる無垢舞蹈劇場の表現にも、かつて暗黒舞踏が高度な抽象性へと向かった軌跡との不思議な相似形が認められます。『觀 〜すべてのものに捧げるおどり〜』を中心に、秘められた創作の道程を探りつつ、コンテンポラリーダンスの可能性を語ります。
 登壇者:石井達朗 (舞踊評論・研究)矢内原美邦 (振付家・ニブロール主宰)
 司会:横山義志

⇒⇒⇒ レポート(要約版)はこちらからどうぞ![構成:西川泰功]


  無垢舞蹈劇場 『觀〜すべてのものに捧げるおどり〜』 (振付:林麗珍)
 

◆チケット:
1500円 (4/26サールナートホール、4/10・28・5/1スノドカフェ七間町)
1000円 (4/29BOXシアター)
 
◆ご予約:
 電話 SPACチケットセンター Tel.054-202-3399
                      (受付時間10:00〜18:00)
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