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2020年10月2日

宮城聰がベルリン国立歌劇場で
モーツァルトのオペラ『ポントの王ミトリダーテ』を演出!

今秋11月、SPAC芸術総監督の宮城聰が、ベルリン国立歌劇場のオペラ『ポントの王ミトリダーテ』(モーツァルト作曲)を演出するはこびとなりました。ベルリン国立歌劇場が日本人演出家を招くのは同歌劇場278年の歴史上初めてのことで、日独の文化史の新たなエポックとなります。

モーツァルトが14歳の時に作曲したこのオペラでは、紀元前1世紀、小アジアの国ポントの王ミトリダーテをとりまく戦争と人間模様が、まばゆいばかりの音楽のなかで描かれます。繰り返される戦争と復讐の連鎖。宮城はこの物語に、第二次世界大戦末期の日本を重ねました。「死者たちの鎮魂の儀式」としてこの作品を描くとき、そこには、希望というあらたな光がみえてきます。

今回指揮をつとめるのは世界的に活躍するマルク・ミンコフスキ。歌手陣にはフランスを代表するソプラノのジュリー・フックスや人気絶頂のカウンターテナー、ヤクブ・オルリンスキら豪華な顔ぶれが並び、クリエイティブチームとして、宮城とともに25年以上共同作業を行い、代表作『マハーバーラタ』『アンティゴネ』・新作歌舞伎『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』(2017年歌舞伎座)・オペラ『ルサルカ』(2017年日生劇場)などを手掛けてきた木津潤平(空間構成)、高橋佳代(衣裳)らが参加します。

アヴィニョン演劇祭(2017年)、ニューヨーク(2019年)での『アンティゴネ』公演など、国内のみならず、いまや世界的にも高く評価される演出家・宮城聰の次なる挑戦にぜひご注目ください。

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ベルリン国立歌劇場 バロックターゲ2020(バロック週間)
オペラ 『ポントの王ミトリダーテ』

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
台本:ヴィットーリオ・アマデオ・チーニャ=サンティ (ジャン・ラシーヌの悲劇による)

指揮:マルク・ミンコフスキ
演出:宮城聰

空間構成:木津潤平
美術:深沢襟
衣裳:高橋佳代
照明:Irene Selka
振付:太田垣悠
ドラマトゥルク:Detlef Giese
演奏:グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊

日時(現地時間):
2020年11月13日(金)18:00、17日(火)19:00、19日(木)19:00、22日(日)18:00、28日(土)19:00

会場:
ベルリン国立歌劇場(ドイツ)

◎上演言語:
イタリア語上演(英語およびドイツ語字幕)

★ベルリン国立歌劇場の公式サイトはこちら
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あらすじ
紀元前60年頃、黒海沿岸のポントス(ポント)の王ミトリダーテは、ローマ軍との戦いに出陣する際に、若い許嫁のアスパージアを2人の息子に託し、自分が戦死したと嘘の報告を流して息子達のアスパージアに対する態度を知ろうとする。かねてからアスパージアに思いを寄せていた長男ファルナーチェは、強引に彼女に結婚を迫り、彼女を守ろうとする次男シーファレと対立する。シーファレと惹かれ合うアスパージア、そこへ帰還するミトリダーテ。シーファレは父への忠誠心と愛の間で苦しむ。
 
演出家プロフィール
宮城 聰 MIYAGI Satoshi

miyagi_(c) Takashi Kato2

演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡邊守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。14年7月アヴィニョン演劇祭から招聘された『マハーバーラタ』の成功を受け、17年『アンティゴネ』を同演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。平成29年度(第68回)芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)受賞。19年4月フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。