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2007年7月13日

『転校生』の演出家・飴屋法水からのメッセージ

12月1日、2日公演の『転校生』の演出家・飴屋法水よりメッセージが届いています。
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静岡県の高校生のみなさん、こんにちは。

今回、平田オリザさんの素晴らしい戯曲を、SPACという、これまた素晴らしい環境で演出させていただく機会を与えていただきました。とても嬉しく思っています。そして僕は、この舞台を、静岡県の実際の高校生と共に、チカラを合わせて創り上げたいと思っています。

僕や、皆さんのカラダは、決してモデルさんのようには、絵に描いたようには、キレイでもカッコよくも無いでしょう。自分の理想からは程遠いかもしれません。でも、そんな不恰好なカラダでも、伝えられることが、ある。

そのカラダには、皆さんが、いままで・・・・、この時代に、この親から生まれ、日本のこの場所で生きてきた、いいこともわるいことも詰っています。十数年ぶん以上でも、以下でもない。そのカラダだからこそ描けることがある。そのカラダでは描けないこともある。それをみつめてみよう。取り組んでみよう。・・・これは演劇、舞台のもつ、大きな可能性のひとつだと僕は思っています。

この「転校生」という戯曲には、ちょうど皆さんの年代なら誰もが抱えるであろう、謎、が、たくさん詰っています。でも、ちょっとまてよ? もう大人のはずの僕には、その謎が解けるのだろうか? 解けないんなら、大人になるってどういうことなんだろう? 死ぬまでの間には、その謎は解けるんだろうか? ・・・・・こんな気持ちを抱えながら、僕は、世代を超えた皆さんと、この舞台に取り組みたいと考えています。

一緒にやってもらえたら嬉しいです。どうかよろしく、お願いします。

飴屋法水