世界の名作を現代の演出でお届けするSPACのシーズンプログラム。2025年度より劇作家の⽯神夏希がアーティスティック・ディレクターをつとめ、SPACの新作やレパートリー作品の再演などを秋から春にかけて上演しています。
また、「秋のシーズン」では週末の⼀般公演に加え、平⽇には若い世代がはじめて演劇にふれる機会として「中⾼⽣鑑賞事業公演」を実施し、毎年約1万⼈の県内各地の中⾼⽣に本格的な舞台鑑賞の機会を提供しています。
きょうを生きるあなたとわたしのための演劇
「生きるのって大変だなあ」と思っている人が、多いと思います。
人類はかつてないほど長く生きられるようになったし、豊かになったけれど「生きるのって大変だなあ」と思っている。簡単に遠くまで行けるようになったし、自分が移動しなくてもありとあらゆる情報が手に取れる。自分の代わりに考えたり働いたりしてくれるAIもある。だけど、というか、だからこそ「大変だなあ」は尽きません。
他人の気持ちはわからないし、戦争を止める方法もわからない。みんなが笑顔でいられる社会の姿も、自分がなぜ生まれてきたのかも。幸せになるためにがんばってきたはずなのに、悩みは増えるいっぽうです。困っちゃいますね。
「どうしてこんなことになっちゃうの?」と困惑し、翻弄され、死ぬまでわかりあえない他者。それが私たち人間を取り巻くこの「世界」の正体だとしたら、「物語」はわかりあえない「あなた」と「世界」との間に橋をかける方法です。そして劇場は「あなた」と「わたし」とが、その物語という橋を一緒に渡ってみる場所です。
わからないまま、困ったまま、それでもこの世界を生きていく。そんな宙ぶらりんの怖さも、一緒に渡ってみたらワクワクに変わるかもしれません。下は見ないで、さあ前を向いて、手をつないで。
アーティスティック・ディレクター 石神夏希
2026-2027シーズン
ラインアップ
〈アーティスティック・ディレクターより〉
地域の中で埋もれている「聴かれにくい声」に耳を澄ませること。
多田淳之介さん演出『伊豆の踊子』は伊豆半島の魅力を詰め込んだ「観光演劇」としての華やかさが魅力ですが、差別を受けながら流浪する人々の生き様にも光を当てています。瀬戸山美咲さんがポルトガル語で書かれた小説をもとに戯曲を書き下ろす『ニホンジン』ではブラジル現地での取材も行い、国内ではあまり知られていない、日本から地球の裏側へと渡った移民の人々の物語を届けてくれます。舞台美術家でもある深沢襟さん演出の『星の王子さま』は、不確かさや弱さが排除されやすい世界(そして劇場空間)を子どものまなざしから問い直すインクルーシブな舞台です。
劇場に来たことがない人に「わたしにも関係のある場所かもしれない」と感じていただける。そんなシーズンになることを願っています。
過去の上演作品
2025年度
- 『
弱法師 』 演出:石神夏希 作:三島由紀夫(『近代能楽集』より) - 『ハムレット』 潤色・演出:上田久美子 作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:河合祥一郎(角川文庫『新訳 ハムレット 増補改訂版』)
- 『ガリレオ~ENDLESS TURN~』 台本・演出:多田淳之介 原作:ベルトルト・ブレヒト
以下、SPAC秋→春のシーズンとして実施
2024年度
- 『イナバとナバホの白兎』 構成・演出:宮城聰 台本:久保田梓美 & 出演者一同による共同創作
- 『象』 演出:EMMA(旧・豊永純子)作:別役実
- 『メナム河の日本人』 演出:今井朋彦 作:遠藤周作
2023年度
2022年度
- 『ペール・ギュント』 演出:宮城聰 作:ヘンリック・イプセン 翻訳:毛利三彌
- SPAC版『守銭奴 あるいは嘘の学校』 演出:ジャン・ランベール=ヴィルド 翻訳・通訳・ドラマツルギー:平野暁人 アーティスティック・コラボレーター:ロレンゾ・マラゲラ
- 『リチャード二世』 演出:寺内亜矢子 作:ウィリアム・シェイクスピア 訳:小田島雄志
- 『人形の家』 演出:宮城聰 作:ヘンリック・イプセン 訳:毛利三彌
2021年度
- 『みつばち共和国』 メーテルリンク作『蜜蜂の生活』に基づく 作・演出:セリーヌ・シェフェール
- 『桜の園』 演出・舞台美術:ダニエル ・ジャンヌトー アーティスティック・コラボレーション、ドラマツルギー、映像:ママール・ベンラヌー 作:アントン・チェーホフ
- 『夜叉ヶ池』 演出:宮城聰 作:泉鏡花
2020年度
- 『妖怪の国の与太郎』 演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ 台本・翻案・ドラマツルギー:
ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同 翻訳:平野暁人 - 『病は気から』 潤色・演出:ノゾエ征爾 原作:モリエール
- 『ハムレット』 演出:宮城聰 作:シェイクスピア 翻訳:小田島雄志
2019年度
- 『寿歌』 演出:宮城聰 作:北村想
- 『ペール・ギュントたち ~わくらばの夢~』 演出:ユディ・タジュディン 原作:ヘンリック・イプセン
- 『RITA&RICO(リタとリコ)~「セチュアンの善人」より~』 構成・演出・台本:渡辺敬彦 原案:ベルトルト・ブレヒト
- 『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』 演出:宮城聰 作:オリヴィエ・ピィ 原作:グリム兄弟
- 『メナム河の日本人』 演出:今井朋彦 作:遠藤周作
2018年度
- 『授業』 演出:西 悟志 共同演出: 菊川朝子 作:ウジェーヌ・イヨネスコ
- 『歯車』 構成・演出: 多田淳之介 原作: 芥川龍之介
- 『顕れ ~女神イニイエの涙~』 作:レオノーラ・ミアノ 翻訳:平野暁人 上演台本・演出:宮城聰
- 『妖怪の国の与太郎』 演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ 台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同 翻訳:平野暁人
2017年度
- 『病は気から』 潤色・演出:ノゾエ征爾 原作:モリエール (「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
- 『変身』 演出:小野寺修二 原作:フランツ・カフカ 音楽:阿部海太郎
- 『しんしゃく源氏物語』 演出:原田一樹 作:榊原政常 衣裳デザイン:朝倉摂 舞台美術:松野潤
- 『ミヤギ能 オセロー ~夢幻の愛~』 演出:宮城聰 原作:ウィリアム・シェイクスピア (小田島雄志訳による) 謡曲台本:平川祐弘
2016年度
- 『真夏の夜の夢』 演出:宮城聰 原作:ウィリアム・シェイクスピア 小田島雄志訳『夏の夜の夢』より 潤色:野田秀樹
- シェイクスピアの『冬物語』 演出:宮城聰 作:ウィリアム・シェイクスピア
- 『サーカス物語』 演出:ユディ・タジュディン (俳優・スタッフ一同の構想に基づく) 作:ミヒャエル・エンデ
- 『高き彼物』 演出:古舘寛治 作:マキノノゾミ
- 『東海道四谷怪談』 構成・演出:中野真希 原作:四代目鶴屋南北
2015年度
- 『ロミオとジュリエット』 構成・演出:オマール・ポラス 原作:ウィリアム・シェイクスピア
- 『黒蜥蜴』 演出:宮城聰 原作:江戸川乱歩 作:三島由紀夫
- 『薔薇の花束の秘密』 演出:森新太郎 作:マヌエル・プイグ
- 『王国、空を飛ぶ!~アリストパネスの「鳥」~』 脚本・演出:大岡淳 原作:アリストパネス
- 『舞台は夢』 演出:フレデリック・フィスバック 作:ピエール・コルネイユ
- 『夜叉ヶ池』 演出:宮城聰 作:泉鏡花
2014年度
- 『ハムレット』 演出:宮城聰 作:ウィリアム・シェイクスピア
- 『グスコーブドリの伝記』 演出:宮城聰 作:宮沢賢治
- 『変身』 演出:小野寺修二 原作:フランツ・カフカ
- 『走れメロス』 演出:安田雅弘 原作:太宰治
- 『ドン・キホーテ』 演出・脚本:原田一樹 原作:セルバンテス
- 『天守物語』 演出:宮城聰 作:泉鏡花
2013年度
- 『真夏の夜の夢』 演出:宮城聰 原作:ウィリアム・シェイクスピア 小田島雄志訳『夏の夜の夢』より 潤色:野田秀樹
- 『忠臣蔵』 演出:宮城聰 作:平田オリザ
- 『わが町』 演出:今井朋彦 作:ソーントン・ワイルダー
- 『サーカス物語』 演出:ユディ・タジュディン 作:ミヒャエル・エンデ
- 『ロビンソンとクルーソー』 演出:イ・ユンテク 作:ニーノ・ディントローナ、ジャコモ・ラビッキオ
2012年度
- 『ロビンソンとクルーソー』 演出:イ・ユンテク 作:ニーノ・ディントローナ、ジャコモ・ラビッキオ
- 『ロミオとジュリエット』 構成・演出:オマール・ポラス 原作:ウィリアム・シェイクスピア
- 『病は気から』 潤色・演出:ノゾエ征爾 原作:モリエール
- 『夜叉ヶ池』 演出:宮城聰 作:泉鏡花
- 『ペール・ギュント』 演出:宮城聰 作:ヘンリック・イプセン
2011年度
- 『グリム童話〜本物のフィアンセ〜』 演出:宮城聰 作:オリヴィエ・ピィ
- 『オイディプス』 演出:小野寺修二 作:ソポクレス
- 『ガラスの動物園』 演出:ダニエル・ジャンヌトー 作:テネシー・ウィリアムズ
- 『走れメロス』 演出:安田雅弘 原作:太宰治
- 『グリム童話〜少女と悪魔と風車小屋〜』 演出:宮城聰 作:オリヴィエ・ピィ
2010年度
- 『ドン・ファン』 演出:オマール・ポラス 原作:ティルソ・デ・モリーナ、モリエール他
- 『しんしゃく源氏物語』 演出:原田一樹 作:榊原政常
- 『わが町』 演出:今井朋彦 作:ソーントン・ワイルダー
- 『令嬢ジュリー』 演出:フレデリック・フィスバック 作:アウグスト・ストリンドベリ
2009年度
- 『ロビンソンとクルーソー』 演出:イ・ユンテク 作:ニーノ・ディントローナ、ジャコモ・ラビッキオ
- 『夜叉ヶ池』 演出:宮城聰 作:泉鏡花
- 『ドン・ファン』 演出:オマール・ポラス 原作:ティルソ・デ・モリーナ、モリエール他
2008年度
- 『ハムレット』 演出:宮城聰 原作:ウィリアム・シェイクスピア
- 『ドン・キホーテ』 演出:原田一樹 原作:セルバンテス
- 『走れメロス』 演出:安田雅弘 原作:太宰治
2007年度
- 『しんしゃく源氏物語』 演出:原田一樹 作:榊原政常


