11月3日(金)より公開となる映画『かぞく』の音楽に、数々のSPAC作品で音楽監督を務めてきた舞台音楽家・棚川寛子が起用され、演奏をSPAC俳優9名が務めました!
脚本・監督を務めるのは、映画『十三人の刺客』『るろうに剣心』シリーズ、人気 TVCM『au 三太郎』シリーズの衣裳デザイン、キャラクターデザインを務めてきた澤田石和寛さん。写真作家、映像作家としては澤寛(Kan Sawa)の名義で活動し、今作が映画監督デビューとなります。
澤田石和寛さんは、「東京芸術祭2018」および「ふじのくに⇄せかい演劇祭2021」で上演された『野外劇 三文オペラ』(演出:ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ)の衣裳デザインを務められ、これをきっかけに、今回、棚川そしてSPACとの映画音楽のクリエーションが実現しました。
映画『かぞく』
原作:土田世紀「かぞく」(日本文芸社刊)
監督・脚本・編集・衣裳デザイン:澤寛
音楽:棚川寛子
演奏:SPAC(貴島豪、佐藤ゆず、永井健二、本多麻紀、牧山祐大、宮城嶋遥加、森山冬子、山本実幸、吉見亮)
音楽制作特別協力:宮城聰(SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督)
サウンドデザイン:清水宏一『世紀の光』『ブンミおじさんの森』『メモリア』等
撮影::山本英夫 『HANA-BI』 『殺し屋イチ』 『清洲会議』 等
プロデューサー:松橋真三 『キングダム』シリーズ 『銀魂』シリーズ等
企画・プロデューサー:鈴木大造
出演:吉沢亮、永瀬正敏、小栗旬、阿部進ノ介(主演登場順)
上映時間:1時間22分48秒(エンドロール含)
フォーマット:アメリカンビスタ・5.1ch
製作プロダクション:クレデウス
製作・配給:アニプレックス
公開:2023年11月3日
劇場:テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷
オフィシャルサイト:
https://www.aniplex.co.jp/kazoku/
<ストーリー>
父が失踪したマコトは、母と二人、住み慣れた街を離れて新しい街へと向かう。内縁の妻と密やかに生活を送るケンジ、その妻ハルカはある秘密を抱えていた。妻を亡くし、父1人で2人の子供を育てるタケオは、子供たちと海へドライブに出かけた。久しぶりに実家へ帰ってきたユウイチは、自分の名を呼ぶ女性に森の中へといざなわれていく。̶̶これは4人の男の4つの家族が、複雑に絡み合い、喪失から再生へと向かう様を、静かに描く叙情詩です。
<作品概要>
17歳で漫画家デビュー、代表作『未成年』『編集王』『雲出づるところ』を送りだし『同じ月を見ている』では平成11年度文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞、人気作家としてのキャリアを積み重ねていた2012年、突然この世を去った伝説の漫画家・土田世紀。松本大洋を初め多くの漫画家が影響をうけた土田の生きざまを色濃く描く未完の絶筆作品『かぞく』を実写映画化。
『かぞく』のなかで描かれた5つのエピソードを原作として、澤寛自身の生い立ちや経験を織り交ぜ、現代家族を包括的に描く映画へと昇華させた。旧来の家族構造から「核家族」を基準に、「婚姻関係」「親子関係」「血縁関係」「法や倫理に背いた関係」「父とは」「母とは」「子とは」などのテーマを各エピソードに振り分け、土田世紀が描いた物語が現代家族の背負ってきた旧来の家族構造の特徴である家父長制家族の諸問題から生まれた物語であったとして、それぞれ家族の再生を試みながら「家族とは何か」を問いかける。
音楽には舞台音楽家である棚川寛子(『アンティゴネ』『マハーバーラタ』など)を起用。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督である宮城聰氏協力のもと、ムーバーとスピーカーに分ける演劇様式を極めたSPACの俳優たちによる音楽演奏と共に、映画の外から映画へ介入する「声や息の出演」という独自の表現を確立し、映画へ音楽と息を吹き込む。サウンドデザインはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作品『世紀の光』『ブンミおじさんの森』『メモリア』などに参加してきた清水宏一が担当。棚川の音楽、SPACの演奏とともに、映画独自の世界観を築いている。撮影は山本英夫が担当し、山本が撮影したフィルム映像を、澤寛自身でカラグレーディングの指揮をとり、色彩を確立。秋田と千葉を中心としたロケーションから日本の風土を写すことで、日本的霊性を映像に呼び込み、映像美を手に入れている。
▼以下より、SPAC『アンティゴネ』(2021年)の短いドキュメント映像をご覧いただけます。(SPACは2015年より毎年春に、静岡市の中心地にある「駿府城公園」にて、大規模な野外劇を上演しています)
宮城聰演出 SPAC公演『アンティゴネ』BEHIND THE STAGE ~SPAC 舞台音楽の世界~