制作部よもやまブログ読者の皆様、
はじめまして。
SPAC制作部2年生のよねやまです。
それにしても、
よもやまとよねやまはいちじちがいなんですね。
さて、今回は私の担当している仕事を少しご紹介します。
SPAC秋のシーズンがいよいよ来週から始まりますが
秋のシーズンと言えば、中高生鑑賞事業です。
週末には静岡芸術劇場で一般のお客様向けに上演される作品を、
平日は、県内各地の中高生が学校単位で観劇します。
そのときに中高生の皆さんにお渡ししているパンフレットの作成を
私は担当しています。
演劇は小説やマンガのように何度も読み返したりできない1回限りの体験です。
その日の観劇体験を、観劇前後に深めてもらうための補助教材として、
このようなパンフレットを中高生にお渡ししています。
ちなみに昨年度は、再演作品も含め、
全部で6種類を作成しました。
内容は、芸術総監督宮城の中高生へのメッセージから始まり、
作品のあらすじや、演出家からのコメント、
舞台を楽しむためのヒントや劇作家の紹介、
出演俳優やスタッフへのインタビューなど、盛り沢山です。
私1人では、とてもこなせない仕事なので、
ライターの西川泰功さんと2人で、
執筆・編集をさせてもらっています。
西川さんは、ライターのかたわら、
静岡発の芸術批評誌「DARA DA MONDE」の
編集代表をしています。
作品の分析や批評の鋭さ、
編集の手際のよさ、ディレクションの的確さには、
いつも脱帽です。
私にとっては本当に、頼もしい仕事仲間で、
困った時には西川さんというくらいに、お世話になっています。
そして、パンフレットのデザインは
静岡デザイン専門学校の大城先生のご指導のもと、
グラフィックデザイン科2年生の有志のみなさんが、
毎年担当してくださいます。
今年は12人の学生さんが関わってくださっています。
新メンバーでシーズン最初の演目『夜叉ヶ池』の
パンフレット作成が終わったところですが、
残りの3演目でもどんな素敵なデザインをしてくださるのか、
今からとても楽しみです。
1冊のパンフレットを作るには、
最初の打ち合わせから、完成品の納品まで、
およそ1月半の時間を費やします。
資料を集めて、それを読んで、考えて文章を書き、
細かい文字や情報に間違いや抜けがないかチェックしたりと、
作業は地味ですが、根気が必要です。
書いていて分からないことを調べていたら、
ほんの些細なことなのに、
半日もかかったというようなこともあります。
表紙のデザインにしても、デザイナーさんには、
複数案出してもらいます。
イラストと上演する舞台作品の世界観や、
キャッチコピーとの関係性、
表紙としてのインパクト、題字とのバランスなど、
様々なことを考慮し、どの案を基本方向として
採用するかしぼります。
そこからさらに細かい改良を加えてもらうので、
デザイナーさんもなかなか大変です。
それでも、台本を何度も読んだり、
いろいろなことを調べたり、議論を重ねていくうちに、
その作品を1回観たり読んだりしただけでは気づけなかっただろう、
その作品の魅力や捉え方に気づけたり、
作品の内容や用意した原稿やキャッチコピーから、デザイナーさんが
イメージを膨らませて形にしてくれるその過程を見られるのは、
何よりもこの仕事の楽しさです。
鑑賞事業パンフレットは、
一般公演でも販売していますので、
良かったら手にとってみてください。
制作部 米山