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2015年4月1日

新生スパカンファン!稽古場リポート

舞台芸術公園稽古場では、スパカンファンの稽古が行われています。
昨年『タカセの夢』が幕を閉じ、現在は新作『ANGELS』のクリエイション中です。
SPAC俳優・牧山祐大が稽古場の様子をリポートします。

☆「スパカンファン・プロジェクト」の詳細はこちら
☆「ふじのくに野外芸術フェスタ」の詳細はこちら

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<3/29 スパカンファン稽古場リポート>
スパカンファン新作『ANGELS』稽古開始7日目にお邪魔しました。

ポップな音楽。
時折、掛け声を交えたウォーミングアップ。
ニヤカムさんと木野さんの息のあった進行と指示。
そして体を動かしているのは、プロのダンサーに引けをとらないしなやかでキレのある動きの静岡県の各地から集まった中高生たち。

14名
女子11名男子3名(本日は一人お休みで13名)

新メンバーによるSPACのENFANTS=子どもたち、くっつけてスパカンファン。
野外芸術フェスタ@清水マリンパークでのお披露目公演にむけて、稽古中です。

ニヤカムさんのウォーミングアップは、ウォーミングアップにとどまりません。ある動き、ある振りをキッカケに実践的な振付へと変わっていきました。
断片的だった動きと動きをつなげ、シークエンスを紡ぎ出します。
大人顔負けのスピードで正確にその振付を記憶していく。

しかし、バレエの動きの入った振りに男の子たちは苦戦しているようです。

弱点をみつけそれを補うプログラムを即興でつくる、ニヤカムさん。
そのプログラムを解決するすべを即興でつかみ子どもたちに伝える、木野さん。
すごいコンビネーション、さすがの二人です。
2010年からスパカンファンプロジェクトが始まっているので、二人の共同作業も5年目になります。

何度か、繰り返すうちにとあっというまに吸収していく姿に、ちょっと感動してしまいました。

ニヤカムさんから稽古の態度についてのアドバイスも
「他の人の練習はちゃんと見ましょう。見ることも練習です。自分のためになります。」
厳しく、言うことはいう。そのときの顔はダンサーではなく、子どもたちのお父さんやお母さんの顔に見えました。

30分ほどで新しい振付を身につけたスパカンファンたち。
前日に覚えた振りを思い出します。極めて日本的な小道具をつかった愉快な振付です。
修正を加えてより密度の濃い振付へと変えていき、さっきの振付とつなげます。

・・・すごい・・・ほんとに今日できた流れなのかしらん。

振付を終えて、ニヤカムさんから一言。ダンスというものの特徴。音楽の特徴を捉えること。他人を感じて、周りから学ぶことの大事さ。

2時間みっちりとウォーミングアップ???して一時間のお昼休憩です。休憩の前に、練習中でも疲れたらしっかりとお水を飲むことを子どもたちに伝えます。暑くなると特にですが、水分の吸収は必須ですからね。

休憩前に作った振付は、クラシック・ギターの響きからの流れの最後になります。ギターを奏でる女とそれを押す女が舞台を横切る。一人踊る女が周りに注意を払うと扇子をもった少女たちが数人あらわれ、ともに踊る。
再び、ギターを奏でる女を押し、舞台を横切る女。

姿が消えると音楽がなり、再び少女たちが現れ、同じ振りが繰り返えされます。群舞の中に、他のグループやソロのダンスがパッチワークされ、最後の締めは今日、覚えたてのシークエンス。

修正の時間の過ごし方で、ニヤカムさんと木野さんからもう一度、一言。
みんな、自分の振りの修正や確認に夢中になり、ニヤカムさんが他のグループへの修正をしているということに無関心になってしまう。
ニヤカムさんは言います。この作業はグループで行う作業です。まず共演者の振り付けや修正にも興味をもつことが重要。自分は他の振付にも生きる基本的な修正を指示していることが多い。聞いていてくれれば、自分の振付の参考にもなるので、関心を持ってください。

みんな、懸命に上達しようとしているが故に起こってしまうことなんですよね。

最後はクラッシックバレエ定番のあの曲からの振付の確認。

ゴールデンウィークを挟んで2ヶ月弱。スパカンファンたちはどんなお披露目公演を見せてくれるのでしょうか。楽しみです!