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2015年5月31日

中学生による『夜叉ヶ池』稽古レポート

5月27日、28日と静岡市立安東中学校、竜爪中学校、
そして清水第七中学校の生徒さん5名が職場体験にいらしてくださいました。

SPACの作品を観たことがあり、
劇場ではどんな人が働いているのか、どういった仕事をしているのか、などもっと知りたいと、
数ある職場体験の受入先からSPACを選んでくれたそうです。
本当にありがとうございます!!

SPACの最も中心にある理念は、
「クオリティの高い作品を創作し、その作品の魅力を伝え、多くの人に劇場に足を運んでもらうこと」。
生徒の皆さんに、ぜひそれを実感として知ってもらいたくて、今回『夜叉ヶ池』の稽古見学レポートを書いてもらいました。

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細かい動作は、本と違って観客に言葉としては伝わらないけれど、演じている人の本当に小さな手の動きからそれが伝わってくるくらい、全ての動きが物語を表していて、聞きなれない言葉を役者さんが発しているのに、どんな話かが想像できて、観やすかったです。
一つの何てことのない動作なのに、指の先まで登場人物の気持ちが出ていて、その一つ一つの動きから目が離せませんでした。そんな演技を、音と服と小物がさらに盛り上げていて(盛り上げるというか…)、当たり前の動きもいつもと違っているように見えました。
衣裳を着せてもらった時、すごく重かったのに、役者さんはそんなことを何も感じさせないくらいに、本当にその服が体の一部のように迫力ある動きをしたり、軽々と動いていた。それがすごくびっくりしました。
姫様(※白雪姫)の表情がコロコロ変わるのがすごくて、次はどうなるのかとワクワクしました!
また、声が高くなったり、低く響いたり、目を閉じて声を聴くだけでも、白雪の気持ちがわかって、役者さんが本当に白雪になったみたいでした。
私は、登場する人が多い場面で、その中の誰か一人をじっと観るのが面白いなと思いました。他の人が台詞を言ったり、動いている時、それによって表情が変わるのが、それを観るのが面白かったです。それは多分台本には書いていないと思うから(書いてあるのかも…)、役者さんがその人物だったらこんな表情をするのかな、と思って観られたので楽しかったです。出てくる人はたくさんいるけれど、一人一人に、小さなことでもずっと動きがあって、今度劇を観る時は「一人」に注目して観てみたい!と思いました。
劇ではなくて普通の生活でも、たくさんいる人々のそれぞれ一人一人に物語があるのですが、劇でもそうなんだなぁと思いました。

静岡市立安東中学校2年 瀧浪りの

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夜叉ヶ池の稽古を見学して、俳優一人一人の動き全てに特徴があってすごいと思いました。例えば、大蟹五郎と鯉七と鯰入が妖怪を呼ぶシーンは、俳優が観客の方を向いていて、それぞれの特徴的な動きが目立っていて良いと思いました。
また、俳優が舞台で演技をしている時でも、他の俳優が楽器の演奏をしていて、演技をしている側の俳優ももちろん大変だと思うけれど、俳優が演技をする場面に合わせて曲を演奏するのもとても大変だと思いました。
それから、演技を指導する人が、自分が普通に観ていて何も違和感がないところでも、適切な指導をしていてすごいと思いました。

静岡市立竜爪中学校2年 古屋航

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『夜叉ヶ池』のリハーサルを観て、生演奏の音楽と、俳優さんの演技が一体化していることに、新鮮で迫力があると感じました。リズムが複雑で、俳優さんの細かい仕草がそれに合わさってきて、細部までこだわった繊細な舞台だと思いました。初めはしっとりとした静かなシーンから、奇抜な姿をした妖怪たちが出て来る愉快なシーンへのギャップも面白いと思います。
特に興味が湧いたのは、各キャラクターの衣裳です。近くで見ると、複雑だけどとても美しいデザインで、すごく感心します。
生演奏では、一つ一つの楽器が細かいリズムを取っていて、音の大きさも微調整されているので、迫力がありつつもシーンに合わせた雰囲気が出るようになっています。
俳優たちの生演奏、生き生きとした演技、派手で美しい衣裳などがこの舞台の大きな魅力になっていると思います。
様々な工夫がいたるところに凝らしてあるので、どの人が観ても面白いし、絶対厭きないし、とても人間的で不思議な世界観があるので、多くの人が観て欲しい舞台だと思いました。

静岡市立竜爪中学校2年 竹内祐奈

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今まで観たことがない演技を観ることができました。それは昔の言葉を使ったり、衣裳も着物を着たり、カツラを被ったり、「すごいな」と思いました。感情が出ているところ、逆に少し弱気な感じになったり…と、とても迫力があると思いました。
楽器の演奏もすごく、圧倒されるような演奏でびっくりしました。演技もやって、楽器も演奏して、何でもできる役者さんたちはすごいと思いました。私は演技をやっている時に演奏するという舞台は今まであまり観たことがなかったから、感動しました。
私は表情が一番印象に残っています。悲しい時は悲しい顔、キツク言っている時は目力を強くしていて、「顔の表情だけでもこんなに気持ちが伝わるものなんだ」と改めて思いました。
演奏と演技している方のリズムと音楽がちょうどピッタリで、とてもワクワクしました。
他のミュージカルとはまた違った迫力と表情、言葉など、とても楽しかったです。
演技には色々な種類があるとわかる舞台だし、演奏も綺麗なので、観に来たらすごく感動する舞台だと思います。

静岡市立清水第七中学校2年 岡村美和

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お芝居を観ていて、まず俳優さんたちの顔がとても真剣で、演技をしている時も、楽器を演奏している時も、話し合っている時も、真剣に、でも楽しそうにやっているなと思いました。
演奏は各場面にちゃんと合っていて、演奏する人たちも息が合っていて、演技はちゃんと演技だとわかっているのに、本物を観ているようで、全てに圧倒されました。
演技と演奏の両方をやっていて、とても大変そうなのに、それができる俳優の皆さんが本当にすごいと思いました。
私は演技に興味があり、今回の職場体験にこちらを選ばせていただきました。ですので、このような体験ができて本当に嬉しかったです。またいつか機会があったら、SPACの劇が観たいです。

静岡市立清水第七中学校2年 松野春香

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生徒の皆さんが注目してくれた、「美しい衣裳」や「個性的な妖怪たちが織りなすユーモラスなシーン」、そして「俳優たちの息の合った楽器の生演奏」は、まさに『夜叉ヶ池』の見どころ、聴きどころ!

『夜叉ヶ池』は、6月2日(火)より静岡芸術劇場で上演し、その後掛川市文化会館シオーネ、伊豆の国市韮山文化センター「韮山時代劇場大ホール」でも上演します!
しかも、伊豆の国市での公演は、韮山反射炉世界遺産応援企画につき、何と無料でお楽しみいただけます!ぜひ反射炉の観光や、温泉とセットで『夜叉ヶ池』を楽しんでください!

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【中高生観賞事業公演げきとも!静岡芸術劇場公演】
SPACチケットセンターにて受付中!!※一般の方もご覧いただけます。(有料)
◆静岡芸術劇場(東静岡南口グランシップ内)
6月2日(火)13:30開演
6月3日(水)10:30開演/14:30開演
*詳細はこちら

【韮山反射炉世界遺産登録応援企画】
◆伊豆の国市韮山文化センター 韮山時代劇場大ホール
7月12日(日)13:30開演(13:00開場)
無料公演!
*詳細はこちら

関連企画「リーディングカフェツアー」も静岡東部で開催します。
『夜叉ヶ池』を見る前に台本を出演俳優と一緒に読んでみませんか!
*詳細はこちら