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2016年6月13日

イナバとナバホの白兎/パリ日記(17)(18)

SPAC文芸部 横山義志

2016年6月6日(月)

晴天。午前9時劇場入り。11時から『ラ・クロワ』紙の名物劇評家、ディディエ・メルーズさんによる宮城さんインタビュー。午後4時からの通し稽古には『フィガロ』紙の批評家が観劇。金曜日に記事を出してくださるとのこと。午後10時退館。

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2016年6月7日(火)

セーヌ川の水はだいぶ引いてきて、河岸の遊歩道が顔を出している。衣裳班は午前10時劇場入り、技術・制作班は12時入り。

翻訳者のコリーヌ・アトランさんと字幕の打ち合わせ。アトランさんは村上春樹作品などを訳していらして、日本文学の翻訳では最も重要な翻訳家の一人。フランスではアトランさんの翻訳を通じて日本文学に出会った方が多い。最近は岡田利規や野田秀樹など、演劇作品の翻訳も手がけていらっしゃる。今回はケ・ブランリー美術館からの依頼。私もお名前はかねがね伺っていたが、今回はじめてお会いすることができた。

午後4時から、通し稽古を見ながら字幕チェック。日本語ネイティブでも難しい古事記の日本語も、言葉の雰囲気を保ちながらも、分かりやすく簡潔に訳してくださる。驚嘆のお仕事ぶり。コリーヌさんは駿府城公演も見てくださっているが、多少台詞が変わったりもしているので、細かく確認。

美術館側からの要望で、宮城さんの前説の演出を少し変更。訳し直さなければならなくなったりしても、コリーヌさんはすぐに対応してくださった。午後10時ぎりぎりまで字幕の打ち合わせをして、退館。

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フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
6/9(木)~19(日) ケ・ブランリー美術館クロード・レヴィ=ストロース劇場
◆公演の詳細はこちら
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