2016年6月17日(金)
朝10時から午後1時までマスタークラス。演劇学校の学生にSPACの俳優が日々行っているメソッドを経験してもらう。今回は主にフィジカルシアター研修所(Laboratoire de Formation au Théâtre Physique)という学校の先生と生徒が参加。みんな一生懸命、何かを身につけて帰ろうとしている。終了後、「やり方はちがっても、俳優が目指すものはどこでも同じだと感じた。言葉を超えて、身体を通じてコミュニケーションを取れることが実感できて、とても充実した時間だった」と参加してくださった代表のマクシム・フランゼッティさん。
午後6時半からプレトーク。ケ・ブランリー美術館研究部門に所属する文化人類学者二人とレンヌ大学演劇科のブリジット・プロさん、横山の四人で、『イナバとナバホの白兎』で参照されているテクストについて話す。今日はとりわけ文化人類学者のお客さんが多い様子。同美術館の「みんなの大学(Université Populaire)」ディレクター、カトリーヌ・クレマンさん(作家・哲学者・人類学者、文庫クセジュ『レヴィ=ストロース』の著者)もいらしてくれた。クレマンさんは1960年代からクロード・レヴィ=ストロースと一緒にお仕事をなさっていた方で、「きっとクロードが見たらすごく気に入ってくれたでしょう。彼と一緒にバリ島のパフォーマンスの研究をしていたのですが、これはバリのオペラだね、と言ってくれたんじゃないかと思います」とおっしゃっていた。コロスにバリ島の音楽技法を取り入れていることに注目してくださった様子。
今日はほぼ満席。ピーター・ブルック演出『マハーバーラタ』にも出演していた俳優の笈田ヨシさん(1970年代からパリ在住)がいらしてくださった。日本から駆けつけてくれた舞台美術家の高田一郎さんとばったり出会って、相当お久しぶりの再会を楽しんでいらした。笈田さんからは、「世界の演劇でもなかなか見られないスタイルを作っていらして、大変感動いたしました」とのお言葉をいただいた。
2016年6月17日笈田ヨシ氏
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フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
6/9(木)~19(日) ケ・ブランリー美術館クロード・レヴィ=ストロース劇場
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