芝居は生ものなので、いくら稽古を積んでても本番は不測の事態がおこることもよくあり、やはり本番前には緊張する…が、しかし先日の「ファン感謝デー」のように、すべてがぶっつけ本番のような前例のないイベントの準備のお鉢が回ってくると、「未知なるものへの恐怖感」で、ある意味、演劇の初日より緊張する感じだった。
そんな「ファン感謝デー」が、SPACメンバーのひとかたならぬ協力で無事終わり、2009年度の事業はすべて無事終了!コロンビアツアーに出発する面々を送り出し、ほっと一息…つく間もなく、新年度初っぱなには、さらに手強いイベントが控えておりました…。
それは4月3日、4日におこなわれました毎年恒例「静岡まつり」の中の大演舞場での30分のパフォーマンス。
SPACでは去年から劇場を飛び出し、路上パフォーマンス等で街中でもパフォーマンスを行っていますが、
今回のようなイベントへの参加はかつてなく、
おまけに本体が南米遠征のため、手薄となった本陣。
本来ならお断りすべき状況ですが、この静岡まつり大演舞場でのイベントは、
日頃から何かと力になってもらってる演出家の渡辺君はじめ劇団渡辺の面々が中心になってやっているので、
うちとしても何かの形で是非応援して盛り上げたい…
しかしながら、なにをやればいいのか全くのノープラン状態の中にもかかわらず、
果敢にも今回のイベントへの参加に名乗りをあげた勇気ある俳優は、
モモさんとよしみん!
こんな時こそ、私も日頃のワークショップで培った企画力で勝負…ということで
敢行しました!
おそらく静岡初ではないでしょうか。
欧米でも流行競技型即興劇「シアタースポーツ」でよくやるインプロ・ショーを、果敢にも…(汗)
インプロとはインプロビゼーション(即興)の略で、文字通り即興で芝居を作り上げて行く…というもの。落語に「大喜利」ってのがありますが、それを演劇でやる…という感じなのですが、「インプロは世界を救う」とまでは言い過ぎかもしれませんが、個人的にこのインプロ、いろんな面にかなり可能性があると感じております。
今回即席インプロチームを結成し、この難局に挑んでくれたのは、俳優部の二人だけではありません。
技術部からはゆっきー&マダム、そして、なかむ~&高林の制作部チケット班コンビという、俳優と裏方さんとの即席混成チームをつくり、夜な夜な稽古を繰り返しました。
まず幕開きは、宮城作品でパーカッションの方面でも才能を開花させてるよしみんが中心となって楽器演奏。私がMCをしている間に他のメンバーは客席に降りてお題集め。
そしてこれから始める即興劇のシチュエーションも客席からいただき、インプロスタート!
何しろ天気もよく200人以上が見守る中でのパフォーマンスだったので、初日は緊張しましたが、客席からの笑いに助けられ、俳優スタッフ混成インプロチームは大健闘!
特に二日目は最前列に陣取っていた中学生5人組から出たリクエスト「学校」というシチュエーションの設定がよかったのか、パフォーマー達もノリノリ、客席とのグルーヴ感も楽しめ、俳優のみならず、技術、制作部の面々も大健闘。
まるで演劇の神様の粋なはからいのように、前もって仕込んでいたかのようなお客様からあらかじめ紙に書いていただいたキーワードがタイミングよく続々と出てくる。
今回パフォーマンスには参加しませんでしたが、これから始まる春の芸術祭やSPACそのものをアピールするために、制作のあらどんが舞台上から客席まで看板と旗を持って走り回ってくれたのも、大健闘でした。
かくして、即席で結成されたSPAC混成即席インプロチーム(チーム名募集中!)の静岡デビューは、われわれにとっても大いに楽しく、勉強になったのみならず、本体が遠征中の手薄な本陣を、俳優とスタッフが文字通り力を合わせて守り切った経験は、絆を深めると同時に、SPACの新たな可能性を切り開いた思いがいたしました。
そんなこんなで、大演舞場のプロデューサーだった渡辺君、おつかれさま!
オファーくれてありがとう!
そして、
次なるSPACインプロチームへの出演オファーもお待ちしております!!(笑)