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2023年7月12日

てあとるてをとる制作ブログ#2「みんなでリサーチ&意見交換」

SPACのインクルーシブシアターとして立ち上がった「てあとるてをとる」。
1作目を創作するにあたって、稽古をはじめるより前に、まずは国内外で行われている「インクルーシブシアター」について各々調べて情報交換するところからスタート。

言葉に頼ることなく、誰しもが五感で楽しめる工夫や空間づくり、小さなお子さんや障がいを持つ方々を迎えるにあたって小道具に使用する素材選びやお客さんへの接し方など、参考になりそうな事例を出演者・スタッフみんなで共有していきました。どんな「インクルーシブシアター」にしていきたいか、どのように観劇を楽しんでほしいのか、それぞれの立場からさまざまな意見やアイデアが寄せられました。

そして、いざ稽古を進めるにあたり、演出家から作品のベースとなる「鏡の国のアリス」と「キャロルの書いた言葉からみんなで想像を膨らませていく」という方向性が示されました。

視覚的なアプローチとして重要な役割を担う美術は、製作の途中段階の様子も共有され、どのように使うのが面白いかみんなでイメージを膨らませながら出来上がっていきました。それらを実際に稽古場で動かしてみて、さらにアイデアを出しあって組み立てられた数々のシーン。こうして、心がはずむ仕掛けがたくさん詰まった「日常と地続きに広がる特別で自由な空想世界」が少しづつ姿を現したのです。


▲セリフがわからなくても、俳優の豊かな表情で物語を楽しむことができます


▲シーンのキーワードとなる言葉や台詞を、プラボードにして鑑賞をサポート
 
現実と空想を行き来するように形を変える美術と衣裳が作り出す視覚的なワクワク感に、音楽が彩りを添えていきます。原作「鏡の国のアリス」から紡ぎ出された不思議な言葉が、ついつい口ずさみたくなる歌へと変身をとげ、目でも楽しめる俳優の生演奏と心に響く優しい歌声、赤ちゃんが安心する音や水中を想像させる音色の楽器など、多感覚的に想像がかき立てられる工夫が散りばめられました。
 

▲足で踏むと音が鳴る楽器を使って、奏でられた音楽が俳優の身体で見える化!


▲お客さんもみんなで一緒に「お誕生日じゃない日」をお祝い
 
「インクルーシブ」は作品の中身に限らず、物理的/心理的に劇場に足を運ぶことが難しい方々にとって、どのようなことがハードルになっていて、どうすればそのハードルを取りのぞくことができるのかについても知恵を絞らなければなりません。劇場が持つネガティブなイメージを切りはなして、「明るく」「開放的」な空間を作るには?リラックスしながらお芝居を楽しんでもらうには?どのようなサポートがあれば「劇場に行ってみたい」と思ってもらえるのか?などなど。
会場に入った瞬間からワクワクする飾り付けや、開演前から俳優がお客さんに話しかけて緊張を解きほぐしたり、ゴロンと寝転がって鑑賞できるスペースや楽器に触れて遊べるコーナーを作ったり、わたしたちもお客さんと一緒にいかに楽しい時間を過ごせるかを考えながら試行錯誤しています。

★作品をより楽しんでいただくために、安心してご観劇いただくために、鑑賞ガイドを作成しましたのでぜひご覧ください!

 
静岡芸術劇場ロビーをはじめ、県内各地の特別支援学校等での公演で様々なお客さんとの対話を重ねてパワーアップしている本作、次のブログでは学校公演の様子を少し紹介して行きたいと思います♪
 

(制作部・計見葵)

 
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