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2008年1月20日

高校演劇ワークショップ <常葉学園菊川高等学校>

今年のSPACはさまざまな教育事業で新年のスタートを切っています。そのうちのひとつ、「高校演劇ワークショップ」では静岡県内の高校にSPACの俳優が出かけていき、演劇部を対象に俳優訓練法スズキ・メソッドを教えています。19日(土)は常葉学園菊川高校に行ってきました。

静岡市から車を走らせること1時間。のどかな田園風景をぬけた丘の上の学校で我々を待っていてくれたのは12人の演劇部員でした。会場に移動し、Tシャツと短パンに着替え、普段あまり履くことのない足袋を履いて、いざワークショップのスタートです。

[1]まずは、スズキ・メソッドについて簡単な説明をしました。「普段の日常生活の中では見えない身体を意識するために行なう」「重心・呼吸・エネルギーを意識する」といったSPACの俳優・三島景太からの言葉を皆とても熱心に聞いていました。これから行なわれる動きは何を意味し、どんなことに目標を置いて取り組むのか、説明を聞いた後は、いよいよ実践です。

 

重心を意識して基本的な立ち方をつくった後に、音楽に合わせて足踏みをし続けたり、ゆっくりと腰の高さを変えずに歩くなど、普段の生活では行なわない動作を繰り返していきます。身体に負荷をかけながらの重心の移動や、何か対象に向き合う感覚(実際にいるわけではないけれど、誰か相手がいてそれに向き合うような感覚)などなど、意識することが多くて大変ですが、演劇部の皆さんはとてもまじめに取り組み、飲み込みの速さにとても驚かされました。

[2]左の写真は、身体の一番高いところに重心をすばやく移動して、目の前にいる見えない相手を意識してポーズをとる、というメニューです。

二組に分かれて、お互いの動作を見てみると、自分が出来ていないこと、他人のいいろこと、悪いところがよくわかります。スズキ・メソッドというのは、その動作をきれいに行なうということ以前に、まず自分の身体を自覚化すること、自分の身体の“できないこと”を発見することが大切なのです。

2時間のワークショップは、あっという間に終わってしまいましたが、スズキ・メソッドによって「舞台に立つことの基礎」は伝えることができたと思います。これからも部活の中でぜひ続けていってほしいと思います。

[1] http://otsukimi.net/spac/blog/wp-content/uploads/2008/01/IMG_7109.JPG
[2] http://otsukimi.net/spac/blog/wp-content/uploads/2008/01/IMG_7202.JPG