『大人と子供によるハムレットマシーン』の稽古もいよいよ佳境に入ってきました。
冬が近づき寒さはつのるばかりですが、追加公演(詳細はこちら [1])も決まり、稽古場は熱気に包まれております。
ひさびさの稽古場便りとなってしまいましたが、今回は、演出を担当する大岡淳さんをインタビュー形式でご紹介します。
―――自己紹介をお願いします。
大岡淳と言います。肩書きは、演出家・批評家・パフォーマーで、理論と実践の両面から、舞台芸術に携わっております。ふだんはSPACの文芸部に所属していて、袋井市にある月見の里学遊館の芸術監督も務めています。教育現場に演劇ワークショップを導入する試みも、あちこちで展開しています。
―――難解なテクストとして名高い『ハムレットマシーン』を10人の子供(中高生)と2人の大人が演じるということ自体、異色の組み合わせだと思いますが、ズバリ今回の舞台の見どころを教えてください。
ハイナー・ミュラーの『ハムレットマシーン』という戯曲は、シェイクスピアの『ハムレット』を、現代人の孤独と重ね合わせる実験的な内容なのですが、今回の私たちの『ハムレットマシーン』は、ハムレット的な「青年」の苦悩を、からかい、笑い、挑発することをテーマとしています。「青年」以前の世代と以後の世代が、寄ってたかって「悩んだってどうにもならねえ」と大騒ぎするお芝居です。稽古場も大騒ぎです。必ず楽しんでもらえると思います。
―――最後に公演に向けて一言お願いします。
美術の石上和弘さん、音楽の河崎純さんと、プロのアーティストが結集し、SPACのスタッフと共同作業を重ねながら、この舞台を支えて下さっています。出演者も面白いのですが、このスタッフの仕事も見ものです。小ぶりだけれども贅沢な作品に仕上がりそうな予感がしています。出演者がオトナになったら上演できない芝居なので、お客様には、ぜひ今回御覧いただきたく存じます。
[1] http://www.otsukimi.net/spac/news/?p=79