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2011年12月17日

<グリムの・ひみつ⑧> ―衣裳製作―

2012年1~3月、SPACでは宮城聰演出の『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』を再演、そして同じく『グリム童話』シリーズから新作「本物のフィアンセ」を上演します。俳優の稽古が進む一方で、様々な作業が同時に進行しています。これからの<グリムの・ひみつ>では舞台を支える技術スタッフたちの作業の様子を紹介していきます。

今回はSPAC衣裳部の竹田徹さんと駒井友美子さんに『グリム童話』の衣裳製作の様子を聞いてみました。

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Q.衣裳部ではどんな仕事をしているんですか?

竹田:『グリム童話』では衣裳デザインをデザイナーの堂本教子さんにしていただいています。堂本さんと演出家の宮城さん、そして稽古場の俳優たちのパイプになり、それを作業場に下ろして衣裳の製作をするのが仕事です。
上演する『グリム童話』2作品のうち1作は再演なので、今は演者が変更となった役の衣裳を新たに作ったり、寸法調整をしています。

Q.衣裳という仕事の好きなところはどんなところですか

駒井:実社会の洋服にあるようなルールが舞台衣裳にはないところです。デザインの選択肢が多いところがいいですね。

竹田:でも逆に毎公演、ルールを探しているとも言えます。何を着せたら一番客席に届くのか・・・着るもののルールを探しているんです。

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Q.衣裳部で苦労する点はどんなところですか?

駒井:自由にデザインできる分、作り方のマニュアルがないのでそこはよく考えなければならないです。そして舞台だと大きく動いたり、飛び跳ねたり、激しい動きが多いので、それに耐えうる衣裳でなければならない。『グリム童話』では衣裳の素材として紙を使っているので、その分消耗が激しいんです。

竹田:それに紙は、普段扱う布とは硬さも重さも違う点が苦労しました。

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QSPACの衣裳部で働く魅力はどんなところですか

竹田:一年中芝居を作っていられることです。作業環境も恵まれています。そして多彩なゲスト・演出家との出会いがあり、一緒に仕事ができることが本当に楽しいですね。『グリム童話』では堂本教子さんと一緒に仕事をさせていただき、とても勉強になっています。

駒井:私もそう思います。それが地元静岡で実現できていることが嬉しいです。

Q.お二人の夢はなんですか?

竹田:突き抜けた作品を作りたいです。SPACが、常にあるレベルを超える作品を上演できるようになることです。

駒井:今年初めて衣裳のプランニングを経験しました。自分の足りない部分をどう埋めて良い作品を作っていけるか、そんなことを考えています。

★★★

冗談を言い合ったり、とても仲の良いお二人ですが、いざ仕事となると互いに刺激しあえる良い仲間だとおっしゃっていたことが印象的です。

そして衣裳部チーフの竹田さんが衣裳部のみんなに勧めている本はこれ。

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ここに書かれている整理術は舞台の衣裳デザインにも大いに通ずるそう。

「本物のフィアンセ」の衣裳デザイン、そして製作はまだまだこれから。どんな衣裳が飛び出すのでしょうか・・・

今日はここまで・・・!