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2012年3月7日

SUAC生によるインタビュー②

静岡文化芸術大学(SUAC)の講義が6日間にわたり、静岡芸術劇場と舞台芸術公園にて行われました。その授業の一環として、中沖 英敏さん(専務理事兼事務局長)と佐伯 風土さん(芸術局制作部)へのインタビューも学生たちにより行われました。
今回、その模様をご紹介します。

<佐伯風土さんへのインタビューはこちら>
【編集:傳 彩夏さん、松浦 早紀歩さん、長 源子さん(芸術文化学科)】

Q.制作部の仕事を具体的に教えて下さい。

A) 事務局は県庁の職員ですが、制作部のある芸術局はSPACとの専属契約を結んだ職員です。その中でも制作部は、舞台とお客さんをつなぐことや、良い舞台をつくるための仕事を何でもやっています。私は海外とのやりとりを担当しています。また、制作部では1作品につき1~2人がついて、その作品を多くの人に知ってもらうためにお客さんを呼ぶしかけを考えます。他にも、俳優の集中できる環境を作ったり、お弁当の手配を行ったり・・・とにかく何でもやりますよ。
Q.海外の劇団との渉外で苦労した点は何ですか?

A) SPACではヨーロッパの劇団や外国の演出家を呼んで来たりすることが多いのですが、そこでのやりとりが難しいですね。特に日本人特有の「暗黙の了解」という習慣は、外国の方には伝わりづらいようです。外国ではしっかりとしたレスポンスが基本なので、そのギャップに戸惑うようです。
Q.SPACは公共の文化事業団ですが、交流のある外国の劇団も公立なのでしょうか?

A) それは本当に様々で、少人数のプライベートの劇団から、公立や国立劇団まであります。劇団に定義はありませんからね。日本だとSPACなどの公立劇団は珍しいけれど、外国は国が文化をしっかりサポートしているので国立・公立の劇団は結構あります。そこに芸術監督がいて、プラス専属俳優がいるケースも多々あります。
Q.お名前を調べたときに、俳優さんもやっていたと知ったのですが、俳優から制作へと転向した経緯を教えて下さい。

A) 俳優や技術スタッフは経験がありましたが、制作だけはやったことがありませんでした。東京の小劇場で役者をやっていましたが、自分は向いていないな、と思ったんです。サラリーマンをしながら演劇活動との狭間で悩んでいましたが、そんな時にmixiに出ていた求人を見て、SPACの制作になりました。理由は単にそれだけでなく、お客さんが喜んでいる顔を見ることが好きなんですよ。そこで、そのお客さんの笑顔を支える制作の仕事に就きました。
Q.様々な経験をなさってきた佐伯さんですが、大学生に対してアドバイスをいただけますか。

A) 足を動かして現場に出ることですかね。大学での勉強も大切ですが、どうしても理論に偏ってしまいがちです。そのためには実際になんでもやってみることが大切だと思います。大学生は、人生で一番体力と時間のある時です。そこで他のフィールドを知り、沢山吸収すること。そうすれば物事を比較できる軸が出来ていきます。とにかく様々なことを経験することをお勧めします。

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静岡文化芸術大学 芸術文化学科
傳 彩夏・松浦 早紀歩・長 源子
〔静岡文化芸術大学 文化政策学部 芸術文化学科1学年「芸術表現B」2012年1月4日~6日、2月8日~10日開講〕