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2012年3月31日

ボゴタ演劇祭二回目参加の記(7)

ボゴタ演劇祭二回目参加の記(7)

3月25日(日)

SPAC文芸部 横山義志

コロンビアの楽しみは朝食のフルーツ。毎日名前も知らない果物が出てくる。何百種類もあるという。ジュースもいろいろ。

ホテルの朝食

ホテルの朝食

スーパーのフルーツ売り場

スーパーのフルーツ売り場

お昼はフェスティバルディレクターのアナマルタさん邸で。

アナマルタ・デ・ピサロさん 2年前に静岡にも来てくれました

アナマルタ・デ・ピサロさん 2年前に静岡にも来てくれました

ボゴタ名物の「アヒヤコAjiaco」(鶏肉とポテトとトウモロコシのスープ)を食べながら、参加カンパニーの代表者たちと歓談。

アナマルタさんちの厨房

アナマルタさんちの厨房

サンパウロからいらした記者さんは、「ボゴタはいつも天気が悪くて、青空のサンパウロに帰りたくなる」とおっしゃっていたが、それを聞いて、なぜボゴタでこれだけ演劇が好きなお客さんが多いのか、ちょっと分かった気がした。

パリも、ロンドンも、ベルリンも、ウィーンも、ニューヨークも、演劇が盛んなところは、たいてい冬はえらく寒くて、外に出るのが億劫な日が多い。イプセンが生まれたノルウェーもきっとそうなんだろう。ボゴタは赤道直下(北緯4度!)にも関わらず、2600メートルという高地にあって雨期が長く、肌寒い日も多い。ちょっと着飾って劇場にでも行こうか、という気分にはなりやすい。(ボゴタの人がおしゃれなのもそのせいだろう。)

ボゴタ演劇祭が開催されるこの時期も雨期。お客さんが毎回これだけ集中して見てくれるのも、長い雨期を楽しく過ごす術を知っているからではなかろうか。同時に、「常夏」とはほど遠い、厳しい気候条件とアンデス山脈の圧倒的な自然環境のなかで、人間の生活のはかなさにも敏感であり、都市として建設されてから5世紀のあいだ、歴史の変転にも揉まれている。ボゴタに住んでいると、人が生きているということの意味を考えさせるような機会に事欠かない気はする。

ボゴタ、世界最大の舞台

ボゴタ、世界最大の舞台

今回はヨーロッパ経済危機などの諸事情でけっこう赤字も出ているらしいが、現大統領は「カーニバルとして重要なイベントなので」支援を表明してくれているとのこと。ここには演劇が必要なお客さんがいるんだろう。

スタッフは12時20分集合、俳優は午後1時20分集合。劇場入りしてすぐにトレーニング。

IMG_1886

この劇場ではこれまで山海塾や鼓童が出演(暗い劇場内でiPhoneで撮っているので、基本ぼけてます。すみません・・・。)

フェスティバルグッズも売れ行き好調

フェスティバルグッズも売れ行き好調

アナマルタさんから劇場に熱帯生け花が届く

アナマルタさんから劇場に熱帯生け花が届く

今日は日曜日なので、開演は少し早めの午後6時。字幕もすっかり読みやすくなり、場面ごとにお客さんのくすくす笑いが聞こえる。俳優も反応に気をよくして次々とスペイン語を導入。ちょっとスペイン語が出ると、ドッと湧く。加藤幸夫さん演じる「トロルの子供」が出てくる場面は毎回爆笑。

前半で笑いが取れると、後半のもっとブラックな場面でも、お客さんがアイロニーを感じてくれるようになる。コロンビア人はブラックユーモアが好きらしく、難破したペール・ギュントとコックが丸太を奪い合う場面でもかなり受けている。「5幕半ばで主人公が死んだりはしません」でどっと笑いが起きるのは、やはり芝居慣れしている観客なのだろう。

コロンビアでは、日本よりもずっと「喜劇」として見てくれている印象。それでも、ボタン作りがペールの魂を取りに来る場面で「おまえの人生は中くらいといったところだ」といった台詞でも笑いが起きるところを見ると、最終幕の哲学劇としての展開をよく理解してくれているようだ。

舞台が終わってすぐにスタンディングオベーション。

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今日は舞台と会場の呼吸がよく合っていた。帰り際に「『メデイア』もよかったけど『ペール・ギュント』はすごく楽しかった」とおっしゃってくれるコロンビア人のリピーターも。ありがたい。

アンコールに一曲!

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終演後、もう一人の前回通訳、福岡雪さんとも再会。

制作丹治さん、30歳の誕生日をボゴタで。

誕生日ケーキの残り

誕生日ケーキの残り