10月2日、 「SPACの宮城聰総監督に教えてもらおう 『伝えること、表現すること』を学ぼう」
という授業の依頼を受けて、伊豆市立湯ヶ島小学校へ行ってまいりました。
参加者は5年生、6年生あわせて46名。
「SPAC秋のシーズン」で上演される『ハムレット』の音楽担当の棚川寛子を中心に、俳優5名、スタッフ総勢8名で天城へ向かいました。
学校で給食をいただいたあと(何年ぶり?の給食、実においしかった!ごちそうさまでした)、会場の天城温泉会館大ホールへ。ステージではなく、客席を収納して空いたスペースでさあ、開始です!
あらかじめ児童のみなさんに用意していただいたのは、なんと空のペットボトル。
SPAC俳優陣が持参した打楽器の数々(ジャンベ・クラベス・ジュンジュン・シェイカーなど)のアンサンブルに生徒の皆さんにも空のペットボトルを打ち鳴らして参加してもらおうというわけです。
(実はコカ・コーラ2ℓのペットボトルが一番いい音がするそうですが、なぜでしょうね?!)
身体をほぐすウォーミングをやった後は、輪になって、両手に1本ずつボトルを持ちます。
「自分の音を出すことは、他人の音を聴くことから始まる」
俳優が鳴らしたクラベスのリズムを聞いて、隣の子の持つボトルを叩いてそのリズムを伝えます。隣の子も、そのまた隣の子のボトルを叩いてリズムを伝えていく。一人一音ずつ追いかけて、音を伝えていきます。
次はしりとり。
一人が言ったことばを全員で唱和しつつ、音節でリズムをとる。
最初は声を出すことを恥ずかしがる子や大きな声の子などバラバラだったのが、だんだんみんなが「いま声を出している子」に耳を澄まして、聴き取れるようになりました。
そしていよいよ演奏です。
楽器はペットボトルのみ。4グループに分かれて、グループごとのフレーズを順番に演奏していきます。
複雑なリズムにもしっかりついてきて、 力強い演奏が繰り広げられました。
グループごとに「華やかさ」や「たくましさ」といった特色がはっきり感じられ、ロックも顔負けの迫力にあふれたライブ演奏が天城温泉会館に響きました。
最後に宮城総監督から、打楽器は「合っている」「合っていない」という感覚がダイレクトに返ってくるコミュニケーション・ツール。ズレているという違和感を、おたがいに少しずつ合わせていってハマったときの感触を覚えてほしい。
これからますます人間同士が直に接する機会が減っていくのかもしれないけど、だからこそ「一期一会」――という気持ちを大事にしてほしい、とお話がありました。
台詞も音楽も、呼吸を合わせて相手に伝えることが大切。俳優の身体もそれ自体が一つの楽器のようなものかもしれません。コミュニケーションも一緒です。自分を伝えるには、まず相手を知ること、聴くことが最初の一歩につながります。参加者のみなさん、あのグルーブの感覚を忘れずに!
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