学生の皆さんにご好評いただいているSPAC芸術総監督・宮城聰の講義。
10月28日、春に引き続きこの秋も、静岡大学で宮城聰が講義をしました。
学生の皆さんにSPACの作品を観劇してもらい、その作品やSPACについて、なにより演劇という芸術について宮城が講義をする、という芸術論の授業なんです。観劇と講義がセットになった小粋な授業です。
今回、学生の皆さんに観劇していただくのは宮城聰演出『夜叉ヶ池』。
http://spac.or.jp/09_autumn/yasha
講義を受けた学生のなかにはすでに観劇を終えた人もいたのですが、「泣きました!」という感想が飛び出すほどの好評でした。宮城の演出作品を観劇し、演出家本人の話を1時間も聞くというのは大学だからできること。
学生の皆さんにはじっくりと宮城の演劇に対する考えを聞き取っていただけたと思います。
今日の講義は、演劇史からはじまって、『夜叉ヶ池』についての宮城独自の見解まで、縦横無尽に刺激的な話題を織り交ぜながらの90分。
「芸術ってなんでなくならないんだろう?」そんな素朴な疑問が宮城の口からポロリと出たときには学生の耳は釘付けです。ドキッとする問いには、つい耳をそばだててしまいますね。そしてそれらのドキッとする問いを解明しようとする宮城の語り口に、経験豊かなアーティストの思考の深さを感じていただけたのではないでしょうか。
これから観劇される学生の皆さん。宮城の話を頭の片隅に、『夜叉ヶ池』を見てみてください。ずっと濃密な観劇体験になることと思います。