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2014年10月28日

【日刊!『変身』】 動きを作っていく中で…

昨日の稽古には、静岡大学アートマネジメント力育成事業の
演劇実習コース受講生の皆さんが稽古見学にいらっしゃいました。
外部の方に稽古をご覧いただくときは、
ある程度まとまった場面をご紹介することも多いのですが
『変身』は、何せまだ稽古再開3日目。
今回はまさに、ひとつのシーンが出来上がっていくまでの過程をご覧いただきました。

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見学後。
出演者たちが繰り返し繰り返し練習していた動きについて、
「拍を取らずに(1, 2, 3, 4,…とカウントしないで)
やっていたのはなぜですか?」と受講生の方から質問をいただきました。

そうですよねー。
そこでは7人で1分ほどの同じ動きをしていたのですが、
拍に合わせた方がよほど7人が「まとまりやすい」はずです。

でも、この稽古にあわせて仮で流していた音楽も
「これだとリズム取っちゃうから」と小野寺さんが仰って
リズムを刻まない、音に動きを合わせづらいものに替えていました。

さて、なぜでしょうか。

もちろん、拍に合わせた動きを作りたかったのではないから、ですが
それがどうしてなのか、どういうものをつくりたかったからそうしていたのか…?

もう少しだけ長く稽古をご覧いただけたなら
きっと、質問してくださったご本人も何かを感じ取ってくださったはず。
ああ、そこまで見ていただけたらよかったのですが!

俳優の身体(動き)は、よく語ってくれるようでいて、漠然としか語ってくれません。
台詞も、語ってくれるようでいて、意外とはっきりとは語ってくれません。
でも時には、言葉がはっきりと語ってくれない部分を
漠然としか語ってくれないはずだった身体の動きが語ってくれたりもします。
さらには2つが合わさって、不思議なほどに雄弁に語りかけてくれたりもします。

…なんだか謎かけのようになってきてしまいましたが、
人の身体って本当に豊かだなあ、と
稽古場を覗きながら日々、改めて感じております。

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「日刊!変身」、本日は中野三希子がお届けしました。

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
公演の詳細はこちら
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