こんにちは。制作部の宮川です。
「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」の開幕まで、あと5週間となりました。
3月15日から静岡芸術劇場内のリハーサル室では『マダム・ボルジア』の稽古が始まり、日々白熱したクリエーションが行われています!
稽古開始に先立つ3月9日(土)、〈イタリア・知識のサロン〉主催の公開講座「魅惑のSPAC新作野外劇『マダム・ボルジア』を楽しむための先行解説と文化講演」が行われました。
第2回目のブログでは公開講座の模様をお届けします♪
この日、受付前には「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」公式ポスターと『マダム・ボルジア』のメインビジュアルを飾って、皆さまをお迎えしました。
おかげ様で会場は満員御礼。
公開講座が始まる前に30分ほどお時間を頂戴し、芸術総監督の宮城と芸術局長の成島が今年の演劇祭の上演作品や見どころを皆さまに紹介しました!
上演作品を紹介したショートクリップを流した後、宮城がこれらの作品を招聘するに至った経緯や作品の概要を説明。
中でも宮城が熱く語ったのは、『歓喜の詩(うた)』で来日するイタリアの演出家、ピッポ・デルボーノさんについて。
ピッポさんの生い立ちや、彼が率いるカンパニーメンバーとの出会いや別れ、そしてこの『歓喜の詩』がピッポさんにとっても、メンバーにとっても集大成の作品になることなどをお話しました。
「これは見逃せない演劇祭になりそうだ!!」と、会場は熱気と期待に包まれました。
演劇祭のラインナップ紹介のあとは、いよいよ公開講座がスタート!
第1部は宮城による「ヴィクトル・ユゴー原作『ルクレツィア・ボルジア』の魅力」、第2部は静岡県立大学名誉教授の立田洋司氏による「イタリアルネサンス期を駆け抜けたボルジア家とは」と題した、豪華な二部構成の解説講座でした。
ところで。
『マダム・ボルジア』とはいったいどのような物語なのでしょう?
『マダム・ボルジア』は、『レ・ミゼラブル』の作者としても有名なヴィクトル・ユゴーが書いた『ルクレツィア・ボルジア』という戯曲が原作です。
主人公のルクレツィア・ボルジアは、ルネサンス期のイタリアに実在した人物で、稀代の悪女として知られています。ローマ法王・アレッサンドロ6世を父に、そしてイタリア全土統一をもくろみヨーロッパ中を恐怖の渦に陥れたチェーザレ・ボルジアを兄に持ち、自身は類稀なる美貌の持ち主でした。男たちの陰謀、嫉妬…渦巻く憎悪に翻弄されながらも、激動の時代を生き抜いた女性として語られています。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパではドニゼッティ作曲のオペラとしても人気のある作品だそうです。
それを今回SPACでは!!
宮城が物語の世界観を織田信長が生きた戦国時代後期の風俗や衣裳を重ねて、祝祭音楽が彩る痛快歴史スペクタクルとして立ち上げます!
公開講座の第1部では、宮城が自ら作品のあらすじや見どころを、本作出演のSPAC俳優・阿部一徳の朗読を交えて解説しました。
宮城の解説のあとに阿部の朗読が続くことよって、臨場感溢れる作品の一場面が表現されました!
第2部では、「イタリアルネサンス期を駆け抜けたボルジア家とは」と題して、静岡県立大学の立田洋司先生が悪名高い名家ボルジアについて、時代の特徴や社会背景を紐解きながら、細やかに解説しました。ボルジア家は頂点に君臨した期間は短かったものの、圧倒的な行動力と突出した存在感で歴史に名を刻んでいったそうです。
スライドを巧みに使った分かりやすい解説と軽妙な話術で、会場からは時折「へえー!」と納得の声が所々からあがりました。
講演後、聴講した方からは「作品を見る前にこのような解説があると観劇の際の助けになるし、より期待が膨らみます!」といった声をいただき、お客様はもちろん私たちスタッフにとっても、とても有意義で豊かな時間になりました。
ご参加の皆様、またこのような貴重な機会をくださったイタリア知識サロンの皆様、本当にありがとうございました!
宮城×SPACの新作野外劇『マダム・ボルジア』。
皆さま、ぜひ楽しみに待っていてください!
SNSもどんどんアップしていく予定ですので、覗いていただけたら嬉しいです♪
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また、駿府城公園での野外作品のチケットは、ありがたいことに毎年完売御礼を頂いていますので、早めのご予約をオススメします!!
ぜひお見逃しなく!!
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『マダム・ボルジア』
構成・演出:宮城聰
作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
音楽:棚川寛子
振付:太田垣悠
出演:SPAC
公演日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日18:45開演
会場=駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
上演時間=未定(120分以内) ※日本語上演/英語字幕
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