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2023年1月15日

『リチャード二世』第二期稽古レポート!その1

今回のレポートを担当いたします。村山恵美と申します。普段は小劇場を中心に俳優活動をしております。このたびはインターンとして『リチャード二世』の稽古場で学ばせて頂いています。

 
2022年12月19日。
その日は快晴で、劇場の窓から見える冬の富士山がぱりっとしていました。
12月から1月にかけて行われる第二期稽古、初日から劇場入りです!
本番と同じ劇場で稽古ができるというのは、作品づくりのためにはとてもよい環境だと思います。
まず、制作の久我さんを中心に、新型コロナ対策の話し合いから始まりました。
その後、6月から7月にかけて行われた第一期稽古のおさらい。翌週には、音響や照明をシーンのなかで確認していく場当たり・明かりづくりの作業を行い、あれよあれよと、12月中には、照明ありでシーンを最初から最後まで続けて行う通し稽古が実現。劇場が自由に使える中でも、スタッフさんも俳優さんもテキパキとしているのが印象的でした。

私は今期からの参加で、第一期稽古は動画で確認しておりましたが、実際に目の当たりにするとやっぱり違いますね。
今回の舞台装置は、あるコンセプトのもと直線的に作られています。そこに存在する俳優さんたちの人間味が際立っているような感じがして、なんだかわくわくしました。これは動画でみたときにはわかりませんでした。

『リチャード二世』は歴史劇ですが、今回の作品は史実を再現するように演出がなされているわけではありません。そのためか、言葉は難しいながらも、私たちの世界の延長線上だと感じられる瞬間もあるように思います。

一方で、私たちの世界とも、物語の背景である14世紀イングランドとも違う、オリジナルの仕草や動きが登場する場面もあります。

12月21日、演出の寺内さんが「この場面で“弔意”のポーズをとってほしいです。」と要望を出しました。俳優さんたちはそれを受けて、各々ポーズをとりました。その場でつくられたものですが、俳優さんたちが弔意をこめると、たちまちそうみえてくるのが不思議です。
こういったところは戯曲を読んでいなくとも楽しめるのではないでしょうか。
 
テクニカルスタッフのみなさんも日々、調整が進んでゆきます。
12月22日の稽古終わり、寺内さん、演出部さん、照明さんで、舞台上の、とある「仕掛け」を試していました。音の質感や、見え方などのこだわりが非常に細かかったです。
どんな「仕掛け」かは、ぜひ劇場で確認してください!


 

インターン:村山恵美

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SPAC秋→春のシーズン2022-2023 #3
『リチャード二世』

2023年1月14日(土)・15日(日)・21日(土)・22日(日)・28日(土)・29日(日)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
日本語上演/英語字幕
 
我欲と裏切り。目的のためなら手段を選ばない暴君リチャード2世の没落と、王座に上りつめるボリングブルック——シェイクスピアの数ある史劇の源流となるイングランド王の物語を、SPAC俳優としてまた『忠臣蔵2021』の共同演出など演出家としても活躍目覚ましい寺内亜矢子が、現代を照射する物語として鮮やかに描く。
 
演出:寺内亜矢子
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
出演:阿部一徳、石井萠水、大高浩一、片岡佐知子、木内琴子、小長谷勝彦、永井健二、ながいさやこ、本多麻紀、牧山祐大、宮城嶋遥加、吉植荘一郎、渡辺敬彦[五十音順]

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