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2023年9月14日

SPAC秋→春のシーズン2023 #1『伊豆の踊子』台本・演出 多田淳之介さんインタビュー

古今東西の名作を現代の演出で上演するシーズンプログラム。開幕を飾る『伊豆の踊子』を演出する多田淳之介に作品の魅力や創作への意気込みを聞いた。

(聞き手:制作部 計見葵)

 

 
 
───『伊豆の踊子』の魅力は、どのようなところでしょうか?
川端康成の初期の作品ですが、すでに短いセンテンスのなかに無限の奥行きを感じさせる才気溢れる文体がほとばしっています。これまで何度も映画化されていますが、焦点がそれぞれ違っていて、これという正解がない。曖昧でいろんな解釈があるところが、若い学生と踊子の物語らしく魅力的な部分だと思います。
 
 
 
─── 本広克行さん監修による伊豆地域の映像とのコラボレーション、またSPACの俳優・スタッフと静岡ゆかりの小説を舞台化するにあたって、どのような期待を寄せていますか?
小説の舞台となった場所にも実際に行ってきました。旧天城トンネル、河津町の旅館・福田家さんや下田港など、今でも当時と変わらない風景が残っていたり、現在と歴史を同時に感じられる豊かな体験でした。本作のために撮り下ろした映像とのコラボレーションで、観客の皆さんがその場所に行ったような、行きたくなるような体験をしてもらえたら嬉しいです。SPAC俳優の鍛えられた身体やスタッフたちの高い技術、クリエイティビティを存分に駆使して、『伊豆の踊子』という静岡の財産とも言える作品がこれからも多くの人たちに愛され続けられるよう、現代のお客さんにとっても楽しめる舞台を作りたいと思っています。
 
 
─── 今回、静岡県内各地での出張公演もありますが、意識されていることはありますか?
踊子たち旅芸人のように県内を回ることは、この舞台にとって重要なポイントになっています。いわば我々も旅芸人“SPAC一座”だと思っています。各地のお客さんに楽しんでもらうのはもちろん、他の街でこの作品を観る人たちのことやその土地に思いを馳せてもらえるようなツアーにしたいです。
 
 
─── 最後に、ひとことメッセージをお願いします。
舞台芸術はさまざまな題材を取り扱いますが、常に現代の、現在の、今、この瞬間を楽しむための芸術だと思っています。生、ライブであること、その必要性についてもこの数年は考えさせられました。今、この瞬間を一緒にいられること、一緒に考えられることの喜びを、あらためて皆さんと味わえることを楽しみにしています。『伊豆の踊子』ですから、舞台芸術が好きな方はもちろん、舞台芸術に馴染みがない人にもおすすめです。ぜひ色んな方を誘って観に来てください。
 
 
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SPAC秋→春のシーズン2023-2024
#1『伊豆の踊子』

台本・演出:多田淳之介
作:川端康成
映像監修:本広克行
出演:大内智美、春日井一平、加藤幸夫、河村若菜、桜内結う、鈴林まり、舘野百代、ながいさやこ、布施安寿香、三島景太、山崎皓司、渡辺敬彦[五十音順]

【静岡公演】
2023年10月7日(土)、29日(日)、11月11日(土)、12日(日)、18日(土)、19日(日)
各日14:00開演 会場:静岡芸術劇場
【下田公演】2023年 12月15日(金)18:30開演 会場:下田市民文化会館 大ホール
【修善寺公演】2023年 12月23日(土)13:30開演 会場:修善寺総合会館 大ホール
【浜北公演】2024年 2月10日(土)13:30開演 会場:浜松市浜北文化センター 大ホール
【沼津公演】2024年 2月25日(日)13:30開演 会場:沼津市民文化センター 大ホール

★公演の詳細はこちらをご覧ください。
https://spac.or.jp/au2023-sp2024/izu_no_odoriko