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2024年1月12日

『ばらの騎士』ブログ♪6 開幕しました¦鑑賞サポートについて

『ばらの騎士』、ついに開幕いたしました!
長い期間をかけて創作してきた作品ですが、最後の詰めは、1秒1秒に食らいつく日々だったので、無事に開幕することができ、ほっとしているところです。

これから3月までまたこれも長い期間をかけて上演していきます。
ぜひ劇場に足をお運びいただけたら嬉しいです(^^♪

本作では、<観劇サポート>を実施しております。
みえない・みえづらいお客様にバリアフリー音声ガイドを、きこえない・きこえづらいお客様にバリアフリー日本語字幕(タブレット)を利用いただくことができます。
今回のブログでは、その<バリアフリー日本語字幕>について紹介していきたいと思います。
 
12月某日、今回のサポートにご協力いただいている、文化芸術のバリアフリーコンサルティングをされているPalabra株式会社の方に劇場へお越しいただき、モニター会を実施しました。


▲機器の操作について確認している様子。

字幕を映し出すタブレットは、手のひらよりも少し大きいサイズ。三脚に立てて使用します。

後ろの席から見えてしまうのかも、と思うのですが、他の席からタブレットの光は見えないようになっていました。

その後、モニターの方にお越しいただき、タブレットを利用しながら通し稽古を一緒に鑑賞し、フィードバックを受けました。

本作は、ユーモラスな登場人物が特徴的なのですが、そのユーモラスさを出すためにイントネーションを工夫したり、訛ったりと、声のトーンで表現していることが多々あります。

例えば、情報屋のヴァルツァッキ(大高浩一)は原作では「イタリア人」という一風変わった設定。

そのキャラクター性を出すために台本上は、以下のようにカタカナが混ざっていました。

ーーーーー
閣下は何かおサカシです。わかりマス。閣下は何か望んでイルです。ワカリマス。
ごホーシできますよ、チョータツできますよ。
ーーーー

この特徴をそのまま台本通りに字幕へ反映していたのですが、モニターの方からはカタカナが突然出てきても意図が伝わらないとフィードバックが。
ただ、その状況を例えば(イタリア人)や、(〇〇弁)で話す、などと説明する必要はなく、語尾を少し変えたり、~や、ーなど長音表記をし、音で聞こえてくるのと同じような記号を使ってくれたりすると嬉しいとのことでした。

また、声のトーンを使って表現していることは、視覚情報だけでは読み取りが難しいです。声と表情のイメージが違うときもあります。そんな時は、(ささやくように)、(甘えた声で)などと口調の補足が必要です。

本作は音楽劇で、劇を通して俳優による生演奏が流れています。その状況を字幕上で説明することはなかなか難しいことです。ただ(音楽)や<♪>と表記するだけではなく、歌詞表示や音楽の特徴、(音が少しずつ消える)などと説明してほしいとオーダーがありました。舞台の両端に楽器があり、俳優が上演中に生演奏をしているという補足説明も、観劇前の字幕に加えることにしました。

モニター会後にPalabraさんとSPACとで修正点を洗い出し、字幕を作成していきました。
初日が開けてからも、日々の稽古や上演を重ねて、舞台はより深化していきます。字幕の内容も舞台に合わせて変えていきます。

公演時は窓口横にブースを設置しておりますので、事前にお申し込みの上、ご利用いただけたら嬉しいです。
同じタブレットで英語字幕もお楽しみいただけます!

1月20日(土)、21日(日)には、受付および関連企画に手話通訳がつきます。
また、目がみえない・みえづらいお客様を対象とした、
鑑賞を補助するバリアフリー音声ガイド(イヤホン)もご用意しています。
ぜひこの機会にお申し込みください。
▼観劇サポート・英語字幕の詳細・お申し込みはこちら
https://spac.or.jp/news/?p=23613

(SPAC制作部・佐藤美咲)

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SPAC秋→春のシーズン2023-2024
#3『ばらの騎士』


演出:宮城聰・寺内亜矢子
作:フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
音楽:根本卓也
出演:石井萠水、大高浩一、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、榊原有美、佐藤ゆず、武石守正、永井健二、本多麻紀、牧山祐大、宮城嶋遥加、森山冬子、山本実幸、吉植荘一郎、若宮羊市[五十音順]