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2024年8月6日

SPAC演劇アカデミー4期生 活動スタート

みなさん、こんにちは。
SPAC演劇アカデミー担当の北堀です。

4期目となる今年度のアカデミーがスタートしました。
今回はアカデミー生の年齢の幅が広がっていて、高校生だけでなく、オーバーエイジ枠として23歳以下の大学生や社会人のメンバーも集まっています。
「新しい扉を開きたい!」「コロナ禍で学生時代に思うように演劇活動が出来なかったので取り戻したい!」など様々な思いを抱いて12名が晴れて4期生となりました。
今回のブログでは、そんな4期生の1ターム(4月~7月)の活動をレポートします。

4月21日、舞台芸術公園内にある「稽古場1」で入校式が行われました。
本事業の主催者である静岡県の関係者からは、アカデミーは県が掲げる「演劇の都」構想の柱の1つ、「次世代の人材育成」の活動の一環であることをお話しいただきました。
校長の宮城聰からは、「世界は自由で多様なので、演劇という道具を使って他人を知って欲しい。そして世界を広げて欲しい」という力強い言葉が。
入校式の後は、舞台芸術公園の各施設を見学。日曜日の授業の会場である「楕円堂」、演劇祭に向け準備が進められていた野外劇場「有度」、「BOXシアター」を見て回りました。

本格的な授業に入る前に、ゴールデンウィークは「ふじのくに⇄せかい演劇祭」の観劇。
『かちかち山の台所』のゲネ、『楢山節考』、『友達』、『かもめ』、『白狐伝』を観劇しました。
『白狐伝』には、実技の講師である、貴島豪、寺内亜矢子、布施安寿香が出演しており、終演後には直接感想を伝えることができました。
講師の俳優としての姿が観られるのもSPAC演劇アカデミーの魅力のひとつです。
今回が初めてのSPAC観劇というアカデミー生も多く、迫力に驚いた様子。


▲『白狐伝』観劇後に貴島と。

5月12日、いよいよ本格的な授業が始まりました。
「ミュージカル映画で学ぶ英語」では、講師のAshの指導のもと映画「RENT」を教材に英語を学んでいきます。
まずは、英語を話すことへのためらいをなくそう!ということで、身体を動かしながら英語を話したり、日常で使えるフレーズを学びアクセントに注意しながら何度も言ってみたりしています。また英語での自己紹介にも挑戦しています。


▲英語で自己紹介をしている様子

7月には、映画「The Sound of Music」に出てくる「ドレミの歌」のコピーに挑戦。映像を見ながら動きも真似します。

最初は英語のテンションに慣れない様子でしたが、徐々に身振り手振りが増え、表情が豊かになっていきました。
英語が苦手と言っているアカデミー生もいますが、楽しそうに歌っています。

実技では、俳優の貴島、寺内、布施、牧山祐大の指導のもと、SPACでも行っているトレーニングや演劇の歴史を学んだり、身体のワークを行ったりしています。
初回の授業では、2つのチームに分かれて、演劇祭で印象に残ったシーンを共有し、再現してみます。同じ作品を観劇し、お互いどう感じたのかを知る場にもなりました。


▲『かもめ』のワンシーンを披露している様子

演劇史では、SPACの作品を見たり、台本を読んだりしながら演劇の変遷を学んでいます。ペアになってワンシーンを披露する際は牧山から演出をつけてもらうことも。


▲時には貴島が相手役になります

トレーニングでは、まずは講師の姿を見て真似るというところからスタート。わからない動きがあればすぐに聞いて確認できます。


▲トレーニングの様子


▲ワークの様子

夏の集中講習ではソロパフォーマンスの創作に挑み、9月からの授業ではいよいよ成果発表会に向けた稽古が始まります。

「『教養の書』を読む」では、大沢由加子が授業を担当し、1年かけて戸田山和久著の『教養の書』を読んでいきます。最初に、なぜ大学に行くのか、なぜ学ぶのか、についてのセクションを読みました。
本書には映画を例に語られる部分が多く、該当するシーンを見たり、大沢の解説を挟みながら進めています。

「小論文」では、SPAC文芸部の大岡淳を講師に小論文の書き方を学びます。
小論文で扱うテーマは、「言葉と沈黙」や「反パターナリズム」など演劇とは関係ないようにみえますが、アカデミー生同士で書いた文章を共有しディスカッションをする過程は、集団創作である演劇にも通じるところがあります

5月26日の授業は静岡芸術劇場で行いました。
ふだんSPAC作品を上演している場での授業はとても贅沢なものですね。
劇場は危険を伴う場でもあるので、創作・技術部主任の村松から舞台の構造を説明してもらいました。


▲舞台袖にある舞監卓の説明を聞いている様子

今年度のアカデミーでは、高校生から23歳までの普段交流することのない年代が集まったことで、お互いの価値観の違いなどを楽しんでいる様子。また、県外出身者もいるので高校生活の地域ごとの違いなども知ることができ、今までのアカデミーとは違う面白さがあります。
次回のブログでは、夏の5日間の集中講習の様子をお伝えします。
お楽しみに!

(制作部・北堀瑠香)

★「SPAC演劇アカデミー」とは
「世界にはばたけ、Shizuoka youth! SPAC演劇アカデミー」は、2021年度に開校した<世界で活躍できる演劇人>を目指す若者の感性を育むことを目的とした高校生対象の1年制の演劇塾です。劇場に通いながら、SPACの創作現場の“熱”をじかに感じられる環境の中で、少数精鋭の高校生たちが切磋琢磨する--そんな場をつくります。2024年度より23歳以下のオーバーエイジ枠を設置。SPACの俳優・スタッフらによる指導のもとで演劇を学び、名作戯曲の上演に向けての稽古に取り組むと同時に、教養、小論文、英語の学習にも力を入れ、思考力・対話力を身につけていきます。詳しくはこちら

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