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2010年10月1日

<世界は踊る稽古日記⑥・9/26>ヤマの色、ヒトの声

体験創作劇場 『世界は踊る~ちいさな経済のものがたり~』の稽古風景、第6回。

今日は、真剣な眼差しと朗らかなキャラクターが対照的で魅力的、日本語が我々以上に堪能な(!)サビン・シタドレーさんです。

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9月26日 「世界は踊る」のお稽古 舞台芸術公園 稽古棟1にて

今日も秋めいた一日。動物園で道は混みましたが、ほとんど皆が13時に間に合いました。

稽古棟一の一つの誇り、周り緑いっぱいの美しい景色を掛け替えのない絵画のように映し出す大きい四角い窓から、今日も美しい、秋模様の空が窺える。その前に昨日からのオブジェに新たに付け加えられたモノが合流して、かわいく待っている。

人間はやはりモノが好きでしょうね。モノと関係を築く。何人かが稽古開始を持ちながら、ぬいぐるみやら置物やら盆栽やら、自分の持って来たモノと会話しているのをみて、そう思った。

永井さんのウォーミングアップで始まりました。身体の一部だけを緊張させ、他の部分から力を抜けることの難しさ、そして面白さを覚えるものでした。今までの永井さんのウォーミングアップはいつもオリジナルで、とても面白くて、割合心身にやさしいものです -一応この道のプロである私が言うから間違いありません(笑)
それから「小さな経済史の物語」を最初からさらって、なんと今日は、

最後まで行きました!

5分間床の上で泳ぐ様な動きを継続し-これはこれは多分外から観て実に面白い色合いのあるコンポセィッションかと思います(しかしもしや雨の中でぬれた舞台の上でやることになれば-本当に泳ぐようなものになりますね。まあ、終わりに近いので、終わったらすぐに暖かくすれば風邪をひかないで済むでしょう)。

しかしこの動きも、他方の日常の即興的動きも、驚いたことにどんどん楽しくなって行きます。最初は「次どうしよう」と少しためらってたのに、今では自然に次々とアイディアがわいて来て、体力的に疲れても精神的に疲れなくなり、それどころが入り込むあまりつい次の場面への印を見逃してしまいそう。

動きばかりではなく、詩までも舞台の上で即興で書く-これは普通はなかなかない状況でしょうね。一人で、そうしたミュースのささやきを聞いたときではなく、決められた限られた間内で、人目に晒されて-本当に面白い経験です。
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最後は、やはりこの道のプロではないでしょうけれどもとても味がある、パワーフルなすらっとしたフランスの女優さんのギターや歌に応じて、最後の曲のリフレインを皆で歌って-ここでタイトルを言うのははばかられますが、きっとほとんどのお客様もご存知の曲でしょう。

何とも言えない味の芝居-踊り-詩-史-物語になりましょう。
やはり見逃さない方がいいだけの価値と味は十分にあります!

もう少し裏の話をしますと:ジュンさま(※注:静岡共同演出の大岡淳)のお話、これは本当に面白くて興味深い。大変に楽しい、素晴らしい、豊富な刺激を与えて下さる演出家です。

そしてまだ慣れないパフォーマンスの全体像で少し不安になっている皆を最後に佐伯さんと内野さんがたっぷりと勇気をつけてくれて励ましたくれて-やはり制作やら美術やらたくさんの方々のお力があって初めて、この舞台は可能になっているのですね!

皆さんにお礼を申し上げます。

私たちは力を合わせきっといい舞台が成り立つと信じます。

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体験創作劇場 『世界は踊る~ちいさな経済のものがたり~』

(10月23日(土)/24日(日)、野外劇場で上演)