アメリカツアー日記
SPAC文芸部 横山義志
9/24(土)
今日は午前中ワークショップがあるので、9時半にホテルを出発してダンス学校ダンス・ニュー・アムステルダムのスタジオに向かう。
11時にワークショップ開始。参加者11名+見学2名。ダンス・ニュー・アムステルダムの芸術監督キャサリンさんも参加。
・指を広げる
・座って「ホー」と声を出す、まわりと合わせながら声を極小から極大に
・手を花のつぼみが開くようにゆっくりと開いていく
・丹田の説明
・スズキメソッド、丹田の高さ・スピードをキープしながら歩く
・重心を丹田から上げ、ジャンプしながら回転
といったメニュー。「自分の体に違和感を持ち、他者として認識する」ための訓練。
後半のディスカッションでは、「今の時代を生きている人びとのほとんどは自分に何かしらの違和感を持って生きているので、演劇を通じて、この世界に生きていてもいい、という希望を見出してもらうには、演じる側も心と体の間にある違和感に敏感にならなければならない。スピーカー(語る俳優)とムーバー(動く俳優)を分けるのもそのための手段なんです」といった話。
キャサリンさんはとても興味を持ってくださったようで、「これからはダンスと演劇のあいだの交流を活発にしていかないといけないと思っていたんです。次回はぜひもっと長期のワークショップをやってください!」とおっしゃってくださった。
今日の公演にはワークショップ参加者も来てくれた。中には「実は15年前に東京で宮城さんのワークショップを受けたことがあって、ク・ナウカのファンだったんです」などという方もいたりして、不思議なものである。
テンポラリー・ディストーションのケネス・コリンズと、『ウェルカム・トゥ・ノーウェア』で歌っていた女優のステーシーさんも見に来てくれて、「作風は全然違うけど、動きと語りを分けるという意味では共通点があるね」という話。
終演後、ディスカッション。今日の上演はイリノイ大学演劇科でも生中継されていて、会場とイリノイ大学から交互に質問を受ける。イリノイ大学の韓国出身の女性からは、韓国の衣装や踊りに関する指摘も。