秋も深まって参りました。
奥野の秋はリーディング・カフェもそこそこに、久々の舞台「夜叉ヶ池」の稽古に追われております。
思えば私にとって国内での舞台出演は1年半前の「ドン・ファン」以来、素顔の舞台は「わが町」以来2年ぶりになります。
2008年、2009年に続き三度目の上演になるこの作品、泉鏡花の人気戯曲の再々演ですが、初演のころからかかわっている者からすると、大変感慨深いものがあります。
中でも直接演技にかかわってくるのが、小道具と衣裳、久しぶりに山沢学円の衣裳に袖を通したときは、今年のはじめに不慮の事故により急逝した衣裳部竹田徹君のことを思い出さずにはいられません。
学円で着させて頂いてるスーツは、実は土台は冬物で、それを夏物に見せるために麻で表を被う細かい仕事をしてくれてたり、
ズボンにも小道具の懐中時計を入れるための小さなポケットをわざわざ作ってくれてあったり、
その縫い口、切り口の一つ一つには、芝居をより素晴らしく、俳優がより美しく、そして使いやすく…を心がけられており、目にするだけで今も時折、胸が熱くなります。
そんな竹田SPIRITも、衣裳も今は若手に引き継がれており、新人のジェニファーちゃんも丁寧な仕事で頑張ってくれてます。
初演のころからの出演は晃(永井くん)、百合(布施さん)、白雪(たきいさん)、宅膳(三島さん)そして私の五名。
(キックボードでいつも颯爽と登場する晃役の永井くん)
(休憩中、小道具に愛着を覚える三島さん)
総勢15名のうち、今回初めて夜叉ヶ池に出演する俳優は実に8名とフレッシュな顔ぶれです。
(時折、音楽の棚川さんの指導のもと、疲れた体をマッサージでリフレッシュ)
(「夜叉」初出演の与十役島田出身、春日井くんの誕生日、初演から白雪を演じるたきいさんの手からスイーツが…)
STAFFも今年入った若手を統率する舞台監督の村松氏、市川ちゃんもたくましく成長してくれており、初演の頃からお世話になってる裏方陣もいてくれるのはとても心強いことです。
そして、照明の樋口さん、音響の西沢ケロちゃんのベテランに加え、今回はペールやハムレットで主役をつとめた武石守正くんも舞台裏方でリーダーシップを発揮してくれております。
いよいよ明日初日、中高生鑑賞授業も含め10月6日まで毎日上演しておりますので、皆様是非おこしくださいませ。
◆『夜叉ヶ池』一般公演
9月29日(土)16時開演、
30日(日)14時開演、
10月6日(土)16時開演
上演時間:90分