静岡芸術劇場では『サーカス物語』が連日公演を行っているところですが
舞台芸術公園では、『わが町』第二期の稽古がスタートしています!
第一期から三ヶ月をあけて再び稽古場に集まった出演者たち。
『わが町』以外でも顔をあわせているメンバーがほとんどですが、
改めて集うと、なんだかとっても新鮮な気がします。
ひとつの小さな町に、新しい朝がやってきたような!
町の人たちが家から出てきて、互いに挨拶をしているような!
…今からこのメンバーで『わが町』を創っていくからそう思えただけでしょうか?
とてもあたたかい空気を感じた第二期の始まりでした。
稽古では、第一期で全体の流れを作っていったこの作品を、再び冒頭から、丁寧に進めています。
『わが町』は全部で三幕。
公演チラシのあらすじ部分にも各幕の簡単な紹介をしていますが、
第一幕は、この作品の舞台となる田舎町、グローヴァーズ・コーナーズのある一日が紹介されます。
牧山祐大の演じる進行係の
「我々の町の分布をお目にかけておいた方がいいでしょう」
という台詞とともに、ここに通りがあって、線路がどこにあって、どんな家族がどこに住んでいて、
ここに役場があって商店街があって、薬局があって、学校があって… と、町中を、一気に駆け巡っていきます。
この写真、そのシーンでのひとこまなのですが
…学校です。
いちばん後ろで、椅子の上でやんちゃをしているのは、小長谷勝彦・横山央の二人。
小学校の頃、絶対クラスにいましたね、こういう男の子たち…。
ぱっと見、すっかり落ち着いている人もいますが、実はこれ、ほんの十数秒のシーン。
このあとにはすぐ、ぱっと解散してしまいます。
進行係が次から次へと町の様子を説明していくのにあわせて
これまた次から次へと全員で、グローヴァーズ・コーナーズの風景を組み立てていく疾走感!
『わが町』は、台本の冒頭に「幕なし。装置もなし。」と指定がしてあり
具体的な装置はほとんど現れない作品なのですが
こうして俳優たちが、めいっぱいに町の様子を描いていきます。
このシーン、どうぞ景色をたっぷり想像しながら、一緒に町中を駆け巡る気分でお楽しみください!
町の全体を一気に俯瞰したあとは、ぐっと焦点をしぼってウェブ家とギブス家、隣り合う2軒の家へ。
これが、主人公のエミリ、ジョージの家です。
この家の家族たちを中心にして、今度は町の人々の紹介へと移っていきます……。
☆
ソーントン・ワイルダーの名作、『わが町』。
わたしがご紹介するのもおこがましいほどの有名な戯曲ですが
このブログで少しずつ、作品の味わいをお伝えできればと思います。
『わが町』は、中高生の皆さんへの鑑賞事業公演は11月14日から。一般公演は11月16日から。
この16日(土)の公演は既にかなりたくさんのご予約をいただいており、
満席が予想されます。東京バスの運行も同日です!
チケット、バスともに、お問い合わせ・ご予約はどうぞお早めに!!
劇場で皆様にお会いできるのを楽しみに、これからあと約3週間、稽古を重ねてまいります!
▲同じく1幕の稽古風景より。みんなが集まって、誰に向かって何をうったえかけているのでしょう…?
ちなみにこのシーン、みんな表情豊かですが実は1人を除いて誰も喋っていないのです! 答えは劇場で☆
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SPAC秋のシーズン2013
『わが町』
11月14日~11月29日
公演の詳細はこちら
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制作部・中野三希子