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2014年2月7日

【此処か彼方処か、はたまた何処か?】紹介文(3)

『此処か彼方処か、はたまた何処か?』
紹介文の第三弾は西川泰功氏です。

なお、千秋楽2月16日までの期間限定で『此処か彼方処か、はたまた何処か?』の台本を公開しております!
ぜひ、この混沌を垣間見ていただいてからアトリエみるめへお越しください。
台本のダウンロードはこちら

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本作が初演された1967年からすでに50年近く経過している。アングラ的なものの余波は今でも世の中に漂っているが、すっかり漂白されて無害だ。問題は、今まさに動いている、生きた現実に、いかに向き合うかではないのか。これを抜きにアングラなど成立しようもない。などと、1986年生まれのぼくが書けば笑われるだろうか。どちらかと言えば、革命なんて糞くらえ、保守本流でいきましょう、が信条の真人間になりたい方だ。なのに、どうして、このアナーキーでアホくさい、ヒップにケチャップ飛ばす類いのペダンチックな高速回転詩編にひかれるのか。チューンナップされる幻想を支えるのは車窓から眺める電信柱。飛び去る言葉の柱。これでもかと読者を混乱させておいて、一瞬焦点を結ぶ像の先で、この社会の現実をふるわせてしまうからだ。狂った政治家たちにカーマスートラを叩きつけ「蒸し風呂へ行け!」と叫びたくなる。「尼寺から出てこい!」と。気づけば真人間になれない者の叫びを代行している。代行? いや、ぼく自身の姿なのか…実に有害だ!

西川泰功(ライター、芸術批評誌「DARA DA MONDE」編集代表)

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『此処か彼方処か、はたまた何処か?』
作:上杉清文、内山豊三郎
演出:大岡淳
2/14(金)~2/16(日)
アトリエみるめ

公演の詳細はこちら
『此処か彼方処か、はたまた何処か?』