『タカセの夢』 5月5日 観劇感想
まるふ期間中に観劇した舞台は、どれも少し暗く、「毒」の要素が強いような印象を受けたのですが、この『タカセの夢』という舞台は違いました。毒が全くない訳ではないのですが、希望や夢というようなキラキラしたまぶしさが弾けている、そんな舞台でした。
その理由の1つに、出演者が10代というのがあると思います。メッセージ性や芸術性が高いことが演劇・ダンスにおいて大事な点かもしれませんが、「生の演技」というのが演劇の醍醐味のような気がします。テレビや映画では感じることのできない、演じ手のエネルギーを感じることができるからです。演じる人の息遣いや、滝のように流れる汗、緊張で少しだけ震える手。そういうものを生で観ると、舞台の内容の入り方も違うし、「俳優の演じている心境」というような側面からも考えるので、考察が深まります。何よりも、必死でがんばっている人を生でみるというのは凄いエネルギーを感じるのだと思いました。演じる人は毎回、今しか出来ない演技をしているのだと思いました。
衣裳も見所です。学校の制服や、暗い衣裳にマスクという少し不気味な衣裳、春のようなふわふわとした淡い色の衣裳、年寄り風の衣裳。場面によって変化する背景の動画と相俟って、視覚的にも楽しかったです。
花びらが舞うなか、出演者によって観客が舞台に連れて行かれ一緒に踊っていました。その光景がこの舞台の明るさを表していて、とても素敵だと思いました。
(まるふ2014執筆クルー 三好)