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2014年7月27日

【アヴィニョン・レポート】 Le nouvel Observateur紙に『室内』記事

Le nouvel Observateur紙にも『室内』記事が掲載されました。
※元文はこちら(仏語)

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クロード・レジ、壮麗

 クロード・レジ演出、日本人俳優出演のモーリス・メーテルリンク作『室内』は政治にもふれず、神にもふれてはいない。だが、我々をのめり込ませ、あらゆる感覚の幅を広げさせる。この公演はまさに壮麗である。

 舞台中央には子供が横になって眠っている。その小さな身体は夢や天使のように無重力状態にあるかのようだ。まだ娘の死を知らされていない家族の一人息子だ。地面も壁も弓形にかたどられたとても柔らかく控えめな光の中に家族はいる。それ以外は闇だ。娘の死をすでに知っている人々が闇空間で話をし、屍を担いでやってくる喪の一行がゆっくりと野原からやってくるのを見ている。そして、一行の歩みを描写しながら家族に告知する瞬間を遅らせている。俳優たちの緩慢な歩みと身振り、声(日本語)は痛みというものの振動を強烈なまでに体現している。ここでは全てが放射線を発してくる、ゆっくりとした速度で。観客は中間にいる、生と死の狭間に。この芝居は子供の死を告げるその瞬間とその一言が永遠に広がっていくのを見事に捉えている。

 パリのフェスティバル・ドートンヌで再演時により詳しい記事を書くが、上演時間は1時間30分。形式だけで我々を魅了しようとは全くしていない。ただ、とても深い、自分に近しい位置での高い集中力を要求してくる。クロード・レジは、世界の喧噪から遠く離れたところで、時に挑戦し、あらゆる意味での地平線を押しやり、そして、『室内』をもって演劇の美を賞讃している。(モンファヴェ劇場にて7月27日まで)
 
オディール・キロ
ヌーベルオブセルバター ビブリオブ 2014年7月22日版
 
(翻訳 浅井宏美)
 
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◎『室内』ヨーロッパ・ツアーの詳細はこちら