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2015年9月19日

『室内』韓国・光州公演レポート(2)

『室内』光州レポート第2弾は、娘役の弓井茉那(ゆみい・まな)からです。

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『室内』韓国・光州公演のレポートを、娘役の弓井がお届けします。

今回私たちが上演する場所である、光州(クゥアンジュ)。聞き馴染みの無い方もいらっしゃると思いますが、ソウルよりもずっと南西に行ったところにあり、経済・文化の中心都市、そして近年では光州ビエンナーレが開催されるなど芸術の街でもあります。韓国に詳しい人から聞いたのですが、都市の大きさは日本でいうところの広島を想像してもらうと分かりやすいそうです。

この光州広域市に新しく、劇場を内包した文化拠点となるスペース、Asian Culture Center が私たちが到着する少し前に出来ました。
日本ではあまり見かけない規模のとても大きい施設です。土日には、美術作品や子どもたちのための遊べるスペースが登場します。
到着してすぐ『室内』の家族役の俳優、貴島豪さん、鈴木陽代さん、永井彩子さんと群衆の大庭裕介さんと見に行きました。この時はラッパのような拡声器の美術作品がたくさん置いてあって、みんなで体験してみました。光州はこの時期雨が少ない様で気持ちのいいお天気でした。

そのACC(Asian Culture Center)の中の新しく開館した劇場、 Asian Arts Theatre のOpening Festival にて『室内』の上演をします。
伝統芸術が豊かな韓国ですが、現代アートや現代演劇が生まれにくかった背景があるそうです。その中で2000年代に生まれたニューウェーブ・多元芸術(ダウォン芸術。既存の枠組みにはまらない新しいアート)が注目を集めるようになり、Asian Arts Theatreでも現代アートや現代演劇の先鋭的なラインナップが揃っています。
また、光州は1980年に「光州事件」が発生し、「民主と人権を象徴する街」でもあります。ACCが建てられた場所は、光州事件の舞台となった旧道庁があった場所とのこと。その歴史的背景に基づき、アジアのハブとなるような劇場が誕生し、そして歴史をテーマにした作品もいくつか上演されています。

フェスティバルの中心はこのACCですが、私たちの会場は少し離れた、CGIセンターです。バスに乗って行きます。

パペットアニメーションなどの撮影で使われている広々とした撮影スタジオに室内を作ってもらいました。
舞台の大きさは変わりませんが、空間自体の広さは今までで一番かもしれません。天井が高い。夕方になると、コオロギの鳴き声が聞こえたりします。

SPACメンバー、フランスのアトリエ・コンタンポランのメンバー、フェスティバルの現地スタッフさん、ボランティアさん、一丸となって緻密な調整作業が連日続いています。

光州の地の広い砂の上で、ここに在る人や物、ここにかつて在った人や物、これから在るかもしれない人や物たちに想いを馳せながら上演しています。

光州よりお届けしました。

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