公演まで泣いても笑っても残り1ヶ月(!?)稽古もいよいよ佳境に入ってきました。
そんな中、SPAC俳優で日本舞踊の名取でもある鈴木麻里さんが、県民劇団のメンバーのために、日舞ワークショップを開催してくださいました!
昨年、「ギリシア悲劇と和のコンセプトの融合」を掲げた同劇団の旗揚げ公演『オレステス』をご覧になった鈴木さん。「日舞の所作が作品の役に立つのではないか?」と、ワークショップを提案してくださり、このたび実現しました。
浴衣を着て、いざスタート!
『血の婚礼』では、とある場面で仮面を使った演出が予定されています。
そのシーンの参考になるように、ワークショップでは古典演目から「おかめ」の面を付けて舞う場面を抜粋して稽古。
最初は、お面を付けずに、ひとつひとつの動きや意味を確認します。
そして、おかめのお面を付けて…。
能のお面はひもで固定するのですが、日舞のお面は口で銜えるのだそう。
(お面の裏側に銜えるための突起がついています)
今回は、鈴木さんがメンバーのために、紙のお面を作ってくれました!
「踊りに入る前に、一度みんなで鏡の前に並んでみましょう」と鈴木さん。
「どのくらい首を傾けると一番おかめが可愛く見えるか、各自で鏡に写して探ってみてください。お面の役柄や付ける人の体格、お面との相性によって、どんな動かし方がそのキャラクターを一番イキイキさせるかは違ってきます。自分でも鏡を見てて笑えるぐらい、おもしろいぐらいなのが大事なので、振り付けを外れた動きもしながら、お面と遊んでみてください」
おかめ姿も板に付いたところで、いよいよ踊ります!
お面を付けると、顔で感情を表現できない分、首の角度、手の振り方、体の傾け方など、身体全体で表現しなければなりません。ちょっとした角度の違いで全く異なるものになってしまいます。
お面を付けたことで狭まった視界や息苦しさにも悪戦苦闘しつつ、足先・指先まで感覚を張り巡らせ、舞います。
ワークショップ前半は個々に踊っていたのに対して、後半には簡単な群舞を体験。
最後は全員で「千鳥」という動きに挑戦しました。
向かい合わせでタテ一列に並び、呼吸を合わせてひらひら相手とすれ違い続けます。
はじめはお互いぶつかるなどぎこちなかったのですが…徐々にスムーズに。
最後は流れるような動きになりました!
今回教えていただいた所作をそのまま使うわけではありませんが、
普段とは違った角度から自分の体を発見したり、型を共有してみんなで大きな流れを持った動きを生み出したりと、劇団メンバーも学ぶところが多い、充実したワークショップとなったのではないでしょうか?
鈴木麻里さん、ありがとうございました!
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SPAC県民劇団 劇団壊れていくこの世界で
『血の婚礼』
2016年2月20日(土)13:30/19:00、21日(日)13:30
舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」
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