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2018年10月16日

『顕れ』パリ日記(8) ~稽古、「連帯のレストラン」~

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月18日(火)

 
トレーニング、稽古。

宮城さんのノーツ。

「ウブントゥ(「我らあり、ゆえに我あり」という意味)という名前が出てくるときにはビックリしてほしい。たとえば突然子どもたちが声を揃えて「万国の労働者よ、団結せよ」と言い出した、みたいな。」

ウブントゥ

この『顕れ』では、人々の理想が空疎なものとなっていき、さまよう魂の群れの名前になっていく。

サラディン・カティールがデザインした巨大な月と太陽を、フランス人スタッフは「カマンベール」と呼んでいる。

SPACがフランスで全くの新作を作るのはこれが初めて。これまでは少なくとも一度は静岡で公演してから海外ツアーに出ていた。今回はもちろん日本側からも技術スタッフが参加しているが、二日目の公演まででほとんどが帰国してしまい、最終的にはフランス側のスタッフだけで公演を回すことになる。本番中に装置の転換をするフランス人スタッフも、日本風に黒子になって、日本語の台詞を聞きながらきっかけをつかんでいくことになる。

黒子

双方にとって、大きな挑戦。

村松さんとフランクさん

「連帯のレストラン 女性シェフの食卓」を運営しているアミナさんのお話。

アミナさん

アミナさんは、かつては観光名所にもなっているキャバレー「リド」で、ただ一人の女性シェフとして活躍していて、この道35年という。「女性シェフの食卓(La Gamelle des Cheffes)」というのは、20区の近所の人たちと一緒にやっているアソシエーションの名前。

女性シェフたちの食卓

今はラオス出身のエリザさんが代表を務めている。そこでお料理教室などをやっていたが、地元のイベントで料理を作るようになった。文化大臣や区長が出席するイベントにも料理を提供してきた。そういったパーティーをきっかけに、コリーヌ国立劇場の人に声をかけられ、このレストランを運営するようになった。今年が二年目。

「劇場の食事は冷凍食品が多いけど、ここでは新鮮な食材を使ったものを出してます。すごく手間はかかるけど、ちゃんとしたものを食べてほしい。私の目的は安くていいものを食べてもらうこと、そして仕事のない人に経験をつけてもらって、仕事をつくること。
ムアワッドさんは本当に謙虚で、人間的で、若い人たちを助けたいと思っていて、とても働き者。すごく気が合うので、やりがいがある。
私は料理が好きで、子どもの頃からお芝居が好きだったから、ここは本当に自分のホームだと思ってます。モロッコ生まれで、お父さんが厳しくて、お芝居はできなかったけど、ここでやるものはだいたい観ています。昨日の初日のパーティーでお客さんたちの話を聞いたけど、『顕れ』はすごく評判がいいから、こっちが落ち着いたら必ず観に行きます。」とおっしゃっていた。

今週のお勧めはアミナさんのチキンカレーと、パキスタン出身のアイシャさんのパキスタン風ファラフェル。

アイシャさん

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『顕れ』 フランス公演
2018年9/20(木)~10/20(土) 全27公演
 ※9/24(月)、10/1(月)、8(月)、15(月)休演
会場:コリーヌ国立劇場
◆公演の詳細はこちら
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年明け、日本でも「秋→春のシーズン」3作品目として上演します!
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『顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1/14(月・祝)~2/3(日) 静岡芸術劇場
◆公演の詳細はこちら
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