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2018年9月30日

『授業』ブログ~【レッスン4】舞台裏はナンセンスではなくハイセンス!! vol.1~

すっかり涼しくなり、芸術の秋ですね。
はじめまして、こんにちは!
9月18日よりインターンでお世話になっております、昭和音楽大学の杉山悠里と申します。
普段大学では舞台の演出部としての勉強をしておりますが、今回は『授業』という作品の制作として活動させていただいております。

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▲ 左:稽古に立ち会わせていただいたときの私。

今回の「SPAC秋→春シーズン」の第1作目である『授業』はストーリーも分かりやすく、俳優陣の熱量も高い必見の舞台となっております!
そこで皆様に私の目線で『授業』のすばらしさを少しでもお伝えできればと思います。
お付き合いよろしくお願いいたします!

ご存知かもしれませんが、舞台には多くのスタッフが関わっています。具体的に言えば、すぱっく新聞のここ!
     ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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ちっちゃ!演出家や俳優に比べてちっちゃ!!!
しかし、彼らはそれぞれ舞台のウラカタに人生をかけるプロフェッショナル。
今回はそんな皆様をインタビュー形式で少しだけご紹介いたします!

 
まずは美術デザイン香坂奈奈さん

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▲ 舞台セットに色を塗る香坂さん

―今回の注目ポイントを教えてください。
(香坂) 今回私は稽古の途中からの参加だったのですが、前々から演出家の西さんが「空っぽの舞台」を求めているというのは聞きました。ですが、美術家として、何もしないわけにはいきません。「無」を表現することをテーマとしました。ルント幕を使い、角をなくしたのもそのせいです。角ばった舞台空間では「角」という存在ができてしまいます。その中で照明が入り、存在が顕著に浮かび上がってしまいます。その一切を排除しているように見せようと考えました。そういったところには気を使っています。

―「角」という存在ですか。なんだか考えさせられます。
 シンプルで抽象度の高い舞台美術なのもそのせいでしょうか。

(香坂) そうですね。西さんと初めてお話して自由な発想でいこうと考え、プランニングを進めていきました。本当にリアルに考えるなら、ト書き通りのセットを組めばいいんですけれど、そうではないんだろうなと。縛られず自由に。

時折笑顔を浮かべながら私の話も親身になって聞いてくださった香坂さん。
ただ、デザインの話の時は芯のぶれなさを感じさせられました。

 
続きまして、衣裳デザイン駒井友美子さん

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▲ デザイン画を見ながら衣裳の修正を行う駒井さん

―今回の注目ポイントを教えてください。
(駒井) 今回衣裳では色のインパクトを大事にしています。教授役の衣裳では演出家の西さんとも話し合い、最初は楽しげに見えるけれど物語が進むにつれて見え方が変化していくというコンセプトでデザインしました。
 また、役柄からではなく役者本人からのイメージも大きいです。本人が一番魅力的に見えるように、というのは1番にありました。生徒役の布施さんの衣裳は、生徒という立場を残しつつも子供っぽくなり過ぎず、布施さんに似合う形や色を選んでいます。教授3人においてもそうです。例えば、貴島さんはどピンクも似合うかな、と思いました。

―なるほど。それぞれに合わせたデザイン、色なんですね。
 舞台が進行していく中で衣裳が少し変化することがありますが?

(駒井) そうなんです。これも西さんとの相談で決まりました。いままで抑えていたものがとれ、より大きなインパクトを感じていただけるかと思います。特に3人そろってのパワーを意識しています。3人そろってひとかたまり、といったような感じです。最初は3人とも同じ色の衣裳にしようという案もあったぐらいなんです。ちょっとそれは揃え過ぎだということになって今の衣裳になりました。

細かい仕事をスルスルとこなしつつ、常に謙虚な駒井さん。「役からではなく本人から衣裳を」という言葉が印象的でした。ちなみに衣裳部は静岡県のご出身が多いんだそう。ちょっと親近感がわきますよね…!

今回は美術デザインの香坂奈奈さんと衣裳デザインの駒井友美子さんでした。
舞台は一期一会です。
皆様お見逃しの無きよう、よろしくお願いいたします!

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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 ♯1
授業
2018年10月6日(土)、7日(日)、8日(月・祝)、13日(土)★、
20日(土)、21日(日)、28日(日)
各日14:00開演 ★13日(土)のみ16:00開演
会場:静岡芸術劇場

演出:西 悟志 共同演出:菊川朝子
作:ウジェーヌ・イヨネスコ
翻訳: 安堂信也、木村光一
出演:貴島豪、野口俊丞、布施安寿香、渡辺敬彦
照明デザイン:大迫浩二
美術デザイン:香坂奈奈
衣裳デザイン:駒井友美子
*詳細はコチラ
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