2018年11月27日(火)
パリからサウジアラビアへの移動。劇団SPACが宮城作品で西アジアに行くのは創立以来はじめて。
午前6時、チェックアウトしてバスで空港へ。眠い。
サウジに運ぶ楽器などのエアカーゴの荷物をカウンターまで運び、チェックイン。
今日の最終目的地はサウジアラビアのダーラン(ザフラーン)だが、その最寄りの空港はダンマーム空港になる。フライトはアラブ首長国連邦のアブダビ経由。実はパリから行くとダンマームの方がアブダビよりも手前にあるのだが、直行便がないため。ダンマームは石油の輸出港として知られる都市で、観光地でもない。そもそもサウジアラビアは巡礼に来るムスリム以外の観光客をあまり受け入れていない。サウジアラビアへの入国は、メンバー一同はじめて。宮城さんから、サウジ滞在中の注意事項など。
朝10時過ぎ発の便で、まずはアブダビへ。6時間ほどのフライト。時差もあって、19時過ぎ着。
そこで乗り換えて、21時過ぎ発のフライトで、サウジアラビアのダンマームまで約1時間半。ゲートで待っていると、好奇の視線を感じる。石油技術者でも商社関係者でもなさそうな東アジア人がこんなに大挙してダンマームに行くこともなかなかないのだろう。
エティハド航空の座席スクリーンでは、便利なお祈り案内画面がある。これを見ると、何より重要なメッカの方向がわかるし、今日のお祈りの時間、そして次のお祈りまでの時間を知ることができる。
サウジアラビアといえば、日本では第一に石油だろうが、ムスリムの方々にとっては、何よりもメッカ(マッカ)とメディナ(マディーナ)というイスラム教の二大聖地がある国。
そのために、どこよりもイスラムへの思い入れが強い国でもある。そんな国で日本人がヒンドゥー教の聖典『マハーバーラタ』を上演するというのがどういうことになるのか。実際に行ってみないとわからないことばかり。
22時半頃ダンマーム着。ふたたびトラックに荷物を積み込む。
バスでダーランへ。45分ほどの道のり。
バスのなかで、迎えに来てくれた制作会社フィルムマスターのスタッフ、ウィリーとエブラヒムの二人と話す。ウィリーことワリードはバンクーバーの大学でウェブデザインを学び、六カ月前にフィルムマスターに就職。エブラヒムはインドのムンバイ近郊の大学でコンピュータ工学を学んでいたという。
二人によれば、上演会場のアブドゥルアジーズ王世界文化センター(King Abdulaziz Center for World Culture)は国営石油会社のサウジアラムコが建てて、運営している。はじめはアラムコの関係者だけが対象だったが、半年前から一般の観客も入場できるようになったとのこと。
やがて、世界文化センターが見えてくる。
この世のものとも思えない、ちょっとSFのような風景・・・。
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◆『マハーバーラタ』(アブドゥルアジーズ王世界文化センターのウェブサイトへリンク)
https://www.ithra.com/en/eventshub/events/201812-mahabharata
◆『マハーバーラタ』サウジアラビア公演(SPACウェブサイト内)
http://spac.or.jp/mahabharata_saudiarabia2018.html
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SPAC海外ツアーブログ
アヴィニョン演劇祭参加の記:2014年『マハーバーラタ』『室内』上演記録
アヴィニョン法王庁日記 :2017年『アンティゴネ』上演記録
『顕れ』パリ日記2018 :宮城聰最新作『顕れ』上演記録
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