SPACでは2015年より毎年、「駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場」にて野外劇を上演してきました。
7回目となる今年は、宮城聰演出、古代オリエント文明の象徴にして現存する世界最古の文学作品、『ギルガメシュ叙事詩』を上演いたします。
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仏国立ケ・ブランリー美術館×SPAC/新作『ギルガメシュ叙事詩』上演決定!(2022年1月21日更新)
本連載ブログ【『ギルガメシュ叙事詩』Reports】では、今年1月より始まった稽古から、3月に行われるケ・ブランリー美術館での公演と、ゴールデンウィークに開催される駿府城公園での公演までの軌跡を皆様にお伝えして参ります。
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年明け、1月4日(火)より、『ギルガメシュ叙事詩』の稽古がはじまりました。
稽古初日は、人形劇師・沢則行氏による人形デザイン画のお披露目から。
美術デザインの深沢襟よりデザイン画の説明がされます。
(今はまだお見せできない部分が多いため、白黒写真でお届けします)
沢則行氏は、チェコ・プラハを拠点に世界的な活動をしている人形劇師。
2019年10月にNHK Eテレにて放送された「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」で宮城聰と対談したことがきっかけで今回タッグを組むことになりました。
貼り出されたデザイン画に描かれていたのは、なんと【巨大な操り人形】…!(実物は本番までのお楽しみ)
俳優たちのテンションが上がる一方、「雨が降ったら水がたまって重くなるのでは…」などの声も。
野外での上演経験が豊富なSPACメンバーたちだからこそ、雨対策も同時に考えはじめます。
その後、俳優たちに前半部分の台本が配られ、本読みが始まります。
(書かれた言葉が初めてセリフとなる…感動の瞬間です)
「演奏するエリアは?」「巨大な操り人形はどこから登場?」など舞台上の配置も次々と決まっていきます。このスピード感は長年ともに歩んできたメンバーたちだからこそなせるわざ。
「”深淵”の重さを感じさせないように」「だんだん重力がかかってくるように」と折々で宮城の演出も入ります。
一通り読み終わると、次は演奏や「対位法」と呼んでいるセリフの構成、地謡などパートごとに分かれ、シーンの区切りごとに宮城が確認していきます。
合間に冗談が飛び出す場面も。
俳優「宮城さん!このアイデアでこれ以上進めてボツになったら立ち直れないです!」
宮城「貯金になるから」(笑顔で)
俳優一同「いやいや(笑)」
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連載ブログ、第1回目はここまで。
本連載では、『ギルガメシュ叙事詩』が果たしてどのような作品に仕上がるか、ひとつひとつのパーツがつながっていく、その創作の過程を追い、皆様にご紹介して参ります。
次回も乞うご期待です!
執筆:高林・入江(制作部)
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フランス国立ケ・ブランリー美術館委嘱作品/SPAC 新作
『ギルガメシュ叙事詩』
台本・演出:宮城聰
翻訳:月本昭男(ぷねうま舎刊『ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語』
音楽:棚川寛子
人形デザイン:沢則行
出演:阿部一徳、大高浩一、石井萠水、大内米治、片岡佐知子
榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木陽代、関根淳子
大道無門優也、舘野百代、本多麻紀、森山冬子、山本実幸
吉植荘一郎、吉見亮、渡辺敬彦
/沢則行(操演)、桑原博之(操演)
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